税理士で失敗しないために!自社にぴったりな税理士を選ぶためのポイントを解説

税理士で失敗しないために!自社にぴったりな税理士を選ぶためのポイントを解説
公開日:
2019/04/03
最終更新日:
2022/08/18
 
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税理士は会社の経営に関わる重要な役割を担っており、短期間で変えることはほとんどありません。しかし自社に合った税理士選びは難しいもの。本記事では税理士の選び方を解説します。

税理士の役割

税理士の業務は、税理士法第2条において次のように定義されています。

  • 税務代理:税金の申請を本人に代わって申告すること。
  • 税務書類の作成:税務署に提出する書類の作成。
  • 税務相談:税務に関わる個々の相談に対して回答をすること。

これらの業務は、有償・無償にかかわらず税理士資格を所有するものしかできない独占業務とされています。

ところが近年のインターネットや会計ソフトの普及により、税理士の役割も大きく変化しています。以前は記帳代行や決算書作成が税理士の主な仕事であり、「会計や税金は税理士に任せるもの」という認識を持つ経営者の方も多くおられました。しかし今では、簿記の知識がまったくない人でも会計ソフトがあれば簡単に帳簿や決算書まで作成できます。また、インターネット上には毎年変わる税制に関する記事や、日常取引の仕訳に関する情報があふれており、税理士に相談しなくても自己解決できるようになっています。

こういった今の時代に税理士が果たすべき最大の役割とは、経営者の良きアドバイザーとして、これまで作成してきた税務書類をもとに、経営者の方と一緒に会社の問題を追求し、業績を伸ばすことです。税理士は会社の税務を代行することによって経営者と同様、あるいはそれ以上に経営状況を把握しています。そうして得られた情報を経営者に伝え、早期に問題提起することで、健全な経営計画を立てることができるようになります。これこそが現代に求められる税理士の役割ではないでしょうか。

税理士を経営のアドバイザーとするメリット

経営相談ができる

経営者が日頃抱えている悩みや問題を税理士に相談することができます。お金の問題は社員や家族などにはなかなか相談しづらいものですが、税理士はプロフェッショナルとしてこれまで多くの経営者と様々な問題を解決してきた経験がありますので、適格なアドバイスができます。

節税効果が期待できる

税理士は、会社のお金を上手く活かすための、節税に関するノウハウを多く持っています。

経営に専念できる

日常の記帳作業や社員の毎月の給与計算、年末調整なども税理士に一任することで、経営に専念することができます。
これらの他にも、正しい税務申告をおこなったり、税務調査に対応したりといったことも税理士の重要な役割です。その一方で、税理士選びに失敗すると会社にとって損失となることがあります。

“良い税理士”の特徴は?

親身に対応してくれる

経営者として、自分の会社を守り、成長させようと思ったら、できるだけクライアントのニーズを先取りし、それに応えようと必死になるのではないでしょうか。
税理士もそれと同じです。税理士は”サービス業”ですから、一言でいうと「どれだけ親身になって対応してくれるか」が評価の基準になります。
税務申告を間違いなくこなすだけではなく、会社の業績向上に寄与するため、クライアントの疑問や悩みに真摯に向き合い、本人の気付かない経営課題などがあれば的確に指摘して、解決に導いてくれる。そういうスタンスの税理士を選ぶようにしましょう。

経験や知識がある

会社の経営状態などは千差万別で、的確なサポートを行うというのは、いわば「応用問題」を解くようなものです。正解を導くためには、ある程度の場数を踏んで、経験を蓄積していることが求められます。
加えて、「よく勉強している」ことが重要です。法人税など、クライアントに関連する分野に関して、しっかりした知識を持っているだけでは足りません。世の中の動き、国の経済状況などを反映して、税法は猫の目のように変わります。中小企業向けの助成金などが新設されたり、受給条件に変更があったりといったことも、しばしばあります。
こうした外の動きにアンテナを張り、常に情報をアップデートしている税理士ならば任せて安心ですが、逆にそういうプロでないと思わぬ不利益を被るかもしれません。

顧問料が明瞭・適正である

税理士の顧問料には相場がありますが、具体的な金額は税理士事務所ごとに違います。例えば税務申告だけを頼むのか、経営コンサルタントの機能も求めるのか、といった依頼する仕事の中身によっても差が出ます。まずは、「してもらえること」と、それに対応する料金が明確になっているかどうかが重要なポイントです。その上で相場に照らして、顧問料が高すぎないかどうかをチェックします。

