相続に強い税理士の選び方とは?費用感や失敗しない探し方【税理士監修】

相続に強い税理士の選び方とは?費用感や失敗しない探し方【税理士監修】
最終更新日:2026/06/19
この記事の監修者
松井 信行 公認会計士・税理士事務所
所長 松井 信行 (税理士・公認会計士)
相続税の申告は、税理士選びで納税額が数百万円も変わることがあります。本記事では税理士監修のもと、相続に強い税理士の見極め方から、失敗しない探し方、費用相場まで徹底解説していきます。

なぜ「相続税に強い税理士」が必要なのか

相続税は税理士によって納税額が数百万円、場合によっては数千万円変わるほど、専門性の高い税目です。申告経験の少ない税理士に依頼すると、本来受けられる特例を見逃したり、財産評価を誤ったりして、払わなくてもよい税金を支払うことになりかねません。
 
税理士の専門分野は大きく法人税務と個人税務に分かれており、毎年の会計・顧問業務を中心に仕事をしている税理士が相続税をほとんど扱ったことがないケースは珍しくありません。実際、相続税申告の経験が豊富な税理士は、一般に思われているよりずっと少ないのが現実です。
 
相続専門の税理士は、財産評価・特例適用・遺産分割サポートに精通し、不動産鑑定士や弁護士との連携も密なため、複雑な案件も総合的に対応できます。一方、法人税・所得税が主業務の一般税理士は、相続に関する深い知見があるとは限りません。この差が、最終的な納税額と手続きのスムーズさに直結します。

記事監修者からのワンポイントアドバイス
「相続」は一生のうちに一度ないし二度経験するかどうかの出来事ですので、手続きを行う相続人等にとっては初めてのことばかりで何からどうすれば良いのか分からなくて当然です。
これは依頼を受ける税理士にとっても同じで、自ら積極的に相続案件に携わろうとしなければ複雑な財産評価や相続税申告の実務経験を数多く積むことはできません。
その意味で、相続税の専門で申告実績が豊富な事務所を選ぶことはもちろんですが、事務所の規模や法人・個人の形態を問わず実際に担当する税理士がこれまでどの程度相続案件に関与してきたかがとても重要です。
松井 信行 公認会計士・税理士事務所
所長 松井 信行

相続税申告で税理士が必要なケース・不要なケース

相続財産が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は、税理士への依頼を強くおすすめします。特に不動産・非上場株式など評価が複雑な財産がある場合、専門家なしでは数百万円単位で損をするリスクがあります。逆に、基礎控除以下でシンプルな財産構成であれば、必ずしも税理士は必要ありません。
 
下表で必要・不要のケースをまとめました。

税理士が必要なケース 税理士が不要なケース
相続財産が基礎控除額を超える 相続財産が基礎控除額以下
不動産・非上場株式・海外資産などが含まれる 財産が現金・預貯金のみでシンプル
遺産分割協議が難航している 相続人間の関係が良好でスムーズ
小規模宅地等の特例など各種特例の適用を検討している 書類収集・申告書作成に十分な時間を割ける
申告期限まで時間がない

基礎控除を計算した結果がぎりぎり以下でも、財産評価の誤りで実際には超えている可能性があります。少しでも不安があれば、無料相談だけでも活用することをおすすめします。
 
なお、「小規模宅地等の特例」「配偶者の税額軽減」などは、適用によって課税財産がゼロになる場合でも申告義務が生じます。特例を使う予定がある場合は、たとえ基礎控除以下でも税理士に確認してください。

相続に強い税理士とは?6つの見極めポイント

相続に強い税理士とは「相続税専門・年間多数の申告実績・担当者が有資格者・税務調査率が低い・二次相続まで提案できる」税理士です。事務所の規模や知名度だけでなく、実際に担当する税理士個人の経験と専門性を確認することが重要です。

①相続税に専門特化している

相続税は申告の仕方により支払う税額が大きく変わり、税務調査の対象になりやすい税目でもあります。「相続についての知識と実績を蓄積した専門家」と「顧問業務の傍ら相続も対応する税理士」とでは、結果に差が出て当然です。事務所のホームページで「相続専門」「相続部門あり」を明記しているかを選択基準の一つにしましょう。

