2026年6月から変わるお金――電気代・住民税・食品値上げが重なる月、経営と家計の備えは?

2026年6月は、電気代・住民税・食品の値上げが重なる月です。電気料金に上乗せされる再エネ賦課金が過去最高に引き上げられ、6月の給与からは新年度の住民税の天引きが始まります。さらに食品も値上げが続き、家計にも事業のコストにも影響が広がります。本記事では、2026年6月から変わる主なお金の項目を整理し、経営者・個人事業主と家計それぞれの備えを中立的に解説します。なお、最適な対応はご自身の家計・事業の状況によって異なるため、判断に迷う場合は税理士などの専門家への相談もご検討ください。
1. 【電気代】再エネ賦課金が過去最高の4.18円/kWhに
1-1. 2026年度の単価は4.18円、5月検針分から反映
経済産業省は2026年3月19日、電気の使用量に応じて電気料金に上乗せされる「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」の2026年度単価を4.18円/kWhに設定すると公表しました。制度開始(2012年度)以降で最も高い水準です。この単価は2026年5月検針分から2027年4月検針分までの電気料金に適用されるため、多くの家庭・事業所では6月に支払う電気料金から本格的に反映されます。
資源エネルギー庁の試算では、1か月の電力使用量が400kWhのモデル世帯で、再エネ賦課金の負担は月額約1,672円(年額約2万円)となります。電力使用量の多い事業所では、負担額はさらに大きくなります。
再エネ賦課金の仕組みや家計への影響については、以下の記事で詳しく解説しています。
1-2. 事業所の電気代は「契約の見直し」も選択肢
電気を多く使う飲食店・小売店・製造業などでは、賦課金の上昇が固定的なコスト増につながります。電気の使用状況に応じて、料金プランや電力会社の見直し、省エネ設備の導入などが選択肢になります。
・メリット:使用実態に合うプランへの切り替えで、基本料金や単価を抑えられる場合がある
・注意点:切り替えには契約内容・解約条件の確認が必要です。賦課金自体は全国一律で、プラン変更では下げられない点も押さえておきましょう
2. 【住民税】6月から新年度の特別徴収がスタート
2-1. 6月給与から新しい年税額の天引きが始まる
個人住民税は、前年の所得をもとに税額が決まり、給与天引き(特別徴収)の場合は毎年6月から翌年5月までの12回に分けて納めます。つまり6月の給与から、新年度の住民税の天引きがスタートします。前年の所得が増えていれば、6月以降の手取りが5月より減ることになります。
経営者・経理担当者にとっては、各従業員の住民税額が記載された「特別徴収税額の決定通知書」をもとに、6月支給分から天引き額を更新する事務が必要です。更新漏れは納付額のズレにつながるため、注意したいポイントです。
2-2. 手取りが変わる理由を従業員にも共有を
従業員からみると、「6月から急に手取りが減った」と感じることがあります。これは住民税の年度が切り替わったためで、特別なペナルティではありません。理由をあらかじめ共有しておくと、無用な不安を避けられます。
3. 【食品・生活コスト】6月も値上げが続く
6月も食品を中心に値上げが続きます。民間の調査によると、2026年6月は食品だけで500品目を超える値上げが予定されており、菓子・即席麺・食用油・調味料などが対象です。たとえばカルビーは、ポテトチップスなど一部商品を6月1日納品分から値上げすると発表しています。
飲食店や小売店にとっては、仕入コストの上昇が続く局面です。コスト増を販売価格にどこまで反映するか(価格転嫁)は、引き続き難しい経営判断となります。
・考え方の一例:原価率の変化を商品ごとに把握し、転嫁する商品・据え置く商品を分けて検討する
・注意点:急な価格改定は客離れのリスクもあります。値上げの理由や付加価値の伝え方もあわせて考えたいところです
4. 経営者・個人事業主がいま見直したいこと
電気代・住民税・仕入コストはいずれも、毎月の資金繰りや従業員の給与計算に直結します。6月のタイミングで、次のような点をまとめて見直しておくと安心です。
・固定費:電気・通信・サブスクなど、使っていないコストがないか点検する
・給与・社会保険:住民税の更新に加え、社会保険料の改定時期もあわせて確認する
・価格・利益計画:仕入コストの上昇を踏まえ、価格設定と利益計画を見直す
・資金繰り:コスト増を織り込んだ資金繰り表で、当面の資金の動きを把握する
これらは、自社の数字を把握している税理士に相談することで、対応の選択肢を広げやすくなる領域です。給与計算や社会保険の実務は社会保険労務士の領域も含みます。判断に迷う場面では、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
5. まとめ
2026年6月は、電気代・住民税・食品値上げが重なり、家計にも事業のコストにも負担が増えやすい月です。
・電気代:再エネ賦課金が過去最高の4.18円/kWhに。5月検針分から反映され、6月支払いから本格化
・住民税:6月給与から新年度の特別徴収がスタート。手取りや給与計算に影響
・食品:6月も値上げが続き、仕入コスト増と価格転嫁が引き続き論点に
値上げや制度変更は不安に感じられますが、ポイントを押さえて固定費・給与・価格・資金繰りを点検すれば、打てる手は見えてきます。自社・ご家庭の状況に合った対応については、税理士などの専門家に相談しながら、納得できる形で進めることをおすすめします。
中小企業経営者や個人事業主が抱える資産運用や相続、税務、労務、投資、保険、年金などの多岐にわたる課題に応えるため、マネーイズム編集部では実務に直結した具体的な解決策を提示する信頼性の高い情報を発信しています。
新着記事
人気記事ランキング
-
2026年10月1日の酒税改正、ビールとチューハイはいくら変わる?加熱式たばこの値上げも税理士に聞いた
-
貯蓄「平均2,059万円」に届かない世帯が3分の2——中央値1,264万円との795万円差はどこから生まれるのか
-
平均給与は1.9%増、源泉徴収された所得税は17%増。なぜ?今年の年末調整で起きることも税理士に聞いた
-
アジア大会の報奨金、五輪と違って税金がかかる?ぷよぷよ11歳金メダリスト「報奨金なしの見通し」から税理士が解説
-
100歳以上が初の10万人超え、親100歳・子80歳の「老老相続」で税金はどうなる?税理士が解説
-
元税務署職員が競艇に8億6,000万円、脱税1億3,500万円か。税理士「使った額はそのまま引けません」
-
新型iPhone、税込40万円超でも会社で一括経費にできる?「30万円→40万円」に変わった新基準を税理士が解説
-
「節税しただけ」なのになぜ逮捕?エンジェル税制、節税と脱税の境界線
-
全東信の未入金、今期の損金にできる?決算月で分かれる境目を税理士が解説
-
【2026年最新】介護保険料が上がる基準は?65歳以上の高所得者は2027年度から負担増へ、段階別の保険料を解説



