相続税の今後の動向と対策  | 紹介実績NO.1のビスカス 税理士紹介センター

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先生教えて
Vol.27
2010.8.17

答えていただく専門家:公認会計士 下川 芳史

プロフィール


―― する方もされる方も頭を悩ませる相続。今日は相続税の今後の動向と対策について下川先生にお聞きします。よろしくお願いします。


相続税の抜本改正は自民党政権の時代から懸案でした。具体的には平成20年度 税制改正大網において相続税の見直しの方向性が明記され、平成21年度税制改正において相続税の課税方式を現行の「法定相続分課税方式」から「遺産取得課税方式」に見直す予定でした。当時は政局が混乱し、景気も後退していたので、当時の自民党政権により見送られましたが、そのときの相続税改正の理由として、
① 相続税の負担者が相続人のわずか4~5%程度に過ぎないこと
② 最高税率の引き下げなどにより所得の再分配機能が果たされにくくなっており相続税の有する資産再分配機能等の回復を図ること
等 が挙げられていました。


――「法定相続分課税方式」と「遺産取得課税方式」とはどう違うのですか?


はい、「法定相続分課税方式」は法定相続人を基に相続税の総額を算出し、それを実際の相続分に応じて按分して課税する方法です。
一方「遺産取得課税方式」は相続人が実際に取得した相続財産に対して個別に課税する方法です。「遺産取得課税方式」は「法定相続分課税方式」より課税の公平性で優れているとされています。


――なるほど。私たちにとっては増税になるのでしょうか?

掛川先生

そうですね。実際には平成21年度税制大網で相続税の課税ベース、すなわち課税対象者の拡大を図ることを平成23年度税制改正で目指すことが明記されています。自民党だけでなく民主党政権でも相続税増税が予定されています。
民主党政権となって、民主党のかねてからの主張する「遺産課税方式」が現実味をおびてきています。
「遺産課税方式」は具体的には遺産総額から基礎控除額などを差し引いた課税財産に直接税率を掛ける方式ですから、法定相続人の構成や人数に拘わらず相続税額が最大となる反面、担税力に応じた課税という点で限界があると言われていますね。

―― 平成23年度税制改正で予定通り相続税の課税方式が見直されるとしたら、民主党案である「遺産課税方式」となるのか、遺産取得課税方式となるのか、どちらになるのでしょう?


それは不明ですね。「法定相続分課税方式」を「遺産課税方式」にいきなり変えるのは現実的ではなく遺産取得課税方式が望ましいとの意見も強いようです。課税方式の変更以外では以下のような項目について改正されることが予想されます。

① 配偶者の税額軽減制度の見直し
② 小規模宅地等の特例の見直し
③ 相続税の基礎控除額の引下げ
④ 生命保険金・退職手当金等の非課税枠の見直し
⑤ 税率構造の見直し他
⑥ 現行の贈与税の税率と基礎控除額



―― 相続税の課税方式が「遺産課税方式」に変更された場合には、どんなことに注意が必要ですか?


従来から相続対策とされてきたもので、その効果が殆どなくなるものも出てくるでしょうから、特にこの2~3年の税制の動向等に充分な注意が必要ですね。特に事業継承税制、小規模宅地等の特例のような各種特例への影響が大きいと思いますので、各種特例を利用して相続税対策を考えていた場合には相続税対策を立て直す必要性があります。

―― ありがとうございました。


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