創業当時、どんな社長でも、「得意な事業を広げ、きちんと利益を出して、会社を大きくしていこう」と心に誓ったはず。ところが、無意識のうちに、日々の目標がちょっと違った方向にズレている。そんな経営者の方も少なくないようです。税理士法人ウィズの橋本秀明先生は、「特に“節税の誤解”、“借金の不理解”が目立つように感じますね」と話します。
節税、借金……その「意味」、わかっていますか?
マネーに関する、社長の大いなる誤解
2019/10/8
「節税すれば、お金が増えると思っていました」
不動産業など複数の事業を営んでいて、業績はずっと増収増益。そこで、高い税金は払いたくないと、コストをかけた社員旅行に行ったり、頻繁に接待ゴルフをやったり。営業畑出身の方だったこともあって、海外への投資や国内での新規出店も“イケイケ”でやって、とにかく経費を使ったわけです。
冷静に考えれば当たり前のことで、おっしゃるように経費を使えば使うほど、税金は安くなります。ただし、その前に経費という形で会社のお金がどんどん出て行ってしまうのですから、手元にお金が残るはずがありません。あえて言えば、「お金を使って節税」しているわけです。
そもそも、会社をつくったのはなぜか? 何のために社長になったのか? それは、やりたい事業を実現して稼ぐためでしょう。それには、事業を回すお金が不可欠なのです。売上を上げるのも、経費を削るのも、そして節税も、「回すお金」を増やすための方策の1つ。そのことを、十分認識してほしいと思います。
いずれにせよ、こうした制度減税をはじめ、「お金を使わなくてもできる節税」については、プロの手も借りながら積極的に行っていく必要があります。
「金銭消費貸借契約書」には、何が書かれているのか?
ですから、「融資を受けてバンザイ」ではなく、それは“返済の入り口”だと考えなくてはいけません。借りた瞬間に、年にいくら返すのかが決まり、毎年それに見合った利益を出していかなくてはならないのです。
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橋本秀明(税理士)プロフィール
税理士法人ウィズ 代表税理士
20代前半で税理士試験合格、平成17年に現法人を設立。顧問先の95%以上は中小のオーナー企業。『日本の中小企業経営者と共に100年企業を創造し、地域社会に貢献する。』をミッションに、情報発信だけに留まらず、きめ細やかな気遣いを大事にしながら、会社経営を税務と財務の面からサポートしている。
URL:http://www.z-with.or.jp/
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