②申告実績が豊富である

節税の鍵を握る財産評価では、知識と同等以上に経験と実績が重要です。土地一つとっても立地や形状によって評価が大きく変わり、豊富な申告経験があるほど適切な評価ができます。自信のある事務所は年間・累計の相続税申告件数、還付実績、具体的な事例をホームページで公開しているはずです。ただし、事務所の実績が豊富でも担当者の経験が浅ければ意味がありません。担当税理士個人の経験年数・件数も必ず確認してください。

③担当者が税理士資格を持っている

大手事務所・税理士法人では、税理士資格を持たないスタッフが担当につくケースがあります。知識の深さは資格の有無と必ずしも一致しませんが、申告後に税務調査が入った場合、無資格スタッフは税務署への対応ができません。契約前に「担当者は税理士資格を持っているか」を明確に確認してください。

④相続の中でも特化分野がある

相続の形はさまざまで、事務所の専門特化も進んでいます。不動産が財産の大半を占めるなら「不動産の相続に詳しい税理士」、経営する会社の自社株を渡すなら「事業承継・自社株に詳しい税理士」というように、自らの強みを明確にしている税理士は信頼の証といえます。自分のケースに合った専門家を選ぶことで、より精度の高い節税が期待できます。

⑤税務調査の実施率が低い

税務署は「確実に追徴できる案件」を狙って税務調査に入ります。その判断基準の一つが「どの税理士が申告したか」です。信頼ある税理士が作成した申告書は「調査に入っても無駄」というバリアになります。税務調査率をホームページで公開している事務所は、その数字に自信を持っている証拠です。

⑥二次相続の提案がある

一次相続で配偶者に多く相続させると、二次相続(配偶者が亡くなる際の相続)で子どもへの課税が膨らむことがあります。一次相続の時点で二次相続まで含めたシミュレーションを提案できる税理士は、納税者の長期的な利益を考えているプロです。

相続に強い税理士を選ぶメリット

相続に強い税理士に依頼する最大のメリットは、「適切な節税による数百万円単位の納税額削減」と「申告ミス・税務調査リスクの回避」です。具体的には以下の6点が挙げられます。

①申告作業の時間・手間を省ける
相続税の計算は「財産に税率を掛ける」だけでは終わりません。財産の評価、書類の収集、申告書の作成と、作業は多岐にわたります。税理士に一括して任せることで、相続人の負担を大幅に軽減できます。

 
②適切な節税が期待できる
財産評価の方法や特例の適用可否で、納税額は大きく変わります。様々な案件の経験を積んだ専門家だからこそ、使える特例を見落とさず、最適な節税策を提案できます。

 
③申告ミスを防ぐことができる
申告漏れや評価ミスがあると、追徴課税・延滞税・過少申告加算税のペナルティが発生します。税理士に依頼することで、正確な財産評価と申告が担保されます。

 
④"争族"にならないようフォローしてもらえる
税理士は誰か一人の代理人ではなく、第三者として相続全体に関与できます。全員が納得できる遺産分割案を税務面から提示することで、相続人間の争いを未然に防ぐことが可能です。

 
⑤税務調査に立ち会ってもらえる
相続税は税務調査の多い税目です。税理士が調査に立ち会うことで、調査官の言いなりになって不当に追徴されるリスクを防げます。

 
⑥二次相続まで見据えた節税ができる
配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい額まで非課税)を最大限使うと、二次相続で子への課税が膨らむことがあります。一次・二次を通じたトータルシミュレーションを提案できる税理士なら、長期的な節税が実現します。

税理士に依頼した場合の費用・報酬相場

税理士への報酬は「基本報酬」+「加算報酬」の2階建てが一般的です。

基本報酬の目安

相続財産の総額が大きくなるほど財産評価の手間も増えるため、報酬も高くなる体系が主流です。事務所によって差があるため、相場よりも大幅に安い・高い場合は注意が必要です。

相続財産額 基本報酬の目安
~5,000万円 15~50万円
5,000万~7,000万円 25~70万円
7,000万~1億円 35~100万円
1億~1億5,000万円 50~150万円
1億5,000万~2億円 60~200万円
2億~3億円 80~250万円
3億~5億円 100~300万円
5億円~ 要相談

