夏のボーナス、手取りはいくらになる?2026年4月開始の子ども・子育て支援金で手取りはどう変わる?

2026年の夏のボーナスは、「子ども・子育て支援金」が初めて差し引かれる最初の賞与になります。健康保険料率も令和8年度に改定され、雇用保険料率も4月分から変わったため、額面と手取りの差は昨年夏より少し広がる方向です。本記事では、ボーナスから引かれる税金・社会保険料の仕組みと2026年度の最新料率を整理し、額面別の手取りシミュレーションをお見せします。読者の方はご自身の額面に近い例で「いくら残るか」を確認してみてください。
1. ボーナスから引かれる「税金・社会保険料」とは?
1-1. ボーナスから引かれる5種類
ボーナス(賞与)から差し引かれるのは、給与とほぼ同じ次の5つです。
・健康保険料:標準賞与額に保険料率をかけ、労使で折半
・介護保険料:40歳以上65歳未満の方のみ。健康保険と同様に折半
・厚生年金保険料:標準賞与額×18.3%を労使折半(本人負担9.15%)
・雇用保険料:賞与額に料率をかけて算出(労使それぞれが負担)
・所得税(源泉徴収):前月の給与水準(社会保険料控除後)と扶養人数に応じた賞与税率で計算
住民税は給与のみから天引きされ、賞与からは引かれません。
1-2. 2026年4月から始まった「子ども・子育て支援金」
2026年4月から、子ども・子育て支援金制度がスタートしました。健康保険料に上乗せして徴収される仕組みで、2026年度の料率は0.23%(労使折半で本人負担0.115%)です。負担はわずかですが、ボーナスからも引かれるため、今年の夏のボーナスでは「昨年と同じ額面なのに少し手取りが減った」という現象が起こり得ます。
2026年6月以降は段階的に率が引き上げられる予定で、家計と人件費の両面で押さえておきたいポイントです。
なお、政府はこの支援金について「社会保障の歳出改革等で相殺されるため、実質的な負担は生じない」と説明していますが、実務上は給与・賞与から所定の料率で天引きされるため、給与計算上の金額は把握しておきたいところです。
2. 2026年度の料率まとめ
2-1. 社会保険料の料率(2026年度)
2026年度(令和8年度)の主な料率は次のとおりです(全国平均・労使折半)。
・健康保険料率:協会けんぽ全国平均9.90%(本人負担4.95%。都道府県により差あり、東京9.85% など)
・介護保険料率:1.62%(本人負担0.81%)40歳以上65歳未満が対象
・厚生年金保険料率:18.30%(本人負担9.15%)
・雇用保険料率(一般の事業):本人負担0.5%(会社負担0.85%)2026年4月分から
・子ども・子育て支援金率:0.23%(本人負担0.115%)2026年4月から徴収開始
40歳未満の方は介護保険料がないため、社会保険料の本人負担合計は賞与額の約14.715%。40歳以上65歳未満は介護保険料が加わり約15.525%になります。
2-2. 所得税の源泉徴収(賞与税額表のしくみ)
ボーナスにかかる所得税は、「前月の給与(社会保険料控除後)」と「扶養親族の人数」から決まる賞与の源泉徴収税率を、賞与の社会保険料控除後の額にかけて計算します。たとえば前月の社会保険料控除後給与が約25万円(額面30万円程度)で扶養なしの場合、賞与税率は4.084%です。給与水準が上がるほど、賞与税率も段階的に上がります。
3. 額面別シミュレーション:ボーナスの手取りはいくら?
ここからは具体的なケースで、額面と手取りの差を見ていきます。前月の社会保険料控除後給与が約25万円・扶養なし・健康保険料は協会けんぽ全国平均(9.90%)の前提で試算します(実際の金額は地域・扶養状況・前月給与で変動します)。
3-1. 額面50万円(40歳未満)
40歳未満の場合、介護保険料はかかりません。
・健康保険料:500,000 × 4.95% = 24,750円
・厚生年金保険料:500,000 × 9.15% = 45,750円
・雇用保険料:500,000 × 0.5% = 2,500円
・子ども・子育て支援金:500,000 × 0.115% = 575円
・社会保険料合計:73,575円
・所得税(4.084%):(500,000 - 73,575) × 4.084% = 約17,415円
・手取り:約409,000円(額面の約81.8%)
3-2. 額面50万円(40歳以上65歳未満)
40歳以上は介護保険料が加わります。
・健康保険料:24,750円
・介護保険料:500,000 × 0.81% = 4,050円
・厚生年金保険料:45,750円
・雇用保険料:2,500円
・子ども・子育て支援金:575円
・社会保険料合計:77,625円
・所得税(4.084%):(500,000 - 77,625) × 4.084% = 約17,250円
・手取り:約405,000円(額面の約81.0%)
40歳未満との差は約4,000円。介護保険料の有無は意外と影響します。
3-3. 額面80万円(40歳未満・前月給与水準やや高め)
前月の社会保険料控除後給与が約40万円・扶養なしの想定で、賞与税率は10.21%になります。
・健康保険料:800,000 × 4.95% = 39,600円
・厚生年金保険料:800,000 × 9.15% = 73,200円
・雇用保険料:800,000 × 0.5% = 4,000円
・子ども・子育て支援金:800,000 × 0.115% = 920円
・社会保険料合計:117,720円
・所得税(10.21%):(800,000 - 117,720) × 10.21% = 約69,660円
・手取り:約612,000円(額面の約76.5%)
額面が上がると賞与税率も上がるため、手取り比率は少し低下します。
4. 経営者・個人事業主が気をつけたいこと
ボーナスは「払って終わり」ではありません。会社負担分・各種事務もあわせて押さえておきたいところです。
・会社負担の社会保険料:本人負担とほぼ同額を会社も負担。賞与50万円の場合、会社負担は約75,000〜80,000円規模になります
・賞与支払届の提出:賞与支給後5日以内に日本年金機構へ提出。電子申請が便利です
・賞与の損金算入:役員賞与は事前確定届出給与の届出が必要。届出と異なる支給は損金不算入のリスクあり
・キャッシュフロー:賞与本体に加え、会社負担の社会保険料・源泉所得税の納付資金も準備しておく
役員報酬・賞与の設計は、税理士に相談しながら法人と個人のトータルで考えると安心です。
5. まとめ
2026年の夏のボーナス手取りのポイントを整理すると、次のとおりです。
・社会保険料の本人負担合計は、40歳未満で賞与額の約14.7%、40歳以上で約15.5%
・所得税は「前月給与+扶養人数」から決まる賞与税率で計算
・2026年4月から「子ども・子育て支援金(0.23%・労使折半)」が新たに徴収。今夏のボーナスから影響
・額面50万円の手取りは40歳未満で約40.9万円、40歳以上で約40.5万円が目安
・経営者は会社負担の社保・賞与支払届・損金算入要件もあわせて確認
ご自身のケースに合わせた正確な金額は、給与計算ソフト・社会保険労務士・税理士などにご確認ください。あわせて2026年は年収の壁178万円相当への引き上げや「130万円の壁」扶養認定ルールの変更もあるため、パート・配偶者の年収管理も忘れずに行いたいところです。
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