私たちも懐疑的だった「クラウド会計」
使ってみたらできたこと
私たちも懐疑的だった「クラウド会計」  使ってみたらできたこと

2019/10/17

 
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インターネットを利用して会計処理を自動化する「クラウド会計」の導入が広がりをみせています。2019年4月に濱慎一先生(代表税理士)と押味成広先生の2人が立ち上げたPision合同会計事務所では、すべてのお客さまとの対応を「クラウド化」しました。そのメリットは、単なる「作業量の削減」だけではないようです。

「10の作業が3に減った」

先生方の事務所では、お客さまの100%がクラウド会計を導入しているそうですね。
はい。今法人20数社のほか個人のお客さまがいますが、すべてクラウド会計を導入しています。顧問契約前にすでに導入なさっていたところもありますし、導入のサポートを行ったところもあります。逆に「クラウド会計以外で」というお客さまは、申し訳ないのですが、お断りしているんですよ。
そこまで徹底なさる理由を教えてください。
ひとことで言えば、そのほうが圧倒的に「楽」だからです。お客さまから預かった資料を基に入力してチェックを加えて試算表を作成し、といった従来の作業量を「10」とすると、今は「3」になった感覚です。

私たちが楽ということは、お客さまにとっても面倒が減ることを意味しています。これまでは、定期的にお金の出入りを通帳に記帳して、コピーを取って税理士に渡す必要がありました。領収書や請求書なども、同様です。

クラウド会計にすれば、そうした手間はなくなります。例えば口座の状況は、ネットを介して私たちの手元に直接届きます。領収書にしても、携帯の専用のアプリで写真を撮影してもらえば、やはり自動で「飛んで」きます。経費の支出にクレジットカードを使ってもらえば、その必要もありません。

先生たちは、たくさんの資料を預からなくても済みますね(笑)。
はい(笑)。ただし、お客さまには、領収書などはきちんと手元に保管しておくようにお願いしています。万一税務調査(※)になったときには、それが必要になりますから。

クラウド会計には、オプションで、自動で仕訳をしてくれるサービスもあります。社内で記帳を行っている場合には、そこに費やす時間やエネルギーも、大幅に削減することができるんですよ。

クラウド会計は、単純な取引が多い会社には、特に有効です。私の担当している売上15億円ほどの商社では、今まで経理担当の方が、通帳などとにらめっこをしながら、売上の計上、仕入の計上、売掛金の消込、買掛金の消込という何百という単純な仕訳を一件一件、会計ソフトに入力し直していました。

それが、クラウド会計を導入することで、仕訳までのほとんどが自動化され、細部のチェックをするだけでOKになったわけです。大げさでなく、作業時間は何十分の1になったと喜んでいました。クラウド会計を勧めた私自身、これほど違うのか、と驚いたくらいです。

「自動化」には、ヒューマンエラーを防げるというメリットもあります。入力という手作業には、どうしてもミスの生じる可能性がありますから。
※税務調査
国税局や税務署が、納税者の税務申告が正しいかどうかをチェックするために行う調査。任意調査と、国税局査察部が行う強制調査がある。

決算前に来期の話ができる

実は、私たちも本格的にクラウド会計を使うようになったのは、4月にこの事務所を開設してからなんですよ。以前は、2人とも、どちらかといえばクラウド会計に否定的だったのです。それまでのやり方で十分回せていたし、お客さまも満足していたので、わざわざそれに飛びつく必要もないだろう、と。
「クラウド100%」に転換した理由は?
1つは、とにかく膨大な資料を何とかしたかった(笑)。また、周囲を見渡すと、徐々にクラウド会計を採用する人が増えてきていて、これが当たり前になる時代がくるのではないか、と漠然と感じたことも理由の1つです。同時に、さきほど説明した「10-3」の余った「7」を使って、より質の高いサービスを提供できるのではないか、という思いもありました。私たちはスタッフを増やして事務所を大きくしていくというよりは、税理士が直接担当して、質の良いサービスを適正な値段で提供していくことを志向しています。
どのようなサービスでしょう?
例えば、税金の相談にしても、経営に関する相談でも、お互いにより時間を取って深い話をすることができるでしょう。また、作業量が減って時間ができるだけではなくて、「数字がリアルタイムで把握できる」というのも、クラウド会計の優れているところです。事業規模などにもよりますが、普通のやり方だと、会社の現在の収益状況などがはっきりするのは、数ヵ月先になりますよね。しかし、クラウド会計により帳簿作成のスピードが上がれば、決算の前に当期の状況がほぼわかります。そんなタイミングで、「来期はどうしましょうか?」という話ができるわけです。
導入は簡単にできるのですか?
私たちは、給与計算や勤怠管理といった会計以外のクラウドツールの導入支援もしています。それらも含めてトライアルなどをやりながら、おおむね2~3ヵ月で稼働できるはずです。コストは、法人で月に3,000~4,000円程度です。

ただ、クラウド会計に対する「拒絶反応」は、まだあります。導入に向けた最大の壁は、その第1歩のところ。その1歩さえ踏み出していただければ、それぞれの会社に合ったシステム作りのサポートが可能です。

興味を持つ人は、そうした専門家の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。
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