個人事業主は税理士に依頼するべき?
そのメリットとデメリットを徹底解説

個人事業主は税理士に依頼するべき?  そのメリットとデメリットを徹底解説
 公開日:
2019/07/31
 最終更新日:
2019/08/16
 
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個人事業主は毎年、確定申告を行い、申告と納税をする必要があります。また、白色申告であれ青色申告であれ、帳簿付けをする必要があります。そこで気になるのが、税理士に申告などを依頼すべきかということでしょう。ここでは、どのような場合に税理士に依頼すべきか、そのメリットやデメリットは何かを解説します。

税理士の仕事とは

税理士に依頼をするかどうかを考える際には、まず、税理士がどのような仕事をしているのかを知っておく必要があります。実は、税理士には税理士しかできない仕事があります。これを「独占業務」といいます。税理士の独占業務には、税理士法で次の3つが定められています。

税務書類の作成

多くの人が、税理士の仕事として思い浮かべるのが、税務書類の作成でしょう。税務書類の作成とは、その名の通り、税務署や市役所などの各自治体に提出する税務の申告書や届出書などを作成することです。

 

原則、税務申告書や届出関係の書類は、個人事業主本人が作成することになっています。しかし、その記載内容や税金の計算などには、特別な知識が必要で、個人事業主本人ではなかなか作成が難しいことが多くあるため、税理士が個人事業主に代わって作成することが認められています。

税務代理

税務書類の作成と関係が深い業務が税務代理です。税務代理とは、簡単にいうと、税金の申告や申請・届け出を企業に代わって税務署や市役所などの各自治体に行うことをいいます。実は、税務代理の範囲は幅広く、税務調査への立ち会い、税務署等の決定などへの不服申し立てなどの業務も含まれます。

税務相談

税務相談とは、税務書類等の作成に対する、その個人事業主ごとの「具体的な」相談のことです。銀行や証券会社などで、一般的な税務の話をしていることがありますが、一般的な話については、税務相談には該当しません。そのため、具体的な税務の話になると、税理士に相談ということになります。

税理士に依頼するメリットとデメリット

では、上記の税理士の独占業務を踏まえ、税理士に依頼するメリットとデメリットを見ていきましょう。

税理士に依頼するメリット

税理士に依頼するメリットには、次のようなものがあります。

①税金の計算や帳簿付けの正確性の担保

個人事業主が税理士に依頼するメリットの中で、最も大きなものの1つが、税金の計算や帳簿付けの正確性の担保です。確定申告で個人事業主が不安に思うことの多くが、税金の計算が正しくできているかということでしょう。後で、税務署から指摘を受けることや、延滞税などのペナルティを支払う不安があります。

 

また、白色申告であれ、青色申告であれ帳簿付けをしなければなりません。特に青色申告の場合は、一定のルールに従った正しい帳簿付けなどをする必要があります。税理士に依頼すれば税金の計算や帳簿付けの正確性を担保できるので、その心配をする必要がなくなります。

②本業に専念できる

確定申告時期が近づくと、急いで領収書を整理したり、帳簿付けをするといった個人事業主の人も少なくないでしょう。その場合、多くの手間がかかり、本業がおろそかになることもあります。また、事業が大きくなればなるほど、普段からの帳簿付けが必要となり、その時間が本業に影響を与えることや、本業が忙しくて、帳簿付けなどに手を回せないことも多くあります。税理士に依頼すれば、代わりに帳簿付けなどの業務を行うので、本業に専念できます。

③資金繰りの相談もできる

意外かもしれませんが、税理士には資金繰りの相談もできます。ここでいう資金繰りの相談とは、金融機関からの融資や自治体などの補助金の手続きの相談のことです。金融機関からの融資や自治体などの補助金を受けるためには、さまざまな書類を用意する必要があります。

 

その中には事業計画書や直近の試算表など、会計業務に付随する書類も多くあります。これらの書類は、専門知識がないと作成できないものも多く、1人で作成するのは困難です。税理士に依頼すれば、これらの書類を作成してくれるので、金融機関からの融資や自治体などの補助金の手続きがスムーズにできます。

