主婦が個人事業主になったら税金はどうなる?
メリット・デメリットとは
主婦が個人事業主になったら税金はどうなる?  メリット・デメリットとは

2019/1/4

 
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政府の政策や社会情勢の変化などで、副業を認める企業が多くなっています。また、副業が成功することで、独立して個人事業主になる人も多いようです。これは主婦も同じです。しかし、その場合に気になるのが税金のことです。ここでは、主婦が個人事業主になった場合の税金やメリット・デメリットについて解説します。

そもそも個人事業主とは

所得にはいろいろある 確定申告と所得の関係

はじめに、確定申告とは何かを見ていきましょう。日本では、1年間に収入があった個人は、原則、納税者自ら国に収入や所得の金額、税額を計算し、申告・納税(申告納税制度)する必要があります。

 

「しかし、会社員やパート・アルバイトの人は、確定申告をしていないのでは?」と思う人がいるかもしれません。会社員やパート・アルバイトの場合は、勤めている会社が毎月の給料から税金を天引きし、個人に代わって税金を国に納めています。また、年末調整により所得税の過不足額の調整も行うため、確定申告が不要となっています。このように、所得税では収入の発生原因に応じて適切な課税方法を採用しています。

 

具体的には、1年間の所得(もうけ)を収入の発生原因に応じて10の種類に区分し、それぞれの所得ごとに所得金額などを計算します。例えば、収入の発生原因が給料であれば給与所得、事業であれば事業所得、利息であれば利子所得、一時的なものは一時所得、雑多なものは雑所得などとなっています。

個人事業主とはどんなもの?

1年間の所得(もうけ)を10の種類に区分し、それぞれの所得ごとに所得金額などを計算するには、自分の収入が何所得になるのかを理解する必要があります。では、個人事業主の場合はどの所得になるのでしょうか。個人事業主は名前のとおり、事業を営んでいる個人のことです。そのため事業所得となります。

 

ここで問題となるのが、自分の収入が事業に該当するのかどうかということです。事業とは、「同種の行為を反復、継続かつ独立して遂行すること」と規定されています。反復とは、同じ仕事を繰り返すこと、継続は同じ仕事を毎年繰り返していること、独立は会社などの組織に雇用されていないことです。

 

例えば、お店をしたり工場を経営したりする場合は、反復、継続、独立にあてはまるので、事業に該当します。例えば、ネットオークションで一度だけ物を販売しても、反復、継続には該当しないため、事業になりません。個人が事業の規模の仕事をしている場合に、個人事業主となります。

主婦が個人事業主になる場合のメリット・デメリット

主婦が個人事業主になる場合のメリット

主婦が個人事業主になった場合、様々な影響があります。まずはそのメリットから見ていきましょう。

①事業を大きくすることができる

個人事業主になるということは、事業を行うということです。事業でない場合は、反復、継続しないということなので、規模は小さくなりますが、事業は同種の行為を反復、継続することになるため、その規模は自然と大きくなります。そのため、得ることの利益も大きくなるメリットがあります。

 

何年も個人事業を行い、利益等を上げていると、金融機関の融資を受けることも可能ですし、法人化も目指すことができます。自分の才能で大きく稼ぐことができるメリットもあります。

②経費を計上することができる

会社員やアルバイト・パートの給料では、仕事で使ったものであっても原則、経費を計上することはできません。その代わりに税法で決められた一定の控除額があります。これに対して、個人事業主の場合は、事業にかかった経費を計上することが可能です。もちろん経費にできるのは、事業に関するものだけですが、個人事業主の方が、節税できる幅が広がるメリットがあります。

主婦が個人事業主になる場合のデメリット

次に、個人事業主になる場合のデメリットを見ていきましょう。

①夫の扶養から外れる

主婦が個人事業主になったからといって、すべての人が夫の扶養から外れるわけではありません。収入から経費を差し引いた1年間の合計所得金額が38万円を超える場合に、夫の扶養から外れます。夫の扶養から外れると、夫の税金が高くなったり、自分で健康保険料や国民年金保険料を支払ったりする必要が出てくるため、出費が増えます。個人事業主でいくらもうければよいか考える際には、税金や社会保険などの出費についても考慮しておく必要があります。