かといって、料金は安ければいいというものではありません。中には、低価格を売りにして、薄利多売で稼ごうという事務所もあるためです。そういう税理士に「親身の対応」を求めても、応えてもらえない可能性が高いでしょう。
また、安い「基本料金」につられて契約したら、オプションなどの追加料金を請求されて、結果的に高くついた、といったことも起こり得ますから、契約前によく確認しておくことが重要です。

必要に応じて最適なサービスを提供してくれる

会社ごと・経営者ごとに、税理士に求めるものは違います。そうしたニーズをくみ取って、過不足なく対応してくれるのが“良い税理士”でしょう。例えば、適切な節税策の実行をお願いしたのに、十分な結果を出せないのでは、プロとはいえません。
逆に、会計や税務だけ完璧にやってくれればいいと考えているのに、経営についてあれこれ口を出してくるというのも、「最適なサービスの提供」とはいえないでしょう。少しでも多くの報酬を得るために不要なサービスを提案する税理士もいますから、やはり注意が必要です。

税理士選びの失敗例

税理士選びは、経営における良きパートナーを選ぶことにほかなりません。
税理士との関係は一度契約すると長期にわたることが一般的ですので、失敗しない税理士選びがとても重要です。よくある失敗例として、以下のようなものがあります。

  • 顧問料が高い
  • 上から目線で経営を指導してくる
  • 当社の業界を全く理解していない
  • 税務調査の際に税務署寄りの態度をとる
  • 訪問してくれない
  • 知り合いの紹介だったので断れなかった

このような失敗をしないためにも、税理士の選定は慎重に行う必要がありますが、ひとりでは判断に迷うこともあるでしょう。次章からは税理士を探す方法やそれぞれのメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

税理士を探す方法

税理士を探すには様々な方法があります。それぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

インターネットを利用して探す

メリット
  • 自社の住所に近い税理士を探すことができる
  • 費用がかからない
デメリット
  • 候補となる税理士に直接交渉しなければならない
  • 客観的判断がなく選択が難しい

知人の紹介

メリット
  • 探す手間が省ける
  • 紹介者の信用上、真摯に対応してくれる
デメリット
  • 断りづらい
  • 自社に合うかどうかわからない

税理士紹介サービスを使う

メリット
  • 業種に合わせた税理士を選べる
  • 客観的な意見が聞ける
  • 条件や人柄など自分に合った税理士を相談しながら選べる
デメリット
  • 紹介サービスそのものの質が問われる

以上のように、それぞれの方法にメリットとデメリットがありますが、大切なことは「経営の良きアドバイザー」を選ぶということです。税理士としての能力はもちろんのこと、条件に合う税理士か、人として信頼できるのかということも見極めることが重要なポイントとなります。

税理士の選び方

次に、税理士選びにおけるポイントを見ていきましょう。

相性が良いか

税理士を選ぶ上で最も重要なポイントが相性です。いくら税理士として長年の経験があって知識が幅広くても、相性が合わなければ話をするのも苦痛になり、会社を成長させていくのは困難になるでしょう。
相性を確かめるには、実際に会って話をするのが一番です。1時間ほど話をすれば相性が合うかが判断できるでしょう。税理士は経営者の良きパートナーとなるべき人です。自分勝手な話ばかりする税理士ではなく、こちらの話を一生懸命になって聞こうとする税理士を選ぶようにしましょう。

レスポンスが早いか

こちらから税務や経営の疑問を投げかけたとき、返事が早ければ早いほど経営者は安堵します。税理士は顧客が不安にならないように配慮するべきです。不明なことでも放っておかず「調べて折り返します」とすぐに返事をするのが社会人としてのマナーであり、良い税理士としての条件です。

偉そうな態度を取っていないか

税理士経験が長いと、顧客から「先生」と呼ばれることが多くなります。経営者にアドバイスしているつもりが、ただの自慢話だったり頭ごなしの指摘だったりということが多々あります。経営者に寄り添って悩みや不安を一緒に解決してくれる税理士を選ぶようにしましょう。

業界を理解しているか

建設業、飲食業、IT業など、各業界にはそれぞれの特徴がありますので、自社の業界に詳しい税理士を選ぶことが重要です。同業他社を多く抱える税理士はその業界に精通していると言えます。

