7月1日スタート!電気代・ガス代が月最大2,340円安くなる 3か月で実質いくら得するか全試算

2026年7月1日から、電気・都市ガスの料金補助がスタートしました。高市早苗首相が5月25日に表明し、翌26日に予備費5,135億円の支出が閣議決定されたこの支援策は、今日から使用する電気・ガスに自動的に値引きが適用されます。8月に最大・月2,340円(標準世帯:電気400kWh+都市ガス30㎥)というのが今夏のピーク。本記事では確定した補助単価、家計への実質的な効果(賦課金との差し引き)、LPガス利用者の扱いを整理します。
1. 2026年7月1日スタート!電気・ガス代支援の基本情報
1-1. 今日(7月1日)から使用分が対象、申請は不要
2026年7月1日以降の使用分から、電気・都市ガスの料金が自動的に値引きされます。電気・ガス会社がメーターで計量した使用量に対して補助単価分が差し引かれる仕組みで、利用者が申請する必要はありません。
高市首相は2026年5月25日、「電気・ガス代を合わせて約5,000円支援する」と表明。翌5月26日には当初予算の一般予備費5,135億円を充てることが閣議決定されました。補正予算の成立を待たずに実行できるのがポイントです。
高市首相は閣議決定に際し、「国民の生活・経済活動が妨げられないよう措置を強化する」「リスク最小化の観点から、万全を期して機動的に対応する」とコメントしています。中小企業のオーナーにとっては、事業所の電気代・都市ガス代(低圧契約・年間1,000万㎥未満の都市ガス利用事業者)も対象となる点を押さえておきましょう。
1-2. 請求書への反映は「翌月検針分」、7月使用分は8月の請求書から
電気・ガスは後払い制のため、7月に使用した分の補助が反映されるのは8月の請求書(8月検針分)からになります。「7月から始まったはずなのに、7月の請求書が変わっていない」と感じても、それは正常です。確認のタイミングは以下の通りです。
・7月使用分の補助 → 8月の請求書で確認
・8月使用分の補助 → 9月の請求書で確認
・9月使用分の補助 → 10月の請求書で確認
なお、高圧契約の法人(大企業・大規模事業者)は低圧の半額単価での適用となります。
2. 補助単価はいくら?月最大2,340円の根拠
2-1. 電気:7月・9月3.5円/kWh、8月4.5円/kWh(低圧)
電力使用量が多い8月の単価が高く設定されています。昨年夏(2025年7〜9月)と比べて補助単価はやや拡充されています。
・7月使用分:3.5円/kWh
・8月使用分:4.5円/kWh
・9月使用分:3.5円/kWh
参考として、2025年夏は7月・9月が3.0円/kWh、8月が3.5円/kWhでした。今夏は7月・9月が+0.5円、8月が+1.0円の増額となっています。
2-2. 都市ガス:7月・9月14円/㎥、8月18円/㎥(年間1,000万㎥未満の事業者も対象)
都市ガスの補助単価は1立方メートルあたり次の通りです。
・7月使用分:14円/㎥
・8月使用分:18円/㎥
・9月使用分:14円/㎥
2025年夏は7月・9月12円/㎥、8月16円/㎥でした。今夏は全月で+2円の増額です。対象は都市ガス(一般ガス事業者・簡易ガス事業者)のみで、プロパンガス(LPガス)は今回も対象外です。LPガス利用者については後述します。
2-3. 我が家はいくら安くなる?月別試算
電気を月400kWh・都市ガスを月30㎥使用する標準的な世帯の場合、次のようなイメージです。
・7月使用分:電気400×3.5=1,400円+ガス30×14=420円 → 計1,820円の値引き
・8月使用分:電気400×4.5=1,800円+ガス30×18=540円 → 計2,340円の値引き(今夏の最大)
・9月使用分:電気400×3.5=1,400円+ガス30×14=420円 → 計1,820円の値引き
・3か月合計:約5,980円の負担軽減
電気使用量・ガス使用量が多い世帯ほど恩恵が大きくなります。逆にオール電化(ガスなし)世帯や、電気をほぼ使わない世帯では効果は限定的です。
3. 差し引き実質いくら得する?賦課金・燃料費調整額との関係
3-1. 再エネ賦課金2026年度は過去最高の4.18円/kWh
電気料金には「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」が上乗せされています。2026年度(2026年5月検針分〜2027年4月検針分)の単価は4.18円/kWhと、制度開始以降で過去最高の水準です。
2025年度は3.98円/kWhでしたので、差分は0.20円/kWh。月400kWh使用世帯では月80円・3か月で約240円の負担増となっています。
3-2. 「賦課金で上がる分」と「補助で下がる分」を差し引きすると?
