相続税の申告が必要な場合・必要ない場合って?
「相続税の基礎控除」から解説します

相続税の申告が必要な場合・必要ない場合って?  「相続税の基礎控除」から解説します
 公開日:
2019/09/24
 
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突然親族が亡くなって、相続に。高齢化が進む世の中、他人事とは言えません。ところで、遺産をもらったら、必ず相続税がかかってくるのでしょうか?
2015年の税制改正により、申告を必要とする人が大幅に増えた相続税。申告の必要/不要のボーダーラインは、いったいどこに?誤解しやすい点も含めて、わかりやすく解説します。

「基礎控除」が下がり、申告の必要な人が大幅に増えた

「相続税を支払うのは、大金持ちが死んだとき」。かつては、そう言われていました。しかし、そうとは言えない時代になりました。直近では、2015年の相続税の基礎控除額の4割引き下げの結果、例えば首都圏など地価の高いところに持ち家があると、かなりの確率で相続税がかかってくる状況になっています。

相続税の「基礎控除」とは?

相続税の「基礎控除」とは、平たく言えば、「そこまでは相続税が課税されないボーダーライン」のこと。
「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算されます。

3000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 ) = 相続税の基礎控除の金額

仮に夫が亡くなり、法定相続人が妻と子ども2人だったとすると、3000万円+600万円×3=4800万円となり、遺産の総額がこれを超えたら相続税が課税されることになるわけです。逆にこれを超えなければ、納税はもとより申告の必要もありません。



計算式を見て明らかなように、法定相続人が多いほどボーダーラインは上がり、少ないほど下がります。法定相続人が1人しかいない場合は、基礎控除額は3600万円までしか認められません。

ちなみに、改訂前の基礎控除額は「5000万円+(1000万円×法定相続人の数)」でした。
上と同じく相続人が3人だとすると、8000万円。いかに影響の大きな改訂だったのか、お分かりいただけると思います。

「相続税ゼロ」でも、申告の必要がある人もいる

注意すべきなのは、申告の必要がないのは、あくまでも「遺産総額が基礎控除額の範囲にある場合」だということです。

相続税には、配偶者控除(※1)や小規模宅地等の特例(※2)といった税の軽減措置が設けられています。もともとの遺産は基礎控除額を上回っていたけれど、特例措置などを使った結果、ボーダーラインを下回った、という場合には、やはり申告が必要なのです。言い方を変えると、相続税の申告をしなければ、こうした軽減措置を使うことはできません。

※1 相続税の配偶者控除:配偶者が相続した遺産のうち、課税対象となるものの額が1億6000万円まで、それを超えても法定相続分までは課税されない制度。
※2 小規模宅地等の特例:親と同居しているといった一定の要件を満たす相続人は、相続の際の自宅の土地の評価額を80%減額できることなどを定めた特例。

申告は、相続発生から10ヵ月以内にする必要がある

その他、相続税の申告に関連する注意点をまとめました。

「見えにくい遺産」もある

遺産、つまり相続財産は、被相続人(亡くなった人)が持っていた現金や不動産ばかりとは限りません。生命保険金や死亡退職金などがあれば、それも相続財産に加える必要があるのです(ともに一定の非課税枠があります)。
反対に、被相続人の借金やその葬儀費用などは、相続財産から差し引くことができます。

相続税にも申告期限がある

相続税の申告期限は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内」と決められています。よほど遠縁でもない限り、「亡くなった日から10ヵ月」ということになるでしょう。49日法要を済ませ、遺産の分け方を決め、とやることは少なくないですから、あまり悠長に構えている暇はないかもしれません。

もし、期限内に申告しなかったら?その場合には、無申告加算税というペナルティが課せられることになります。悪質な「税逃れ」が発覚した場合には、「1年以内の懲役または50万円以内の罰金」という罰則規定もありますから、申告は正確に行いましょう。

申告が必要なのは、相続人だけではない

相続税の申告が必要なのは、被相続人の財産を受け取った相続人や受遺者です。「受遺者」とは、法定相続人ではないけれど、被相続人の遺言書によって財産を受け取った人のことです。
さらに、被相続人が加入していた生命保険の受取人も、申告しなくてはなりません。
要するに、被相続人の死亡を原因として何らかの財産を受け取った人には、全員に申告義務が発生する、ということです。

相続税申告は、相続専門の税理士に頼む

相続税の申告を自分で行うことは可能です。ただし、相続人や相続財産の確定、財産目録の作成、必要書類の収集、申告書の作成――といった一連の作業を、10ヵ月で完了させなくてはなりません。

間違いがあれば、税務署に指摘され、やはり追徴課税(※3)のペナルティを受けることになるかもしれません。反対に、「払い過ぎ」があったとしても、税務署はそれを教えてはくれないのです。申告は、専門知識を持つ「相続に強い税理士」に依頼すべきでしょう。

※3 追徴課税:申告漏れや脱税の目的で、本来支払うべき税金よりも納税した金額が少なかった場合に、追加で税金を支払うこと。加算税(過少申告加算税、重加算税など)と延滞税がある。

まとめ

被相続人の遺産が基礎控除額を超えた場合には、相続税の申告が必要になります。その場合は、相続人ばかりでなく、被相続人の死亡によって財産を譲り受けたすべての人に申告の義務が生じることに、注意しましょう。

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