税務調査の際に、経営者の味方になってくれるか

税務調査が入ったとき、なかには税務署寄りの態度を取る税理士がいます。しかし、税理士は税務署の指摘に対してきちんと根拠を示し、経営者の味方でいなくてはなりません。
税理士を選ぶ際のポイントとして正確な判断が難しくはありますが、担当する会社が税務調査を受けた経験の有無と、その際の様子を面談の時に聞いておくと良いでしょう。

依頼したい業務の経験が豊富か

例えば、経営コンサルタント的な立場からのアドバイスが欲しい場合、その分野のサービスを始めてからまだ日が浅いというのでは多少不安があるかもしれません。節税などについても、経験の有無がものをいいます。税理士個人や事務所の経験や実績も、契約前にしっかりチェックしたい項目の1つです。

自社と同じ地域・近い地域の税理士か

足繁く面談に通ってもらったり、電話やメールでは不十分な事態が発生した場合に、すぐに来てもらうことができたりするよう、できるだけ会社の近くの税理士事務所を選びましょう。地域に根差した事業を営んでいる場合には、仕事につながるさまざまな情報を提供してもらえる可能性もあります。

誰が自社を担当してくれるのか

複数のスタッフを抱える事務所に依頼する場合には、自社を担当してくれるのが所長か・若い税理士か・税理士資格を持たない所員なのか、というのも重要なポイントになります。必ずしも税理士は○でスタッフは×というわけではないのですが、どんなに実績のある事務所に依頼したとしても、担当者から迅速で的確なアドバイスをもらえないと、頼んだ意味は半減してしまいます。契約の際には、「誰が担当者になるのか、その担当者がどんな人なのか」を必ず確認するようにしましょう。

税理士事務所の規模は?

スタッフが10名を超えるような中規模~大規模の事務所や税理士法人などの場合には、先述のような「経験のある税理士に担当してもらえない」という問題が起こり得ます。
一方で小規模事務所に依頼すれば、直接所長などに見てもらえる可能性は高まりますが、多忙になっても「代役」がおらず、レスポンスが遅くなるといったリスクもあります。担当者が病気などで仕事ができなくなったり、亡くなったりすれば、自社のことをまったく知らない税理士に、一から依頼しなければなりません。特に相続や事業承継対策など、長期にわたる仕事を依頼する時には、注意が必要かもしれません。

訪問回数はどれくらい?

担当者がどのくらいの頻度(例えば毎月1回など)で会社を訪問して、帳簿のチェックや相談などに対応してくれるのかも、契約時によく確認しまよう。訪問を希望しているのに、対応してもらえないのは論外です。一方、会社の状況によっては、「訪問は半年に1度で十分」というようなケースもあるでしょう。「その分、顧問料を減額してほしい」といった交渉が可能な場合もあります。

やりとりの方法は?

例えば、電話やメールだけでなく、チャットツールなども使いたい場合には、それに対応しているかを確認します。反対に、税理士の側がそうしたツールの利用を推奨していることもあります。

万一の場合の対応方針は?

会社を経営していれば、土日や年末年始などに、一刻も早く顧問税理士の判断を仰ぎたい事態が発生する可能性があります。そういう場合に最低限電話などでの対応に応じてもらえるのかどうかも、大事なポイントです。また、万が一に税務署の税務調査の対象になった場合の対応などについても、しっかり確認しておきましょう。

契約に際しての注意点

最後に、契約に際しての注意点を述べておきましょう。

  • 契約前に必ず「顔合わせ」をして、相性などを自分の目で確かめる。
  • 税理士にしてほしいこと(業務の範囲、訪問回数など)をあらかじめ明確にしておく。
  • 前記「税理士の選び方」を参考に、疑問点などは細かく確認、チェックする。
  • できれば、2ヵ所以上の事務所の話を聞き、比較検討する。

失敗しないためのポイントは?

税理士選びに失敗しないためには、相性がよい、レスポンスが早いなどのいくつかのポイントがあることを確認しました。
その上で、さらに自分に合う税理士を見極めるために大切なことは「税理士は経営の良きアドバイザーでありパートナーである」ということを忘れないことです。
税理士を単なる記帳代行、決算書作成業務に使うだけでなく、こちらから臆することなく疑問を提示し、経営上の問題点を一緒に解決して会社を大きく育てていくための存在だということを認識しておきましょう。

まとめ

今回は税理士選びに失敗しない方法を述べてきました。経営者は経営の問題を誰にも相談できずに抱えて孤独になりがちです。上記で解説した方法で経営アドバイザーとしての税理士を選び、味方につけて一緒に問題を解決しましょう。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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