準確定申告とは?手続き・必要書類・期限・注意点をわかりやすく解説

準確定申告とは?手続き・必要書類・期限・注意点をわかりやすく解説
最終更新日:2025/09/26
この記事の監修者
澤村明浩税理士事務所
代表 澤村 明浩(税理士)
「突然の家族の死に直面し、悲しみの中で相続手続きを進めなければならない」「準確定申告って聞いたことはあるけれど、自分の場合は必要なの?」「期限が4ヶ月しかないと聞いて不安」といったお悩みはありませんか?準確定申告は、亡くなった方(以下「被相続人」)の代わりに相続人が行う所得税申告で、通常の確定申告とは期限も手続きも大きく異なります。本記事では、準確定申告の基礎知識から具体的な手続き方法、よくあるトラブルの回避法まで解説します。

準確定申告の基礎知識

準確定申告とは何か、誰が申告するのか、通常の確定申告との違いなど、まず押さえておくべき基本的な仕組みについて解説します。

準確定申告とは何か

準確定申告とは、被相続人の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わりに行う所得税申告のことです。

通常の確定申告との主な違いは以下の通りです。

項目 通常の確定申告 準確定申告
申告者 本人 相続人全員(代表者申告可:付表・委任状)
申告期限 翌年3月15日 相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内
所得計算期間 1月1日〜12月31日 1月1日〜死亡日
必要書類 確定申告書 確定申告書+付表(相続人の代表者等)
医療費控除 支払った医療費 死亡日まで被相続人が支払った分のみ
配偶者・扶養控除 12月31日時点の状況 死亡日時点の状況(月割り計算なし)
生命保険料控除 年間支払額 死亡日までの支払額(限度内で控除、満額とは限らない)
※法律上は相続人全員が申告義務者。実務は代表者申告が一般的。
※申告先は被相続人の死亡時住所地を管轄する税務署(相続人住所地ではない)。

例えば、7月15日に亡くなった場合、その年の1月1日から7月15日までの所得が申告対象となり、申告期限は11月15日(期限日が土日祝なら翌営業日)となります。

申告先は被相続人の死亡時住所地を管轄する税務署で、相続人の住所地ではないことに注意が必要です。詳しい手続きについては、国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」をご確認ください。

申告義務者と申告方法

準確定申告の義務者は相続人および包括受遺者です。相続人が1人の場合は単独で申告書を作成・提出でき、手続きは通常の確定申告とほぼ同様です。

相続人が複数いる場合は、法律上は全員の連署による申告が原則ですが、実務上は代表者による申告を取ることが多くなっています。この場合、他の相続人から委任状を取得し、代表者が単独で手続きを進めます。個別申告を選ぶ場合は、相違・重複を避けるため、申告内容を相続人間で共有し付表情報の整合を図ります。

包括受遺者は、相続人がいない場合など相続人に準じた地位となるときに申告義務が生じます。一方、相続放棄をした人は申告義務がありませんが、放棄前に申告した場合はその申告が有効となることに注意が必要です。

準確定申告が必要なケース・不要なケース

すべての相続で準確定申告が必要になるわけではありません。被相続人の所得状況により必要性を判断する必要があります。

申告が必要な主なケース

被相続人が生前に確定申告をする必要があった場合、準確定申告も必要となります。

 

個人事業主・自営業者だった場合は事業所得があるため申告が必要です。

例えば、佐藤さんが個人で経理事務所を運営し、3月に死亡したケースでは、1月から3月までの売上300万円から経費を差し引いた事業所得について申告する必要があります。

 

不動産所得があった場合も申告対象となります。

例えば、山田さんが賃貸マンション2棟を所有し、5月に死亡したケースでは、1月から5月までの家賃収入から必要経費を差し引いて申告することになります。

 

給与所得については、給与収入が年間2,000万円を超えていた場合や、2ヶ所以上から給与を受けていて従たる給与と給与以外所得の合計が20万円を超える場合に申告が必要となります。

 

