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要注意!夫婦間の財産のやり取りにも贈与税がかかります

要注意!夫婦間の財産のやり取りにも贈与税がかかります

2023年3月15日

子どもや孫に財産を渡す時、贈与税を気にする必要があることは、ご存じだと思います。でも、夫婦間の金品の受け渡しについては、「税金はかからないのでは」と思っている人も少なくないのでは?実際、結婚して子どもができたりすると、家計は「混然一体」になりがちです。 しかし、たとえ夫婦間であっても、個人の間で無償の金品のやり取りがあった場合には、原則として贈与税がかかります。どんなことに注意すべきなのか、賢く贈与するのはどうしたらいいのかについて、解説します。

夫婦であっても財産をもらったら贈与税がかかる

年間110万円を超えたら課税

夫婦間でも、親子や兄弟間などと同様、ただで現金や価値のある物をもらった(贈与があった)場合には、原則として贈与税の課税対象です。ただし、贈与には年間110万円という基礎控除額がありますから、これ以下の財産移動であれば、税金はかかりません。毎年1月1日~12月31日の贈与額がこの基礎控除額を超えた場合には、翌年の所得税の確定申告で申告・納税を行う必要があるのです。

贈与の意思がなくても課税されることがある

贈与は、「あげる」「もらう」という双方の意思で成立するのですが、そういう「つもり」がなかったとしても、実質的な贈与だと税務署が判断すると、「みなし贈与」として同様に贈与税が課税されます。特に夫婦間では、注意が必要でしょう。

夫婦間で気をつけるべき贈与のケース

では、特に夫婦間で気をつけるべき財産移動には、どんなケースがあるのでしょうか? 後で述べるように、仮に年間110万円を超えるやり取りがあったとしても、それが「生活費」「教育費」に該当するものであれば、贈与税が課せられることはありません。逆に言えば、それらに当たらない場合に、課税対象となるわけです。具体的にみていきましょう。

高額のプレゼント

例えば相手の誕生日や結婚記念日に高額の貴金属などをプレゼントした場合には、贈られた側に贈与税が発生します。それが、生活に必要なものとはみなされないからです。

車の購入も注意すべきことの1つです。例えばすでに夫名義の自家用車があるのに夫がお金を出して高級車を買い、妻名義にするようなケースでは、妻への贈与とみなされ、贈与税が発生する可能性があります。贈与税を支払わずにいた場合、夫の相続の際に「申告漏れ」を指摘され、相続税+「加算税」などのペナルティを課せられるリスクがありますので、注意しましょう。

贈与は、「名義変更」のタイミングで成立します。新車ならその購入代金、自分が乗っていた車を譲った際には、その時の査定額などが財産価値となります。

株券などの有価証券や、美術品、骨董品などの所有権の譲渡も、高額であれば贈与税の課税対象です。

お互いの口座間の資金移動

何の気なしに夫婦の口座間でお金のやり取りをすることがあるかもしれませんが、これも高額になる場合には、注意しなくてはなりません。やはり生活費のレベルを超えると、相手への贈与とみなされることがあります。

不動産取得費用の負担と持分が合致しない

夫婦で新たに不動産を購入する場合、夫が費用を負担して夫名義の物件を購入すれば、贈与税は無関係です。ただ、夫が全額負担しているのに妻名義にしたら、当然贈与税が発生します。相続対策として、このような形で妻に無税で財産を譲ることはできません(居住用不動産について控除が認められる「おしどり贈与」については後述します)。

気をつけたいのは、夫婦の共有で不動産を購入した時です。例えば1/2ずつの持分割合で登記を行った場合、購入費用の負担も半々であれば問題ないのですが、どちらかが多く支払っていると、多い分は相手への贈与とみなされるのです。

住宅ローンの「肩代わり」

妻の名義で契約した住宅ローンを夫が支払っていたら、やはり夫から妻への贈与になります。1年の返済額が110万円を超えれば、妻に贈与税が発生します。

ローンの繰り上げ返済を行う際も、名義人でないほうが支出すると、相手への贈与になってしまいます。場合によっては、繰り上げ返済のメリットがなくなる可能性もありますから、要注意です。

保険料を負担していない保険の保険金の受け取り

相手が保険料を負担している(契約者である)保険が満期になり、保険料を受け取った場合には、贈与とみなされて贈与税が課税される可能性があります。死亡保険金(生命保険)の場合には、相続税の対象です。

「へそくり」は相続税の対象

専業主婦の妻が夫から生活費を受け取り、一部を自分名義の口座に入金して「へそくり」にしていた場合、夫の相続の際には相続税の対象になります。口座は妻名義であっても、そこにあるお金は「夫の財産」とみなされるからです。

「へそくり」は相手に秘密でお金を貯める行為ですが、きちんと「もらう」ことにすれば、親から子などと同様に、110万円の基礎控除額を使って財産を移動させることができます。この場合には、契約書を作成するなど、「へそくり」ではなく贈与であることを証明できるようにしておく必要があるでしょう。

