NPO法人は税理士にサポートを依頼しよう!NPO法人が支払う税金の種類や注意点など詳しく解説

NPO法人は税理士にサポートを依頼しよう!NPO法人が支払う税金の種類や注意点など詳しく解説
公開日:
2021/08/06
最終更新日:
2022/04/20
 
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営利そのものを目的としないNPO法人(特定非営利活動法人)にも、さまざまな税金が課税されます。ただし、株式会社などの普通法人とは課税のされ方が異なり、そのために一般的な企業会計とは異なる経理処理などが必要になります。今回は、NPO法人が経理や税務をスムーズに行うために考えるべきこと・気を付けるべきことは何かを解説します。

NPO法人にとっての「会計」の意味とは?

NPO法人ができる「特定非営利活動」には、「保健、医療又は福祉の増進」「社会教育の推進」など20種類が法に定められています。一般の企業に比べ公益性が高く、行政の委託事業を請け負うこともあります。また、運営のために、寄付のほか各種の補助金・助成金などを必要とすることも多く、それゆえに“しっかりした会計”が求められるのです。

NPO法人にも納税義務はある

「非営利団体」であっても、普通の企業と同じように課税されます。具体的にどんな税金がどのように課税されるのかは、後述の「NPO法人に課税される税金とは?」で説明します。

決算報告義務がある

年に1回、決算書類を都道府県や市町村に報告しなくてはなりません。これを怠ると、補助金や助成金などの申請に影響が出たり、ペナルティを課せられたりすることがあります。
逆に言えば、会計の正確性・透明性は「信用力」につながり、補助金なども受けやすくなるわけです。

事業の継続性が要求される

社会貢献という目的を果たしていくためには、やはり独立して事業を継続していく必要があります。
例えば、資金繰り(キャッシュフロー)に支障をきたすようなことがあれば、それが困難になってしまうのは一般企業と同じです。収益源が限られるNPO法人だからこそ、会計という“数字”で経営状態を常に把握し、先を見ることが重要だとも言えるでしょう。

NPO法人に課税される税金とは?

NPO法人に課税される税金には、株式会社などと全く同じようにかかるものと、そうでないものがあります。まずは前者から説明します。

普通法人同様に課税されるもの

1.法人住民税の均等割

NPO法人の規模に応じて、所得金額に関係なく課税される税金です。

2.消費税

物品の販売やサービス提供による対価に課税されます。預かった消費税から支払った消費税を差し引いて納税します。

3.源泉所得税

給与・退職金・原稿料や講演料などの報酬を支払うときには、所得税を天引きし、納税します。

4.不動産取得税(不動産の取得があった場合)

土地建物などの取得に伴い課税される税金です。

5.固定資産税、都市計画税(固定資産がある場合)

1月1日時点で所有する土地建物などの固定資産に対して課税されます。

「収益事業」の所得金額のみに課税されるもの

NPO法人にも収益事業を行うことは認められていて、その部分には次のような税金が課税されます(確定申告が必要です)。
ちなみに、この収益事業で得た利益は、事業のためには使えますが、法人の構成員で分配することはできません。

1.法人税

法人税法が定める「課税所得」に課税されます。

2.法人住民税の法人税割

法人税額にリンクする住民税です。

3.法人事業税

法人の事業所得に対して地方自治体(都道府県)が課す税金です。

収益事業とそれ以外の事業の「経理区分」が必要になる

経費をどう分けるか?

収益事業と収益事業以外が併存するNPO法人では、両者の経理を区分して行う必要性が生じます。
ポイントは「経費」です。例えば、交通費はどちらのために使ったのかを明確に分けることができるでしょう。しかし、事務所の家賃や光熱費のように、それが困難なものも多くあります。そうした経費(共通経費)については、客観的な区分基準を用いて、次のように処理することになります。

共通経費の具体的な分け方

人件費(報酬、給料、賃金、賞与、退職金など)

収益事業と収益事業以外の従事割合(人員の割合)で配分します。

福利厚生費、事務用消耗品費など

同じく従事割合で配分します。

建物関連費用(地代家賃、減価償却費、火災保険料、修繕費、固定資産税など)

使用割合または面積割合で配分します。

暖房費、冷房費など

面積割合または容積割合で配分します。

機械工具、器具備品、車両運搬具などの減価償却費

使用割合で配分します。

借入金の利子

収益事業と収益事業以外に係る帳簿価額(借入金残高)の比率で配分します。

その他の費用(個別的な基準が適用し難いもの)

収益事業と収益事業以外の収入金額の比率で配分します。

NPO法人の経理を円滑に行うには?

NPO法人向けの会計ソフトを使おう

このように、NPO法人の会計においては、収益事業とそれ以外を区分した損益計算が必要になります。また、株式会社の決算レポートは賃借対照表と損益計算書が中心になるのに対し、NPO法人の場合は毎年、活動計算書や財産目録などの提出を求められます。「決算報告書」の様式自体も違うのです。
そうしたことから、一般的な企業会計に使われる会計ソフトでは対応が難しく、別途提出書類を作成するといった作業も発生します。会計ソフトを導入する場合には、以下のようなNPO法人向けの専用会計ソフトを選ぶ必要があるでしょう。

NPO法人向けの会計ソフト例

  • freee(freee株式会社)
  • 会計王20 NPO法人スタイル(ソリマチ株式会社)
  • ee-会計ソフト(NPO会計支援センター)

事業に集中するために税理士に依頼するのがおすすめ

繰り返しになりますが、公益性の高いNPO法人には、会計にも透明性が求められており、“素人”が問題なくこなすにはハードルの高い作業になります。
社会貢献の事業に集中するために、その部分を会計税務のプロである税理士に任せるのも一つの方法です。依頼する場合には、NPO法人の会計に詳しく、サポートの経験を持つ事務所を選ぶようにしましょう。

NPO法人は税理士に依頼するのがおすすめ

NPO法人の会計は、経理処理が一般の法人とは異なり、高い透明性なども求められます。その仕組みに詳しい税理士にサポートを依頼すれば、安心して事業に専念することができるでしょう。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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