税理士に依頼するデメリット

次に、税理士に依頼するデメリットを見ていきましょう。税理士に依頼するデメリットは、費用面です。税理士報酬は大きく分けて顧問料と決算料(税務書類の作成報酬)の2つに分かれます。顧問料は顧問契約を結んだことに対する報酬で、通常、毎月支払います。決算料は決算書や申告書などを作成することへの報酬で、通常、年1回支払います。

今は、すべての税理士に適用される税理士報酬規程がないため、税理士によって税理士報酬は異なります。

税理士に依頼するタイミング

では、個人事業主の場合、いつ税理士に依頼すれば良いのでしょうか。それは、税理士に求める内容によって異なります。

日々の事業の状況を確認したい

事業がある程度大きくなって、毎月の利益をきちんと把握したい場合や、経営状況が芳しくなくその原因を知りたい場合などは、1年を通して、税理士に帳簿付けなどを依頼します。毎月、税理士からアドバイスを受けることができるので、経営改善に役立ちます。

正しい確定申告に重点を置きたい

毎月の帳簿付けを自分で行える場合や、事業規模がそこまで大きくない場合などで、正しい確定申告に重点を置きたいときは、確定申告時のみ税理士に申告を依頼するということも可能です。ただし、取引数が多い場合で、確定申告時期だけでは、正しい帳簿付けが難しい場合は、税理士から1年を通して、または数か月に1度の依頼などを求められる場合もあります。

これから開業を目指す場合

これから開業を目指す場合は、最初から税理士に依頼した方が良いでしょう。開業時には、税務署などにさまざまな書類を提出します。開業時の書類には提出期限があり、その期限を過ぎると、青色申告など有利な特例を受けらません。また、補助金の申請などを受ける場合もあります。そのため、開業時から、税理士に依頼した方が良いでしょう。

売上がいくらになったら税理士が必要?

もう1つ、個人事業主が税理士に依頼するタイミングとして、一般的には「年間売上高が1,000万円を超えたとき」と言われています。

理由としては、

  • 経理業務の増加
  • 支払う税金の増加
  • 消費税の確定申告
  • 税務調査リスク

があります。
その中でも、特に注目したいのが「消費税の確定申告」です。

消費税の課税事業者とは

消費税の課税事業者であるかどうかは、その2年前の売上高が1,000万円を超えたかどうかで判定します(※)。消費税の課税事業者になった場合、消費税の納税額を自分で計算し、消費税の確定申告をしなければなりません。
ただ、消費税の確定申告書を作成するには消費税法の知識が必要で、自分で申告しようとすると大変な手間がかかります。そのため、税理士に依頼する個人事業主が多い、というわけです。

※場合によっては異なります。

また、売上高が1,000万円にもなると、税務調査が入る可能性も上がります。
税務調査に1人で対応するのは中々心細いもの。税務調査の連絡が来てから税理士に依頼する個人事業主も少なくありません。

勿論、年間売上高が1,000万円以下でも、税理士に依頼している方はいます。自身の現在の状況と照らし合わせて、税理士に依頼した方がいいか、検討してみましょう。

税理士に依頼したときの顧問料の相場

税理士に依頼する場合に支払う料金(税理士顧問料)は、おおまかに「年商・年間売上高」と「訪問回数」によって決まります。

年商500万円未満の場合

年商500万円未満の個人事業主の場合、確定申告の時だけ依頼するケース(スポット契約)がほとんどです。その場合、顧問料は大体70,000円~80,000円/年が適正価格です。