報酬が高ければ必ずしも質が高いとはいえませんが、相場より極端に安い事務所は「基本報酬を安く見せて後から加算請求」というケースがあるため要注意です。ホームページで料金を明示しているかどうか自体も、事務所の信頼性を測る一つの基準です。

加算報酬が発生するケース

以下の作業が生じる場合、別途加算報酬がかかります。

  • 土地の評価:1利用区分につき5~6万円が目安。形状が複雑で不動産鑑定士の鑑定が必要な場合はさらに加算。
  • 自社株(非上場株式)の評価:会社規模にもよりますが10~15万円程度。
  • 相続人が複数いる場合:「基本報酬×10%×(相続人数-1)」が加算される事務所が多い。
  • 申告期限が迫っている場合:急ぎ対応の割増料金が発生することがある。
  • 物納・納税猶予を行う場合:通常と異なる手続きが必要なため別途費用が生じることがある。

契約前に「どういう場合に追加費用が発生するか」を書面で確認してください。複数の事務所から見積もりを取ることも、相場感を掴む有効な手段です。

相続に強い税理士の探し方

探し方には大きく3つの方法がありますが、相続という専門性の高い案件では、すでに厳選された相続専門税理士を紹介してもらう方法が、最もミスマッチが少なくおすすめです。

①税理士紹介サービスを使う

ビスカス相続財産センターでは、全国の相続専門税理士の中からお客様の状況・地域・財産内容に合わせた税理士を無料でご紹介しています。「申告実績が豊富か」「担当者は有資格者か」「料金体系は明瞭か」といった確認作業はすでに済んでいるため、一から事務所を比較する手間がかかりません。相続発生後は手続きの期限が迫る中で動かなければならないことも多く、税理士探しに時間をかけられない方にとって特に有効な方法です。
 
相続専門税理士を無料で紹介してもらう

②知人・士業からの紹介

相続で税理士を利用した経験のある友人・知人がいれば紹介を求めるのも有効です。「対応はどうだったか」「費用はどれくらいか」を直接聞けるため、ミスマッチが起きにくい利点があります。弁護士・司法書士などの士業ネットワーク経由の紹介も信頼性が高い選択肢です。

③インターネット検索・無料相談で比較する

「相続 税理士 ○○市」などで検索して複数の事務所を比較する方法です。ホームページの表現は事務所ごとに異なるため一覧比較がしにくいのが難点ですが、初回無料相談を活用すれば対応の丁寧さや相性を直接確認できます。事前に「申告件数を確認する」「担当者の資格を聞く」「追加費用の条件を書面で確認する」の3点を準備しておくと、面談時間を有効に使えます。

税理士選びで確認すべき5つのポイント

実際に税理士を選ぶ際に、問い合わせや無料相談の場で確認すべき具体的なポイントをまとめます。

①相続税申告実績と専門チームの有無

「年間相続税申告件数」「相続税還付実績」など、具体的な数字が公開されているかを確認しましょう。相談件数ではなく申告件数に注目することが重要です。専任スタッフや相続専門チームを持つ事務所は、複雑な案件への対応力も高まります。

②料金体系が明瞭で追加費用の条件が明示されている

基本報酬の金額だけでなく、どういう場合に加算報酬が発生するかを契約前に書面で確認してください。「基本料金は安いが後から高額請求」というトラブルを防ぐためにも、見積書の内訳を細かく確認する習慣をつけましょう。

③相談のしやすさとレスポンスの速さ

相続手続きは期限との戦いでもあります。質問への応答が遅い・説明が難しすぎる税理士では、途中で不安が積み重なります。初回面談で「わからない点を遠慮なく聞ける雰囲気か」「回答が具体的かつ迅速か」を見極めてください。

④他士業(弁護士・司法書士・不動産鑑定士)との連携

相続では税務以外に、不動産の相続登記(司法書士)・遺産分割トラブル(弁護士)・複雑な土地評価(不動産鑑定士)が必要になるケースがあります。他士業と連携できるネットワークを持つ事務所であれば、自分で専門家を探す手間を省けます。

⑤税務調査への対応実績と添付書面の作成

信頼ある税理士は申告書提出時に、財産評価の根拠や調査内容を記した「添付書面」を作成します。これにより税務調査のリスクを低減できます。税務調査率・対応実績をホームページで公開しているかも判断材料の一つです。

