税理士と弁護士の違いとは?何が頼めるの?
相続ではどちらに依頼すべき?

税理士と弁護士の違いとは?何が頼めるの?  相続ではどちらに依頼すべき?
 公開日:
2019/10/02
 
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税理士と弁護士は、ともに国家資格の“士業”です。税理士は「税」、弁護士は「法律全般」と、扱う分野は一見別々に感じられますが、例えば相続など、その仕事が「接近」することも。依頼者側が「どちらに頼むべきか」と悩むことも少なくありません。
今回は、税理士と弁護士の違いをどのように考えたらいいのか、あらためてそれぞれの職務についてまとめました。

弁護士資格があれば、税理士もできる?

税理士弁護士、それぞれの違いをまとめました。

項目 税理士 弁護士
業務内容 税金・税務に関する業務
(税務書類の作成、税務相談など)
法律に関するすべての業務
その他士業の業務
依頼・相談できる
内容
税務代理
税務書類の作成
税務相談
裁判所類の作成
刑事裁判の弁護人
民事裁判の代理人
【相続】
依頼・相談できる
内容
生前贈与の方法
相続財産の評価
相続税の申告
準確定申告
相続税の更正請求
事業承継
遺言書の作成・検認・執行
遺産分割協議・調停・審判の代理人
遺産分割協議書の作成
相続人の調査、相続財産の調査
遺留分減殺請求
ほか

税理士ができること

まず、税理士の業務について説明しましょう。

税理士には、法で定められた独占業務、すなわち税理士にしか許されない「税務代理(納税者の代わりに税金の申告を行うこと)」「税務書類の作成」「税務相談」という3つの仕事があります。確定申告書や相続税申告納付書など、主として税務署に提出する書類を作成したり、個人や企業に納税や節税についてのアドバイスを行ったりという、まさに税理士のイメージ通りの仕事です。

ただし、みんなが独占業務のみを営んでいるわけではありません。税理士は「数字のプロ」でもあります。その強みを生かして、会社の経営や個人の生活設計のサポートなどに力を入れる事務所も増えました。会計や税務申告の電子化もあって、旧来の業務は先細りの傾向にありますから、税理士の仕事の幅は、ますます広がっていくのではないでしょうか。

弁護士ができること

一方、弁護士は、「すべての法律事務を職務とする」(弁護士法第3条)専門職です。ずいぶん漠然としていますが、一般には裁判所類の作成、刑事裁判の弁護人、民事裁判の代理人といった法律に関するすべての業務を、独占的に行うことが認められているわけです。

上の条文の持つ意味は、それだけではありません。実は弁護士資格があれば、弁理士、税理士、社会保険労務士、行政書士、海事補佐人といった、他の士業を兼務することもできるのです。さすがは士業の最難関資格、法が絡む案件についてはオールマイティに近い「権限」を与えられていることになります。

弁護士に「税理士の仕事」を依頼するのは?

だったら税務申告も弁護士に頼むことができるのか? 上述の通り、頼むことはできますが、実際には「ほとんどない」話です。司法試験では、会計や税の知識は問われませんので、大半の弁護士さんは、会計・税金分野は「素人」なのです。

弁護士が税理士業務もできる理由

そんな弁護士になぜ税理士の兼務が認められているのかには、税理士という制度を作った当時の事情が反映しているそう。税理士制度ができたのは、終戦後すぐのこと。予想される需要増に対して税理士不足が予想されたため、戦前からいる法律専門職の弁護士にもその資格を認めて、対応を図ろうとしたのです。

ちなみに、弁護士が税理士として活動するためには、やはり税理士登録が必要です。現在、弁護士資格を持ちながら税理士登録をしている先生はほんの一握り。それが現実です。

弁護士への依頼が「争続」を招くことも

説明したように、税理士と弁護士の業務は「別物」です。ただ、相続のように、両者が関わる可能性のある案件もあります。

相続では、弁護士しかできないこともある

被相続人(亡くなった人)が遺言書を残していなかった場合などには、相続人が集まって遺産の分け方を話し合い(遺産分割協議)「遺産分割協議書」を作成します。弁護士は、その協議に主体的に関わって、遺産分割協議書を作成することができます。

他方、税理士には、「こういう分け方はどうですか」と遺産分割協議を主導することは、非弁行為(※)に当たるとして、原則として認められていません。ただし、「このように分けた場合には、税金はこうなります」といったスタンスで、相続人をフォローし、遺産分割協議書の作成をサポートすることはできます。

※非弁行為:弁護士でない者が、法律で弁護士にしか認められていない活動を行うこと。

「弁護士に依頼」が安易な決断になる可能性も

「面倒くさいから、揉めそうになったら弁護士に頼む」という考え方もあるでしょう。ただ、その際には「2つの危険性」に、注意が必要です。

弁護士はあくまでも「依頼者の代理人」である

第1に、弁護士はあくまでも「依頼者の代理人」だということです。長男が依頼したら、その意に従って働くことになります。仮に長男が「法律の専門家に全体をまとめてもらおう」というような軽い気持ちだったとしても、他の相続人からは「兄貴が弁護士を立てた」と見えるでしょう。「だったら俺も」という話になりかねないのです。

弁護士は税理士ほど税金に詳しくない

第2の危険は、さきほど説明したように、弁護士には基本的に税金のことは分からない、という事実です。遺産分割自体はなんとかまとまったけれど、使える税の軽減措置などをスルーした結果、想定外の相続税を支払う羽目になってしまった、などということが起こりえます。

相続税の問題は、まずは税理士に相談

税理士は、遺産分割協議を主導することはできません。でも、税という切り口から、相続人全員と対等な関係で、協議をサポートすることができます。揉め事になっていないのだったら、まずは相続に詳しい税理士に頼るのがいいかもしれません。

ただし、本格的な争いになってしまった場合には、税理士の出る幕はなくなります。調停や裁判では、当事者がそれぞれ、やはり相続に強い弁護士に代理人を依頼して、事態の収拾を図ることになるでしょう。

まとめ

弁護士は、あくまでも「依頼人ファースト」です。相続では、相続税に関する揉め事を防ぐのに役立つのが税理士、本格的な争いになったら頼りにすべきなのが弁護士と言えるでしょう。

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