年商500万円以上1,000万円未満の場合

年商500万円以上から、確定申告時のみだけでなく、年間を通して税理士とお付き合いをする方が増え始めます。

3-4ヶ月に1回関与する場合

年商500万円以上1,000万円未満の方が顧問契約を結ぶ場合、訪問回数は「3-4ヶ月に1回」が平均です。顧問料は10,000円~/月が適正価格です。

確定申告時のみの場合

年商500万円以上1,000万円未満の方が確定申告の時だけ依頼する場合、顧問料は100,000円~/年が適正価格です。

年商1,000万円以上3,000万円未満の場合

2ヶ月に1回関与する場合

年商1,000万円以上3,000万円未満の方が顧問契約を結び、訪問回数を2ヶ月に1回にした場合、顧問料は20,000円~/月が適正価格です。

3-4ヶ月に1回関与する場合

年商1,000万円以上3,000万円未満の方が顧問契約を結び、訪問回数を3-4ヶ月に1回にした場合、顧問料は15,000円~/月が適正価格です。

確定申告時のみの場合

年商1,000万円以上3,000万円未満の方が確定申告の時だけ依頼する場合、顧問料は150,000円~/年が適正価格です。

年商3,000万円以上5,000万円未満の場合

年商3,000万円以上の場合は、確定申告時のみだけでなく、税理士と顧問契約を結び、年間を通してお付き合いをされることをおすすめします。

毎月1回関与する場合

年商3,000万円以上5,000万円未満の方が顧問契約を結び、訪問回数を毎月1回にした場合、顧問料は25,000円~/月が適正価格です。

2ヶ月に1回関与する場合

年商3,000万円以上5,000万円未満の方が顧問契約を結び、訪問回数を2ヶ月に1回にした場合、顧問料は20,000円~/月が適正価格です。

3-4ヶ月に1回関与する場合

年商3,000万円以上5,000万円未満の方が顧問契約を結び、訪問回数を3-4ヶ月に1回にした場合、顧問料は15,000円~/月が適正価格です。

年商5,000万円以上1億円未満の場合

毎月1回関与する場合

年商5,000万円以上1億円未満の方が顧問契約を結び、訪問回数を毎月1回にした場合、訪問回数をにした場合、顧問料は30,000円~/月が適正価格です。

2ヶ月に1回関与する場合

年商5,000万円以上1億円未満の方が顧問契約を結を結び、訪問回数を2ヶ月に1回にした場合、顧問料は25,000円~/月が適正価格です。

3-4ヶ月に1回関与する場合

年商5,000万円以上1億円未満の方が顧問契約を結び、訪問回数を3-4ヶ月に1回にした場合、顧問料は20,000円~/月が適正価格です。

年商1億円以上の場合

年商1億円以上の場合、顧問料は30,000円~/月かかります(訪問回数は毎月1回が多いですが、税理士と相談されることをおすすめします)。

税理士に依頼する際の注意点

良い税理士の見極め方とは

いざ、税理士に依頼しようとなると、どの税理士にすればよいか迷います。できれば良い税理士に依頼したいと思うでしょう。良い税理士である要件には次のようなことが挙げられます。

①上から目線でない

良い税理士の要件の1つが長く付き合えることです。長く付き合うためには、信頼関係が必要ですが、上から目線でものを言う税理士では、長く付き合うことができません。

まずは、税理士の物言いなどから、長く付き合える税理士かどうかを判断しましょう。

②税務申告以外の相談ができる

税理士の独占業務は、どちらかというと、税務申告についての仕事となります。しかし、良い税理士は、税金の計算などの税務申告以外の相談も受けてくれます。その代表的なものが、経営状況に対する相談です。例えば、利益を伸ばすためには、売上を伸ばした方が良いのか、経費を削減すべきなのか。経費を削減すべきなら、どの経費が多いのかなど、を提案してくれる税理士は、良い税理士といえるでしょう。

③日々勉強している

税に関する法律は、毎年のように変化しています。その変化に対応しようとするならば、日々の勉強が必要不可欠です。そのため常に勉強している税理士は、良い税理士といえるでしょう。

まとめ

確定申告は、原則、納税者自らが行うことになっています。そのため、必ず税理士に依頼しなければならないということはありません。しかし、税理士に依頼すると、正しい申告ができるなどのさまざまなメリットがあります。まずは、自分にとって税理士が必要かどうかを見極め、必要であれば、できるだけ早く、税理士に依頼するようにしましょう。

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