公的年金等の収入については、年額400万円を超えていた場合や、400万円以下でも他の所得が20万円を超える場合は申告が必要です。

例えば、鈴木さんが年金年額500万円を受給し、8月に死亡したケースでは、1月から8月分の約333万円について申告する必要があります。

 

株式や不動産の譲渡所得があった場合も申告対象です。死亡年に不動産を売却していた、上場株式を特定口座(源泉徴収なし)で売却していた場合などが該当します。

 

特定口座(源泉徴収あり)の場合は原則申告不要ですが、損益通算や控除の適用で申告した方が有利になるケースもあります。

申告が不要な主なケース

会社員で年末調整が完了していた場合は、基本的に準確定申告は不要です。

従業員が死亡した場合、会社は死亡時点で年末調整を行うのが原則となるため、適切に年末調整が実施されていれば準確定申告は不要となります。ただし、年末調整で対応できない所得控除(医療費控除、寄附金控除など)がある場合や、給与以外の所得がある場合には、還付を受けるための準確定申告が必要となる場合があります。

 

年金収入については、公的年金収入が400万円以下で、その他の所得が20万円以下の場合は、申告不要制度(所得税法第121条の2)により準確定申告は不要です。多くの年金生活者がこの条件に該当します。

 

所得が基礎控除額である48万円以下の場合も申告不要です。パート収入のみで年収103万円以下だった方、わずかな不動産所得しかなかった方などが該当します。

 

家庭裁判所で正式に相続放棄手続きを完了した場合は、そもそも相続人ではなくなるため申告義務もありません。

申告義務はないが申告した方が良いケース

申告義務がなくても、準確定申告をすることで税金の還付を受けられる場合があります。

 

医療費控除を受けられる場合は、準確定申告により税金が戻ってくる可能性が高いです。被相続人が死亡日までに支払った医療費が10万円を超える場合(所得が200万円未満の場合は所得の5%)、医療費控除の対象となります。還付額は所得水準・税率・他控除で大きく変動します(控除額の目安=(医療費−10万円)×所得税率 ※所得195万円未満は5%)

 

給与や年金から源泉徴収されていた場合、実際の税額との差額について還付を受けられる可能性があります。特に年の途中で亡くなった場合は、年間所得が予定より少なくなるため、源泉徴収税額が実際の税額を上回り、還付額が大きくなることがあります。

 

その他、寄附金控除(ふるさと納税を含む)や住宅ローン控除なども適用できる場合があります。住宅ローン控除については、その年に居住を開始していれば年の途中で亡くなった場合でも適用可能です。年末時点での居住は要件とされていないため、適切に控除を受けることができます。

 

これらの還付申告は、申告期限が5年間(国税通則法第74条)と長いため、4ヶ月の期限を過ぎても申告可能です。ただし、還付金は相続財産となるため、相続人間での分配方法を事前に決めておくことが重要です。

準確定申告の手続きと流れ

準確定申告の手続きを具体的な期限の目安と共に解説します。計画的に進めることで、期限内の確実な申告が可能になります。

手続きの全体的な流れ

準確定申告は以下の流れで進めます。各ステップの期限は法定期限ではなく実務上の目安です。

1. 申告必要性の判断(死亡後1週間以内推奨)

源泉徴収票、年金支払通知書、通帳等で収入状況を確認します。前年の確定申告書があれば参考にし、判断が困難な場合は税務署に相談しましょう。相続放棄を予定している場合は、まず相続放棄の検討・申立てを優先してください。

2. 相続人の確定と代表者選定(死亡後2週間以内推奨)

戸籍謄本等で相続人を確定し、複数いる場合は代表者を決定します。代表者の連絡先を他の相続人と共有しておくことも重要です。

3. 必要書類の収集(死亡後1ヶ月以内開始推奨)

勤務先から源泉徴収票を取得し、年金の源泉徴収票を「準確定申告用」として請求します。医療費領収書等の控除関係書類の整理も並行して進めます。

4. 申告書作成(期限1ヶ月前まで推奨)

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の活用が推奨されます。相続人情報を記載した付表の作成と各種控除の適用検討も行います。

5. 署名・押印・提出準備(期限2週間前まで推奨)