 

参考記事:「妻が個人事業主になった場合に、夫の税金はどうなるの?」
https://www.all-senmonka.jp/kanri/newsite/post-1511/
②日々の帳簿付けが必要

個人事業主は、納税者自ら収入や所得の金額、税額を計算し、国に申告・納税する必要があるという話をしました。その基になるのが、売上帳や経費帳といった帳簿です。個人事業主になったら、日々の取引について帳簿付けを行い、その帳簿を保存しておく必要があります。そのため、帳簿付けのための仕訳の知識を付けたり、会計ソフトの導入や税理士へ記帳代行を依頼したりと、手間や費用がかかるデメリットがあります。

主婦が個人事業主になったら青色申告しよう

青色申告とは

主婦が個人事業主になった場合、デメリットもあります。しかし、事業が成功すれば、多くのもうけが残るのも事実です。その場合に気にしなければならないのが、自分の所得税のことです。所得税を節税する方法として一般的なものが、青色申告です。

 

実は、所得税の確定申告には白色申告と青色申告があります。原則は白色申告です。日本では、納税者が自ら税額を計算する必要があり、そのためにはきちんとした帳簿付けなどが必要となります。

 

国としても、できるだけ多くの人に正しい帳簿付けや税額等の計算をして欲しいと思っています。そこで、より複雑な方法で、正しい帳簿付けや税額等の計算をすることを前提に青色申告を認め、さまざまな特典を受けられるようにしています。青色申告の特典の代表的なものには、次のようなものがあります。

①青色申告特別控除

青色申告特別控除とは、所得の金額を求めるときに、最大65万円の控除を受けることができるというものです。65万円の経費を計上するのは、結構大変です。青色申告をするだけで控除を受けられるため、そのメリットは大きいものになります。

②青色事業専従者給与

原則、所得税では、配偶者や家族に対する給料は経費にすることができません。青色申告をしている場合は、15才以上の家族に対する給料を経費にすることができます。ただし、1年を通じて半年以上もっぱらその事業に専従しているなど一定の条件を満たし、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要があります。

③損失の繰り越し

青色申告をしている場合に出た事業などの赤字は、翌年以降3年間繰り越すことができます。繰り越した赤字は、翌年以降の黒字と相殺することができます。

 

その他にも、貸倒引当金の繰り入れや少額減価償却資産の特例適用などの特典があります。

青色申告すると節税できる

では、青色申告をするとどれだけの節税になるか見ていきましょう。所得税の計算は、

所得金額×税率-控除額で求めます。

 

例)1年間の売上が800万円、経費が500万円だった。計算しやすいように、所得控除はないものとする。使用する税率は10%、控除額は97,500円とする
・白色申告の場合
所得金額=売上800万円-経費500万円=300万円

所得税=所得金額300万円×税率10%-控除額9万7,500円=20万2,500円

・青色申告の場合

青色申告の場合は、青色申告特別控除が最大65万円あります。青色申告特別控除は所得金額の計算時に使います。

所得金額=売上800万円-経費500万円-青色申告特別控除65万円=235万円

所得税=所得金額235万円×税率10%-控除額9万7,500円=13万7,500円

 

具体例のケースでは、青色申告すると、20万2,500円-13万7,500円=6万5,000円の節税となります。

まとめ

主婦が個人事業主になるとさまざまな影響があります。もっとも大きいものが、夫の扶養から外れることです。夫の扶養から外れると、夫の税金が高くなったり、自分で国民健康保険料や国民年金保険料を支払ったりする必要があります。しかし、事業が大きくなっていけば、それらのデメリットを超えるメリットを得ることができるようになるでしょう。メリットやデメリット、個人事業の税金などを考慮して、個人事業主になるかどうかを決めましょう。

 

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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