相続の相談は弁護士・税理士・司法書士・行政書士
どの専門家にすればいい?パターン別で解説

相続の相談は弁護士・税理士・司法書士・行政書士  どの専門家にすればいい?パターン別で解説
 公開日:
2019/10/17
 最終更新日:
2020/01/24
 
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めったにあることではないけれど、いざそのときになったら、多くの「決めなくてはいけないこと」「やるべきこと」に迫られる相続。
遺産はどう分ける?不動産の名義変更は?相続税の申告はどうしたらいいの?専門家の力を借りるとしたら、誰に頼めばいいのでしょうか?ケースごとに解説します。

相続の流れと専門家のできること

まずは、相続の流れを見ていきましょう。相続は、おおまかに

相続財産および相続人 の調査・確定
遺産分割
相続財産(不動産など)の名義変更
相続税が発生する場合には、その申告・納税

という流れで進みます。

遺産分割は、被相続人(亡くなった人)の遺言書 があれば、基本的にその内容通りに行われ、遺言書のない場合には、相続人全員による話し合い(遺産分割協議) によって決定されます。
また、相続税の申告は、被相続人が亡くなった日から10ヵ月以内に行わなければならないことになっています。

専門家&できる仕事 まとめ

以上を踏まえて、相続に関わる可能性のある「士業」と、「それぞれのできる主な仕事」をまとめてみました(国家資格を持つ士業には、その資格を持っていないとできないこと=「独占業務」もあります)。

士業の名称 できる仕事
弁護士
  • 遺言書の作成
  • 相続人調査、相続財産調査
  • 遺産分割協議の代理人
  • 遺産分割協議書(遺産分割協議で決まった事柄を記載し、
    相続人が署名捺印する)の作成
  • 遺産分割協議がまとまらない場合に、家庭裁判所で行われる調停などの代理人
司法書士
  • 遺言書の作成
  • 相続人調査、相続財産調査
  • 遺産分割協議書の作成
  • 不動産の相続登記(所有権移転)
行政書士
  • 相続人調査、相続財産調査
  • 遺言書の作成
  • 遺産分割協議書の作成
  • 車や株式などの名義変更手続き
税理士
  • 相続人調査、相続財産調査
  • 相続財産の評価
  • 相続人に対する税の観点からの遺産分割のアドバイス
  • 遺産分割協議書の作成(税理士は行政書士登録もできる)
  • 相続税の申告

「弁護士に丸投げ」は要注意

実は、弁護士は登録さえすれば、税理士事務所の看板を掲げることもできます。ならば、遺言書の作成から税務申告まで一気通貫で頼める弁護士がいいのでは、と思うかもしれませんが、実態的には「税金のことがわかっている弁護士さん」は、ほんの一握り。やはり、「餅は餅屋」の世界だと考えてください。

相続のパターン別「依頼すべき専門家」

では、どの士業の先生に頼めばいいのか? それは、相続財産の規模や中身、遺産分割協議の成り行きなどによって異なります。

相続税が気になる……税理士に相談を

相続税には、基礎控除(※)が定められていて、遺産の総額がそれを上回る場合には、相続税の納税が必要になります。2015年にこの基礎控除が大幅に引き下げられた結果、課税対象になる事例が増えました。税の申告が必要なレベルの相続では、その分野に強い税理士の力を借りることをお勧めします。
例えば、相続税には、税を大幅に減額できるいくつかの特例が設けられています。ただし、適用を受けるためには、当然、定められた要件をクリアしなくてはなりません。専門的な知識を持ったプロでなければ、的確なフォローを受けるのは難しいでしょう。

税理士には、遺産分割協議を主導的にまとめることは、認められていません。ただ、節税の観点からアドバイスすることはできます。特定個人の代理人となる弁護士と違って、相続人全員の立場に立って、協議がまとまるように話をしてもらえるのも、税理士に依頼するメリットと言えるでしょう。

※相続税の基礎控除:亡くなった人の保有財産のうち、一定金額までは相続税の申告(納税・申告書の提出)をしなくていい、ということです。

不動産の登記が必要……司法書士に依頼

相続財産に土地、建物などが含まれる場合、被相続人から相続した人への名義変更を行うことになります。そのときに必要な不動産の登記も、素人には難しいものです。その道の専門家である司法書士に任せるべきでしょう。
実際の相続では、不動産を売却し、現金化して分けることもあります。その場合には、一度相続人に名義変更したのち、売却する相手に所有権移転登記をしなければなりません。こうした手続きをミスなくスムーズに行うためには、司法書士の関与が不可欠なのです。

遺産分割協議が揉めて、収拾がつかない……弁護士の出番

相続が揉め事になるのも、珍しいことではありません。 そうなった場合に、自分の主張を通すために依頼する法律の専門家が弁護士です。身内だけの話し合いでは決着がつかず、調停や裁判になったときにも、代理人として働いてもらえます。
ただし、弁護士を頼むのは、基本的に「争いが起こって、自分では解決が難しい」という局面になってから、と考えるべきです。遺産分割協議の最初から代理人を立てたりすれば、他の相続人から「いきなり戦闘モード」と受け取られ、かえって話し合いをしにくくする可能性があります。

士業の「協働」も活用する

実際の相続では、別々の専門家に、それぞれの得意分野の仕事を頼むことも珍しくありません。例えば、不動産の登記を司法書士に依頼して、相続税に関することは税理士に相談するわけです。他の士業とのネットワークを築いている事務所もありますから、依頼する前にホームページなどを確認してみるのもいいと思います。

ただし、複数の専門家を使う場合には、注意点が一つ。遺産の分け方を決め不動産の登記も終えてから、税理士に税金の申告をやってもらおう、という依頼の仕方だと、できたはずの節税ができず、結果的に多額の相続税を支払うことになる可能性があるのです。相続税が発生する相続では、最初に税理士に相談するのが、賢い選択と言えるでしょう。

まとめ

相続では、その状況に応じて、必要な専門家の力を借りるのがいいでしょう。相続税が気になる場合には、まず「相続に強い税理士」に相談を。

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