相続人全員の署名・押印または委任状を準備し、提出書類一式の最終確認を行います。

6. 提出・納税(期限内)

税務署窓口、郵送、e-Taxのいずれかで提出し、納税が必要な場合は期限内に納付します。

必要書類の詳細と入手方法

準確定申告に必要な書類は多岐にわたるため、計画的に収集する必要があります。

基本的な申告書類として、確定申告書と確定申告書付表「相続人の代表者等」を用意します。これらは国税庁ホームページまたは税務署で入手できます。代表者申告の場合は委任状も必要です。

収入関係の書類では、給与所得の源泉徴収票を勤務先から取得します(通常、死亡時に発行)。公的年金等の源泉徴収票は「準確定申告用」として請求する必要があります。国民年金・厚生年金等は日本年金機構、共済年金は各共済組合に請求してください。事業所得がある場合は、青色申告決算書・収支内訳書を作成するための帳簿を用意します。

所得控除関係の書類として、医療費領収書を死亡日までの分集めます。各種保険料控除証明書は生命保険会社・損害保険会社から取得し、寄附金受領証明書は寄附先団体から発行してもらいます。

相続関係・本人確認書類として、被相続人の戸籍謄本(死亡記載)を市区町村で取得します。委任状(実印押印推奨)を用意し、遺産分割協議書を作成する場合に印鑑証明書も必要です。相続人の本人確認書類としてマイナンバーカードや運転免許証等を用意します。

マイナンバー記載について:被相続人・相続人の番号記載と本人確認書類添付(写し)が必要です。

書類収集のポイント:年金の源泉徴収票は死亡届提出後でないと請求できない場合があるため、他の書類収集と並行して早めに手続きを開始することが重要です。

監修者

澤村 明浩

記事監修者からのワンポイントアドバイス

 相続税の申告が必要な場合でも同様のことが言えますが、被相続人の収入、それに対する経費を完璧に把握するということが難しいということがあげられます。通帳や契約書が見つからず、収入の把握が困難だったり、逆に通帳から複数の収入源(給与・年金・不動産収入など)があることはわかっているが、資料が揃っていないという場合などです。準確定申告は相続税のように財産、債務(貸借対照表項目)に課税するわけではなく、亡くなったその年の所得(損益計算書項目)に対して課税するものです。基本的に所得税は毎年大きく変わるものではありません。大きく変わる可能性のある事業者にしても、過年度において確定申告を行っているはずなので、まずは過年度の確定申告書なり、源泉徴収票なりを集めて、被相続人は通常どんな所得があったのかを把握することからスタートすべきと考えます。

申告書作成と提出の実務

申告書の作成方法は主に3つあります。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は準確定申告にも対応しており、入力ガイダンス付きで初心者でも安心して利用できます。被相続人情報入力時は「準確定申告」を選択することを忘れないでください。

税務署窓口での相談・作成も可能です。混雑状況を事前確認し、必要書類を全て持参すれば、不明点をその場で質問できます。

複雑なケースや時間がない場合は税理士への依頼も有効です。費用目安は5万円から15万円程度で、事業所得等により変動します。

提出方法も複数から選択できます。

納付方法について:口座振替(振替納税)は被相続人名義では利用不可のため、金融機関窓口・振込・インターネットバンキング等の方法を利用します。

申告書作成時の重要な注意点として、所得計算期間は死亡日までとなるため月割り・日割り計算に注意が必要です。各種控除は死亡日時点の状況で判定し、相続人が複数の場合は付表で税額・還付金を按分します。

注意すべきポイントとトラブル回避

準確定申告で陥りがちなミスや見落としポイントを、対処法と共に解説します。なお、死亡退職金・死亡保険金(受取人固有)・香典等は準確定の所得に含めず、相続財産(または非課税枠)として扱います

未支給年金(公的年金の未支給分)は所得でなく、相続税の課税対象外です。誤って準確定申告の所得に含めないよう注意してください。

期限管理とペナルティ

申告期限は「相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内」で、納税が発生する場合のみ無申告加算税や延滞税が課されます。還付のみの場合はこれらのペナルティは課されません。

