税務調査に強い税理士とは?
税務署から連絡が来た後でも依頼できる?

税務調査に強い税理士とは?   税務署から連絡が来た後でも依頼できる?
公開日:
2019/05/15
最終更新日:
2024/02/13
 
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きちんと申告をして税金も払ったのに、税務署から「調査に入ります」と連絡が来た。こんなとき、どう対処したらいいのでしょうか?そもそも調査はどんなふうに行われ、結果はどうなるの?税理士さんなら、みんな完璧に対応してくれる?
疑問だらけの「税務調査」について、わかりやすく解説します。

税務調査に強い税理士とは?

「税務署の言いなり」の税理士もいる

気を付けなければならないのは、今もお話ししたように、すべての税理士が税務調査の対応に長けているわけではない、という事実です。顧問税理士の切り替えを考える理由として、「税務調査のときに税務署の言いなりで、ぜんぜん力になってくれなかった」という不満がよく挙げられることでも、それは明らかです。

税務調査に強い税理士の特徴

税務署と向き合って、納税者の利益が損なわれないように戦うためには、税法などの知識はもちろん、それなりの経験が要ります。調査官の理解が薄い業界環境や商習慣などに精通している、といった“深さ”を併せ持っていれば理想的でしょう。要するに、税務署のやり方を熟知していて、彼らとの妥協点を見つける方法も知っている。そんな、本当の意味で「税務調査に強い税理士」に依頼したいものです。

例えば、次のような税理士に頼めば安心です。

税務調査対応の経験がある

まず重要なのは、税務調査対応の経験があるという点です。逆に言えば、税理士でも、税務調査を経験したことがない先生もいるのです。経験・実績のある税理士、事務所に依頼するようにしましょう。

調査前に準備をしっかり行う

税務調査に入られれば、誰しも緊張するものです。「この領収書は何ですか?」と想定外の質問をされれば、動揺して調査官のペースにはめられてしまうかもしれません。税務調査に強い税理士は、事前に想定される質問などについてシミュレーションを行ってくれますから、安心して調査に臨むことができます。

税務署のやり方を熟知している

さきほども述べたように、税務署は調査で少しでも多くの成果(追徴課税)を得ようとします。そのために、できるだけ調査の幅を広げようとしたりするのですが、税務調査に強い税理士ならば、調査の「入り口」で訪問目的をしっかり聞いてくれます。そうすることで、目的以外の調査はできなくなるでしょう。このような税理士には、調査官も「しっかりしているから、申告に大きなミスなどはなさそうだ」という印象を持つはずです。このように、税務署から一目置かれる税理士を選ぶのがベストです。

当日、毅然とした態度で対応してくれる

今では少なくなりましたが、中には居丈高だったり横柄な態度を取ったりする調査官もいます。そのようなときに萎縮したり、反対に感情的になったりすれば、プラスになることはないでしょう。税務調査は犯罪の取り調べではありません。納税者に対して不当な対応をする調査官に対しては、毅然とものを言う税理士を選ぶようにしたいものです。

もちろん、新たに税理士を雇うことで、コストが発生します。その点は、さきほど述べたペナルティのリスクも含め、支払う税額をどれだけ下げられる可能性があるか、何よりも安心して税務調査に臨めるか、といったファクターとの比較検討ということになるでしょう。ただし、そうした話も、税務調査に知識と経験を持つ税理士を見つけることが大前提になります。

そもそも税務調査とは?

税務調査は任意である

税務調査と聞くと、ドラマや映画の「マルサ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。あれは、国税局査察部が行う強制調査です。多額の脱税が疑われる会社などに対して、その証拠固めのために行われるもので、その場で調査を拒んだりすることはできません。
これに対して、多くの事業者の経験するのが、税務署の行う一般調査。これは任意調査ですから、理論上は拒否することも可能なのです。ただ、税務署は税法に基づいた調査権限を持っていて、正当な理由のない調査拒否には罰則規定もあることを、頭に入れておいてください。

税務調査は何のために行われる?

法人税や所得税などは、納税者が納税額を計算して申告する「申告納税制度」が適用されています。その申告が事実に基づき正しく行われたものかどうかを確認するのが、税務調査の目的です。もしこの仕組みがなければ、脱税が多発し、真面目な納税者がバカを見る状況が生まれるかもしれません。そうなれば、「税の公平性」は失われ、申告納税制度自体が維持できなくなってしまいます。
そのようなことにならないよう、税務署は必要に応じて調査を行い、脱税や税務上の誤りが発見された場合には追徴課税を行います。逆に言えば、正しい申告をしている限り、税務調査を恐れる必要はありません。

税務調査の流れは?

一般調査では、強制調査のように調査官が突然やってくるということは、基本的にありません。税理士に税務申告を依頼している場合には、税務署からまずその税理士に連絡が入るのが普通です。その流れを簡単に示しておきましょう。


税務署から調査の連絡が入る
調査の日程調整を行う

税務調査
(通常2~3日、過去3期分くらいの帳簿などを調べる)

税務署から「申告に誤りがある」などの指摘
↓ 
納得できる場合は修正申告→納税
納得できない場合は税務署と協議→税務署の更正→納税

更正とは、税務署が強制的に不足額を決定することです。これに納得がいかない場合には、その決定に異議を申し立てて、国税不服審判所(※)の裁決を仰ぎ、さらには訴訟を提起して争うことができます。
もちろん、税務調査の結果、当初の申告に問題はなかったという「申告是認」になることもあります。税務署との協議で、指摘された事項の一部だけを認めて修正申告することで決着する、といったこともありえるのです。

一方、足りなかった税金を支払う際には、自ら修正申告する場合でも更正でも、過少申告加算税や、悪質な税逃れの場合にかけられる重加算税などのペナルティが別途課せられることになります。本来の納付期限から遅れたぶんの延滞税も覚悟しなくてはなりません。

※国税不服審判所:税務署や国税局などの執行機関から分離された別個の機関として、国税に関する法律に基づく処分に対する審査請求について採決を行う機関。

税務調査に入られやすいケースとは?

