査察による実刑判決での平均懲役月数は15.9ヵ月

査察、いわゆるマルサは、大口・悪質な脱税をしている疑いのある者に対し、犯罪捜査に準じた方法で行われる特別な調査だ。調査にあたる国税査察官には、裁判官の発する許可状を受けて事務所などの捜査をしたり、帳簿などの証拠物件を差し押さえたりする強制捜査を行う権限が与えられる。この査察調査は、単に免れた税金や重加算税などを納めさせるだけでなく、検察への告発を通じて刑罰を科すことを目的としている。
刑罰とは懲役や罰金だが、実をいえば、以前は実刑判決がなかった。つまり、執行猶予と罰金刑で済んでいたのだが、懲りない面々に対し“一罰百戒”効果を高めるため、1980年に初めて実刑判決が出された。以降は毎年実刑判決が言い渡されている。2005年度版査察白書によると、2005年中に一審判決が言い渡された156件のすべてに有罪判決が出され、うち7件に対し執行猶予がつかない実刑判決が言い渡された。
平均の懲役月数は15.9ヵ月、罰金額は約2500万円だ。査察の対象選定は、脱税額1億円が目安といわれている。また、脱税額や悪質度合いの大きさが実刑判決につながる。査察で告発されると、社会的信用を失うだけでなく、巨額な罰金刑や実刑判決もありうるわけだ。ちなみに、刑罰は5年以下の懲役または500万円(脱税額が500万円を超える場合は脱税相当額)以下の罰金となるか、あるいは懲役と罰金の併科となる。
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