期限遅れのペナルティは主なものとしては以下の通りです。

ペナルティの種類 適用税率 適用条件
無申告加算税 15%(50万円超部分20%) 納税が発生する場合のみ
無申告加算税(軽減) 5% 税務署指摘前の自主申告
延滞税 延滞税の割合は年度で変動(最新の国税庁公表率を参照) 納付遅延日数に応じて
還付申告 ペナルティなし 5年間の申告期限
※例:令和6年分の延滞税は年2.4%〜8.7%

災害等による申告困難、相続人確定の困難(認知した子の存在判明等)、複雑な事業の決算処理による遅延など、やむを得ない事情がある場合はペナルティが免除される可能性もあります。

納税不要で還付のみの場合は5年間の申告期限があり、4ヶ月を過ぎても無申告加算税は課されません。医療費控除等で還付が見込まれる場合は、期限後でも申告する価値があります。

監修者

澤村 明浩

記事監修者からのワンポイントアドバイス

 繰り返しになりますが過年度の確定申告や源泉徴収票などから、被相続人の通常の所得の程度を把握することが重要です。完璧な書類を作ろうとすると期限までに間に合わない、ということであれば、今自身が把握している情報でできるところまで準確定申告書を作成し、申告、納付するというのも一つの手です。その後、新たな情報がわかったところで、修正申告を行うとすれば、完全な無申告とはなりません。とはいえ、死亡日から4か月期限があるわけですから、早めに動けば申告書の数字は固められると思います。何事も早め早めに動くというのが一番大切なことかもしれません。

各種控除の適用判定と還付金の取扱い

各種控除の適用には、準確定申告特有のルールがあります。すべての控除において、死亡日まで支払った分が対象となることが基本原則です。

 

医療費控除の対象期間は死亡日まで実際に支払った医療費です。死亡後に遺族が支払った医療費は準確定申告では控除できず、相続税の債務控除の対象となります。生計一親族の医療費も合算可能ですが、合算できるのは被相続人が生前に実際に支払った分のみです(死亡後に遺族が支払った分は準確定では控除不可)。

 

社会保険料控除は、死亡日までに被相続人が支払った分のみが対象です。死亡後に相続人が支払った分は、支払者の確定申告で控除することになります。

 

生命保険料控除・地震保険料控除についても、死亡日まで支払った分が対象となり、年間の控除限度額内で適用されます。

 

配偶者控除・扶養控除は月割はなく死亡日時点で判定します。ただし控除額は合計所得金額区分により変動します(一般配偶者控除:38万円/26万円/13万円、老人配偶者控除:48万円/32万円/16万円)。

 

還付金は、死亡時点で発生が見込まれる権利として相続税の課税対象となります。相続税申告を行う場合は、準確定申告を待たずに見込額を計上する必要があります。還付金の受取先は税務署に届出た口座へ一括振込され、その後の相続人間の按分は遺産分割(相続人間での精算)により行います。確定申告書付表は分配割合を指定する書類ではありません。相続税申告を行う場合は、準確定申告の結果(納付・還付)を見込み計上し、相続税の計算に反映させるのが原則です。

複数相続人がいる場合の調整事項

相続人が複数いる場合は、以下の点で調整が必要になります。

申告方法の選択では、連署による申告が法律上の原則ですが、遠方居住・多忙等で困難な場合が多いのが実情です。そのため、代表者による申告(委任状取得)が実務上最も多く採用されています。委任状には実印押印を推奨します。個別申告を選ぶ場合は、相違・重複を避けるため、申告内容を相続人間で共有し付表情報の整合を図ります。

医療費控除適用の可否、青色申告承認の取扱い、各種特例適用の判断などで意見対立が生じた場合は、相続人の過半数合意で決定するのが原則ですが、重要事項は全員合意が望ましいです。

納税資金の負担については、各相続人が相続分に応じて負担するのが原則です。準確定申告に伴う納付税額は相続税の債務控除対象(加算税等の一部を除く)。一方、還付金は"権利"として相続財産に計上されます。