2026年夏の電気代は「賦課金の上昇で上がる分」と「補助で下がる分」がぶつかり合います。月400kWh世帯で整理すると次のようなイメージです。
・電気代補助(3か月):▲4,600円(7月・9月各1,400円、8月1,800円)
・再エネ賦課金増分(2025年度比):+240円(0.20円×400kWh×3か月)
・差し引きの純粋な恩恵:約4,360円(電気分のみ)
都市ガス補助1,380円を加えると、3か月で実質約5,740円程度の得になる計算です。
ただし、中東情勢の不安定さを背景に燃料費調整額も上昇傾向にあり、「補助があっても体感では以前と変わらない」と感じる可能性もあります。補助はあくまで急騰の抑制策であって、「元の水準まで下がる」わけではない点はあらかじめ理解しておきましょう。
4. LPガス(プロパンガス)利用者はどうなる?
今回の補助対象は「都市ガス」のみで、LPガス(プロパンガス)は対象外です。LPガス利用者は全国に約2,000万世帯いるといわれていますが、今夏も直接の値引き対象にはなりません。
政府は別途、「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の増額を決定しており、LPガス利用者への支援は自治体経由で届く仕組みとなっています。具体的な支援内容は各自治体の発表をご確認ください。
LPガスを事業で使用している経営者(飲食店・製造業など)も、今回の国の直接補助は受けられない点に注意が必要です。
5. 経緯と決定内容のまとめ
改めて、今回の支援策の決定経緯を整理します。
・2026年5月25日:高市早苗首相が「電気・ガス代5,000円支援を補正予算3兆円規模で実施する」と表明
・2026年5月26日:予備費5,135億円の支出を閣議決定。「国民の生活・経済活動が妨げられないよう措置を強化する」(高市首相)
・2026年7月1日:支援開始(本日より)。7月使用分から自動的に値引きが適用
・財源:補正予算の成立を待たず、2026年度当初予算の一般予備費から即日支出
なお、政府は別建てで3兆円規模の補正予算案を国会に提出しており、ガソリン補助金の継続や秋以降の燃料高騰への備えも検討されています。
6. まとめ
2026年7月1日に始まった電気・都市ガス料金の補助支援のポイントを整理します。
・対象:2026年7〜9月使用分の電気(低圧)・都市ガス。申請不要で自動値引き
・補助単価(電気):7月・9月3.5円/kWh、8月4.5円/kWh。昨年夏より増額
・補助単価(都市ガス):7月・9月14円/㎥、8月18円/㎥。昨年夏より+2円
・標準世帯(電気400kWh・ガス30㎥)の恩恵:3か月合計で約5,980円の値引き。8月の月単独では最大2,340円
・実質効果:再エネ賦課金増分(約240円/3か月)を差し引いても、実質約5,740円程度の節約
・請求書への反映:翌月検針分。7月使用分は8月の請求書で確認
・LPガス(プロパンガス):今回も直接補助の対象外。自治体交付金経由で別途支援予定
電気・都市ガスの補助は申請不要で自動適用されますが、「夏は電気・ガス代が大幅に下がる」と思い込むのは危険です。賦課金の上昇・燃料費調整額の動向次第では体感効果が薄れる場合もあります。引き続き最新の料金明細をチェックし、コスト管理に役立ててください。
中小企業経営者や個人事業主が抱える資産運用や相続、税務、労務、投資、保険、年金などの多岐にわたる課題に応えるため、マネーイズム編集部では実務に直結した具体的な解決策を提示する信頼性の高い情報を発信しています。
新着記事
人気記事ランキング
-
2026年10月1日の酒税改正、ビールとチューハイはいくら変わる?加熱式たばこの値上げも税理士に聞いた
-
貯蓄「平均2,059万円」に届かない世帯が3分の2——中央値1,264万円との795万円差はどこから生まれるのか
-
平均給与は1.9%増、源泉徴収された所得税は17%増。なぜ?今年の年末調整で起きることも税理士に聞いた
-
アジア大会の報奨金、五輪と違って税金がかかる?ぷよぷよ11歳金メダリスト「報奨金なしの見通し」から税理士が解説
-
100歳以上が初の10万人超え、親100歳・子80歳の「老老相続」で税金はどうなる?税理士が解説
-
元税務署職員が競艇に8億6,000万円、脱税1億3,500万円か。税理士「使った額はそのまま引けません」
-
新型iPhone、税込40万円超でも会社で一括経費にできる?「30万円→40万円」に変わった新基準を税理士が解説
-
「節税しただけ」なのになぜ逮捕?エンジェル税制、節税と脱税の境界線
-
全東信の未入金、今期の損金にできる?決算月で分かれる境目を税理士が解説
-
【2026年最新】介護保険料が上がる基準は?65歳以上の高所得者は2027年度から負担増へ、段階別の保険料を解説



