サマージャンボ宝くじ、当せんしたら税金はかかる?税理士の答えは…

プロゴ税理士事務所代表 好川 寛(税理士)

2026年のサマージャンボ宝くじが、6月30日から7月31日まで発売されています。今年は1等・前後賞合わせて12億円の新商品「サマージャンボプレミアム」が初登場し、王道の「サマージャンボ宝くじ」(同7億円)、当たりやすさ重視の「サマージャンボミニ」(同5,000万円)と合わせた3本立てです。抽せんは8月12日、当せん金の支払いは8月17日から始まります。

高額当せんを引き当てたとき、まず気になるのが税金です。当せん金そのものに所得税はかかるのか。かりに非課税だとしても、受け取ったお金を家族に分けたり、使わずに残したりした場合はどうなるのか。仲間と共同で購入していたケースの扱いも気になるところです。高額当せんには、当てた瞬間よりも「そのあと」の使い方で税金が絡む場面が少なくありません。

どこまでが非課税で、どこから課税されるのか。好川税理士に伺いました。

当せん金そのものに税金はかからない

宝くじの当せん金には、所得税も住民税もかかりません。7億円でも12億円でも、受け取った額がそのまま手元に残り、申告も不要です。仮に給与などと同じ最高税率55%(所得税45%+住民税10%)で課税されれば、7億円なら単純計算で約3億8,500万円が税金に消えます。非課税の恩恵はそれだけ大きいといえます。

根拠は当せん金付証票法(第13条)です。1枚300円(プレミアムは500円)のうち当せん金として戻るのは販売額の5割弱で、残りは発売元の自治体の収益などに充てられます。購入時点で実質的に負担が済んでいるため、当たったお金には改めて課税しない、という考え方です。

むしろ注意すべきは「当てたあと」

注意したいのは、当せん金そのものより、そのお金を誰に渡すかです。受け取ったあとに家族や知人へ「半分あげる」と渡せば贈与となり、受け取った側に贈与税がかかります。

たとえば成人した子に5,000万円を渡すと、基礎控除110万円を引いた4,890万円が課税対象となり、贈与税は約2,050万円。渡した額の4割近くが税金で消えます。良かれと思った行動が、家族の負担になりかねません。

共同購入なら「全員で受け取る」

家族やグループで出し合って買った場合、当せん金を人数で分けること自体は贈与になりません。ただし「1人のものを分けたのでは」と見られないよう、共同購入だったと示せる状態にしておくことが大切です。

当せん者全員で銀行窓口へ行き、当せん証明書を人数分発行してもらえば、各自が正規に受け取った形が残ります。資金の出どころを問われた際の裏付けにもなります。

使わず残せば、いずれ相続税の対象

受け取った時点では非課税でも、当せん金は使えば自分の財産です。残したまま亡くなれば、その残額は相続財産として相続税の対象になります。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」ですが、数億円が残ればこれを大きく超え、課税は避けられません。

また、当せん金を元手にした株の利益や家賃収入は通常どおり課税され、「元手が宝くじだから非課税」とはなりません。高額当せん時は、受け取り方から使い道、相続まで含めて早めに税理士へ相談することをおすすめします。

まとめ

宝くじの当せん金そのものは非課税で、いくら当たっても申告はいりません。ただし、家族に分ければ贈与税、運用すれば所得税、残せば相続税と、課税は「当せん金以外」の場面で生じます。共同購入なら全員で受け取って当せん証明書を残し、高額当せん時は早めに税理士に相談しておくと安心です。

プロゴ税理士事務所代表 好川 寛(税理士)

東京国税局で15年にわたり、税務調査・審理・国税不服審判所の業務に従事。非居住者課税の相談実務に精通する。大手YouTuberエージェンシーでの実務経験から、フリーランス・インフルエンサー特有の税務にも明るい。その後、IT企業でのプロダクトマネジメントを経て神奈川県川崎市で独立。現在はクリエイターやスタートアップの税務支援を中心に活動し、税務メディアの記事監修も多数手がける。国税の現場で培った課税庁側の視点を活かした解説を得意とする。

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