まとめ

準確定申告は、被相続人の最後の所得税申告として重要な手続きです。相続開始から4ヶ月以内という短期間で、申告の要否判断から書類収集、相続人間の調整、申告書作成・提出まで多くの作業を完了させる必要があります。

重要なポイントは以下の通りです。

  • 申告が必要かどうかの早期判断
  • 必要書類の迅速な収集
  • 複数相続人がいる場合の役割分担と調整
  • 医療費控除等による還付の検討
  • 期限内申告によるペナルティ回避

手続きに不安がある場合や複雑なケースでは、早めに税理士などの専門家に相談することで、適切な申告と相続人間のトラブル防止につながります。特に相続税申告も必要な場合は、一体的に対応できる税理士に依頼することで効率的に手続きを進められます。

準確定申告でお困りの際は、相続税務に精通した税理士を無料でご紹介する相続財産センターへお気軽にご相談ください。専任コーディネーターがお客様のご状況に最適な税理士をご紹介いたします。

よくある質問(FAQ)

準確定申告の期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

期限後でも申告は可能です。ただし、納税が必要な場合は以下のペナルティが課される可能性があります。

  • 無申告加算税(15%、50万円超部分20%)
  • 延滞税(延滞税の割合は年度で変動、最新の国税庁公表率を参照)

税務署指摘前の自主申告なら無申告加算税は5%に軽減されます。

還付申告の場合は5年間の申告期限があり、4ヶ月経過後も無申告加算税はかかりません。医療費控除等で還付が見込まれる場合は期限後でも申告を推奨します。

やむを得ない事情(災害、相続人確定困難等)がある場合は、税務署に事情説明することでペナルティ免除の可能性もあります。

年金受給者の場合、準確定申告は必要ですか?

年金収入の金額とその他所得により判断します。

申告不要なケース:公的年金収入400万円以下かつ他の所得20万円以下の場合。多くの年金受給者がこの条件に該当します。

申告が必要なケース:公的年金収入400万円超の場合、年金400万円以下でも他の所得20万円超の場合、外国年金の受給がある場合です。

申告を推奨するケース:医療費控除で還付が見込まれる場合、年金から所得税が源泉徴収されている場合、各種所得控除により還付が期待できる場合は申告を検討しましょう。

相続放棄した場合の申告義務はありますか?

相続放棄した人に申告義務はありません。家庭裁判所での相続放棄手続きにより、法律上最初から相続人でなかったことになるためです。

ただし注意点があります。単に遺産分割で財産を受け取らないことは相続放棄ではありません。相続放棄前に申告した場合はその申告が有効で、被相続人の税金債務は他の相続人に承継されます。

相続放棄を検討中の場合は、準確定申告より相続放棄手続きを優先しましょう。

全員が相続放棄した場合はどうなりますか?

相続人全員が相続放棄した場合、準確定申告を行う義務者がいなくなります。この場合、家庭裁判所に相続財産管理人の選任申立てを行い、管理人が準確定申告を行うことになります。

実務上は相続財産管理人の選任に数ヶ月かかる場合があり、選任前に4ヶ月の期限が到来することもあります。相続財産管理人が期限に間に合わない場合は、税務署へ事前相談を行い、期限延長の申請や事情説明による救済を検討することが重要です。

還付金は相続税の課税対象になりますか?

はい、準確定申告による還付金は死亡時点で発生が見込まれる権利として相続税の課税対象となります。

相続税申告を行う場合、準確定申告を待たずに見込額を計上する必要があります。各相続人の取得分に応じて相続税を計算し、還付金の分配割合は相続人間の合意で決定可能で、法定相続分による必要はありません。

還付金額が高額になる場合は、相続税への影響も考慮して分配方法を決めることが重要です。

この記事の監修者
澤村明浩税理士事務所
代表 澤村 明浩(税理士)
静岡大学卒業後、某地方銀行に入社。ふとしたことから税理士を目指すことになり、8年勤めた銀行を辞め、税理士事務所に転職。税理士試験に合格後、令和7年1月1日独立。

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この記事の執筆者
相続財産センター編集部

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