資金調達のカギを握る「事業計画」はこう作る
~会社をつくりたいと思ったら・その2~
資金調達のカギを握る「事業計画」はこう作る  ~会社をつくりたいと思ったら・その2~

2019/3/29

 
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自分で会社を設立して事業を始めようとすれば、「先立つもの」も、それなりに必要になるでしょう。あてにしたいのが、日本政策金融公庫や民間金融機関などからの融資。でも、当然のことながら、融資には審査があります。創業資金の場合、重要な意味を持つのは、事業の青写真である「事業計画」。どのように作成したら、ゴーサインが出やすくなるのでしょうか? 会計士として、融資する側の金融機関の監査業務に携わった経験もあるアスラン会計事務所の大谷理先生に、ポイントをうかがいました。

「バラ色の数字」では、納得してもらえない

創業資金の融資を申し込む際に、まず大事になるのが「事業計画」だ、という前回のお話でした。
そうですね。相手は、何百件も同じような申し込みを審査しているプロです。彼らのお眼鏡にかなう内容のものでなければなりません。
あえてうかがうと、「こういう計画はNG」というのは?
一見して楽観的な売上数字などを並べたのがわかる「バラ色の未来」を描いたものでは、信用してもらうのは難しいですね。例えば、「この売上見込みは甘いのでは?」と問われたときに、明確に説明できることが必要なのです。
 失敗すると思って事業を立ち上げる人はいません。だから、事業計画はどうしても「希望的観測」になりがちなんですよ。でも、ある程度厳しい環境を織り込んだものにしないと、相手から見た場合、説得力がイマイチなわけです。
では、具体的にはどのような数字にしていけばいいのでしょうか?
もちろん事業の中身や規模によって違いはありますけれど、例えば売上について100という目標があったとすれば、あえてストレスをかけて80くらいに抑えたものにする。それでも会社がちゃんと回っていけるように、計画を作り込むのです。
 景気や業界環境は予測よりも下振れするかもしれないし、思わぬアクシデントが無いとは限りません。そうした悪材料も考慮した数字をつくり、それを融資担当者にきちんと説明する。
なるほど。それなら現実味がぐっと高まります。
計画に盛り込む数字は、売上、利益がメインですが、資金繰りのプランもきちんと立てておくことが重要です。業種によっては、利益は出ていてもその回収に時間のかかる場合がありますから、その間の運転資金をどう賄っていくのか、考えておかなくてはいけません。
融資担当者は、そこまで見るということですね。そういう事業計画は、何年先ぐらいまでのものを作る必要があるのですか?
だいたい1~3年くらいの計画を作成するのが多いと思います。
先生のところに創業支援の依頼に来る方たちは、内容はともかく、そのくらいの期間の売上の見通しとかをお持ちなのでしょうか?
いえ、数字は持っていて1年後くらいまでですね。とにかく独立して仕事をしたい、という思いで頭がいっぱい。そもそも、ビジネスセンスや営業力で勝負をしたいという人たちで、基本的に数字は苦手な方もいらっしゃいます。だから、会計事務所にサポートを頼みたいのでしょう。そこは、我々の腕の見せどころということになります。

審査は「一発勝負」とは限らない

ところで、よく「一度融資の審査に落ちると、再チャレンジしても難しい」という話を聞きます。
そうですね。審査で「ノー」と言われてしまうと、けっこう厳しい状況にはなるでしょう。ただ、融資担当者レベルであれば、「やり直し」のきく場合もあるんですよ。あくまでも「担当者による」という但し書き付きですが。
どういうことでしょう?
実際に審査を行うのは、彼らではなく金融機関の審査部門です。先ほどお話しした「バラ色プラン」などでない限り、審査に回す前に「この数字はこうしたほうがいいんじゃないですか?」といった相談に乗ってくれることもあるのです。融資担当者の仕事は、融資を断ることではなく、1件でも多くお金を貸すことですから。
ノルマを課せられていたりもする。
ただし、繰り返しになりますが、そうした対応をしてくれるのは、事業自体に見込みがあると判断された場合に限ります。融資を受けたいがために事業を大きく見せようと思ったりしても、プロの目がごまかせないどころか、むしろ逆効果だと思ってください。
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