記事監修者からのワンポイントアドバイス
相続全般に強い税理士であれば「いつまでに何をしなければならないか」が分かっていますので、最初に相談を受けた時点から少なくとも委任契約を締結するまでの間に申告書提出までのスケジュールや必要書類を一覧で提示するなど、作業の段取りがスムーズで質問に対する応答も的確かつ迅速なはずです。
また、申告書を提出する際、税理士が相続財産・債務に関してどのような調査を行って評価・計上したかなどを記載した『添付書面』を適切に作成し添付することで、税務署からの指摘や税務調査を受けるリスクを軽減するよう努めているかも判断材料の一つになるでしょう。
松井 信行 公認会計士・税理士事務所
所長 松井 信行

よくある質問

相続に強い税理士と一般の税理士では、何が違うのですか?

最大の違いは財産評価の精度と特例適用の知識量です。相続専門の税理士は日常的に相続案件を扱うため、土地評価の減額要因の発掘や各種特例の適用可否の判断精度が高く、その結果として納税額に数百万円の差が生まれることがあります。

相続税がかからない場合でも税理士に頼んだほうがいいですか?

基礎控除以下でも「小規模宅地等の特例」「配偶者の税額軽減」を適用する場合は申告義務があります。また、自分の計算に誤りがあって実際には基礎控除を超えている可能性もあるため、不安があれば一度無料相談を利用することをおすすめします。

相続税の申告期限はいつですか?

相続税の申告・納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。税理士への依頼は早いほど選択肢が広がるため、相続発生後すぐに動き出すことをおすすめします。

相続税の税理士費用はいくらが目安ですか?

相続財産総額の0.5〜1.5%程度が目安です。たとえば5,000万円の財産なら25〜75万円前後の基本報酬が相場です。土地の評価・相続人が複数・期限直前の依頼などで加算報酬が発生します。詳細は「相続税申告の税理士報酬の目安は?」をご参照ください。

税理士への依頼は相続税申告だけでなく、遺産分割の相談もできますか?

遺産分割協議への法的介入は弁護士の領域ですが、税理士は第三者として税務面から「全員が納得できる分割案」を提案できます。不動産登記は司法書士との連携が必要です。他士業との連携体制があるかを依頼前に確認してください。

相続税の税務調査はどれくらいの確率でありますか?

国税庁の統計によると、相続税申告件数のうち数件に一件の割合で税務調査が行われており、他の税目と比べて調査率が高い傾向にあります。信頼ある税理士が作成した申告書は調査対象になりにくく、仮に調査が入っても税理士が立ち会ってくれます。

まとめ

相続税申告は税理士選びで納税額と手続きの負担が大きく変わります。「相続専門・申告実績豊富・担当者が有資格者・料金が明瞭・他士業と連携できる」の5点を軸に選ぶことが、失敗しない税理士選びの基本です。
 
ビスカス相続財産センターでは、全国の相続専門税理士を無料でご紹介しています。「どの税理士に頼めばいいかわからない」という方は、まずはお気軽にご相談ください。相続発生後すぐに動き出すことが、最大の節税につながります。

この記事の監修者
松井 信行 公認会計士・税理士事務所
所長 松井 信行 (税理士・公認会計士)
大学卒業後、東京で大手IT企業や監査法人にて情報システムの新規事業企画や会計士としての実務に長年携わる。その後、自身が相続を経験したことを契機として2014年に相続専門の個人会計事務所を地元で開業。現在は阪神間(主に神戸市・芦屋市・西宮市)で相続税をはじめとする各種税務申告や生前の相続対策相談など、相続に纏わる様々なサービスを数多く手掛けている。

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この記事の執筆者
相続財産センター編集部

相続財産センターは、株式会社ビスカスが運営する、日本初の「税理士紹介サービス」の相続に特化したサイトです。資産税・相続に強い税理士をお探しの個人事業主や法人のお客様に対して、ご要望の税理士を無料でご紹介しています。
創業から29年、税理士紹介で培った知識とノウハウから、確定申告・決算・会社設立・融資・節税のご相談や、税理士料金の相場情報など、「初めて税理士に依頼したい」「顧問税理士を変更したい」という経営者・事業主の皆様に役立つ情報をお届けします。

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