贈与税がかからないケース

一方、次のような財産移動には、贈与税は発生しません。

年間110万円までは非課税。ただし2024年から制度が変わる

述べてきたように、贈与税には年間110万円までという基礎控除額があります。これを活用して、非課税で少しずつ財産を渡していくことは可能です。

ただし、2024年以降の贈与については、相続税への「生前贈与加算」が、現在の相続開始前3年間から7年に、順次延長されることが決まっています。生前贈与加算とは、相続開始前の一定の期間の贈与については、贈与税の基礎控除を認めず、相続財産に加算して相続税を課税する仕組みです。これが延長されるということは、トータルの贈与税基礎控除額が減る(=相続税が増えるかもしれない)ことを意味します。

「生活費」「教育費」には課税されない

扶養義務者(配偶者、親、祖父母、子など)からもらう「生活費」「教育費」には、「贈与を受けた者(被扶養者)の需要と贈与をした者(扶養者)の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲」(国税庁)であれば、基礎控除額をオーバーしたとしても、贈与税は非課税です。ですから、例えば夫の給料から毎月30万円を妻に手渡していても、家族の生活に必要なものであれば、贈与税の対象にはならないのです。子どもの教育費を夫婦間でやり取りした場合も同様です。

離婚後の財産分与には課税されない

離婚した場合の財産分与に関しては、贈与税の対象にはなりません。慰謝料、養育費についても同様です。ただし、財産分与が明らかに偏っている場合には、多く受け取った側に贈与があったとみなされることがあります。

離婚後の財産分与には課税されない

離婚した場合の財産分与に関しては、贈与税の対象にはなりません。慰謝料、養育費についても同様です。 ただし、財産分与が明らかに偏っている場合には、多く受け取った側に贈与があったとみなされることがあります。

贈与・相続で節税する方法

自宅には「おしどり贈与」を活用する

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用の不動産を贈与する場合には、2,000万円の控除を受けられます「おしどり贈与」と呼ばれる特例制度で、居住用の不動産を購入する資金にも適用されます。この特例は基礎控除の110万円との併用が可能なので、最大で2,110万円まで贈与税は非課税になります。

例えば、妻が夫から「おしどり贈与」を使って2,500万円の不動産の贈与を受けた場合、贈与税の課税対象額は、2,110万円を差し引いた390万円まで減額されるわけです。

ただし、この特例を利用して贈与された側は、基本的にその不動産に住み続けることが条件です。また、特例を利用した結果、贈与税が非課税となった場合でも、贈与税の申告手続きが必要です。

非情に有利な特例ですが、相続まで考えると、不動産の生前贈与を受けるよりも、名義人の死後に相続したほうが有利な場合もあります。次に述べる相続税の配偶者控除のほうが、控除額が大きいからです。

相続税の配偶者控除を利用する

相続税にも、「1億6,000万円」もしくは「配偶者の法定相続分」のどちらか多いほうまでが控除される制度が設けられています。これは、配偶者のみに認められた特例措置です。相続の際にこれだけ大きな控除を受けられる配偶者は、無理をして生前贈与を受ける必要はない、という見方もできます。

ただし、この配偶者控除をどれだけ使うのかは、二次相続(残った親が亡くなった、子どもだけの相続)の納税額などに影響することもあります。税理士に相談したうえで判断するのが確実でしょう。

「事実婚」の場合は?

いわゆる内縁の妻・夫など婚姻届を出していない「事実婚」のカップルも、基本的には民法上の夫婦(民法の規定により効力が生じた婚姻に基づく配偶者)の規定が準用されるため、一定の法的保護を受けることができます。通常必要とされる生活費などのやり取りについては、一般の夫婦と同様に贈与税はかかりません。基礎控除110万円の扱いも同様です。

ただし、事実婚の場合、「おしどり贈与」や相続税の配偶者控除という税制上の優遇措置を受けることはできません。

贈与はバレない?

家族の財産の移動、まして夫婦間のやり取りなど税務署にはバレないだろう、と思われるかもしれません。確かに、日々のやり取りを捕捉するのは、税務署には難しいでしょう。しかし、そう思って贈与税を申告しないでいると、相続の際に「倍返し」に遭う可能性があります。

相続が発生すると、税務署は被相続人(亡くなった人)だけでなく、相続人についても、過去10年程度までさかのぼって預金口座を調べることができるのです。そうやって、過去の未申告の贈与が見つかった場合、支払うべき税金に加えて「無申告加算税」などの加算税が課せられることになります。申告期限からの期間に応じて「延滞税」もかかりますから、納税が遅れた期間の長いほどペナルティの金額もアップします。

贈与額は毎年確認し、税金が発生する時には、忘れずに申告・納税するようにしましょう。

まとめ

夫婦間でも、財産の移動があれば贈与税が課せられます。当人同士に贈与の意思がなかったとしても、「みなし贈与」と判断されて贈与税の対象になることもあります。 「夫婦の間なのだから」と軽く考えたりせずに、高額の資金を移動する際には注意しましょう。迷うことなどがあれば、相続に詳しい税理士に相談するのが安心です。

この記事の執筆者
相続財産センター編集部
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