確定申告をしていない

個人事業主には、確定申告をしていない、すなわち“無申告”の人がいます。「そもそも申告していなければ、税務調査に入りようがないだろう」と思うかもしれませんが、それは早計です。意図的な無申告は「より悪質な事案」とみなされていますので、税務署側もITなども駆使して実態の把握に力を入れています。たまたま取引先の会社に税務調査が入り、その書類からあぶり出されるようなこともあります。
「去年も一昨年もお咎めなしだった」からといって、安心はできません。税務署は、無申告の事実をつかみながら、数年後にやってくることもあります。税務調査になった場合、無申告加算税のほかに延滞税が課せられます。税率は年14.6%(納期限の翌日から2月を経過した日以後)で、無申告期間が長いほどペナルティの金額が膨らみます。
なお、報酬の受取に際して、取引先で源泉徴収(所得税の天引き)されている場合、税務署から払い過ぎた分の還付を受けることができます。確定申告しなければ、「払い過ぎ」のままです(住民税は別です)。

売上が急速に伸びた

売上が伸びた=事業規模が拡大したということは、それだけ取引先の数が増え、仕入額も経費も大きくなっているでしょう。領収書や請求書の枚数も増えます。新たに人を雇っているかもしれません。そのぶん、申告を間違える可能性は高まるし、「所得隠し」などを行う余地も大きくなる――。少なくとも、税務署はそのように考えます。
売上増は喜ばしいことですが、税務署の視線は厳しくなるということを自覚しておきましょう。

売上や経費の数字に不審な点がある

当然のことながら、税務署が申告内容に不審を感じれば、税務調査の可能性が高まります。無申告同様、「売上の一部を隠しても見つからないだろう」と考えるのは間違いです。同じ規模の同業と比べて売上が過少だったりすれば、「調べる必要がある」ということになるでしょう。取引先が税務署に支払調書を提出していれば、そこから売上高が捕捉されます。
申告の数字で特に問題になるのが、必要経費です。経費にできないものを計上して所得を圧縮してはいないか、税務署は目を光らせています。個人事業主の場合、仕事とプライベートの区別が難しい出費に要注意。例えば、自宅で仕事をしている場合の家賃や、携帯などの通信費を全額経費で落とすことはできません。事業に関係のない接待費や交通費が突出していたりすると、やはり目をつけられやすくなります。

税務調査に入られたら税理士に相談しよう

税務調査で税理士をつけるべき理由

調査官をいたずらに敵視する態度を取るのは、得策ではない。だからといって、過度に恐れたり、言いなりになったりする必要はありません――。経験のある税理士は、そう言います。

例えば、先ほど「異議申し立て」の説明をしましたが、それができるのは、税務署側に更正をさせた場合。自分から修正申告したら、税務調査はそれで終了です。税務署も、いろいろとエネルギーを使う更正は、できればしたくない。あの手この手で修正申告を促し、場合によっては、納税者が作成すべき修正申告書を作ってきて、押印を迫るようなことまであるそうです。繰り返しますが、そこで「この場は、とりあえず判を押しておこう」という行動を取ると、そこから先はもう争えなくなってしまうのです。

でも、そんな知識を持つ人が、どれほどいるでしょうか? 税のプロである税務署と裸で渡り合うのは、素人には荷が重い。相手のペースにはめられて、払わなくてもいい税金を取られることになるかもしれません。

税務調査は税理士と乗り切ろう

もし税務調査になったら、やはり専門家の助けを借りるべきでしょう。顧問税理士がいるにもかかわらず、直接税務署員がやってきたりした場合には、「税理士さんが来るまで待ってください」という毅然とした態度で接するようにしましょう。
そもそも、うちには顧問税理士がいない。そんな場合には、税務調査にスポットで対応してくれる会計事務所がありますから、そこに依頼するという方法があります。あえて言えば、顧問税理士はいるけれど、税務調査の経験があまりないというようなケースでも、調査だけそうした事務所に対応してもらうことが可能です。

税理士不在で税務調査を迎えるリスクとは?

税理士のいない状態で税務調査を受けた場合にどうなるか、考えてみましょう。
税務署の調査官は、「税の専門家」です。そして、時間とコストをかけて調査に入った以上、できるだけ多くの金額を追徴しようと考えています。一方、一般の人に税の知識は乏しいでしょう。武装した相手に素手で立ち向かうようなもので、勝負は見えています。税務調査は法的な手続きに則って行われますが、知識がなければ“目の前の調査が合法か違法なのか”さえ判断できないため、そもそも勝負にならない…というのが、より正確でしょう。
さきほど説明した仕事とプライベートの区別が難しい経費のように、税には「グレーゾーン」があります。これらを軒並み「黒」にされた結果、個人事業主であったとしても、払わずに済んだ税金を何十万円も取られることが実際にあるのです。

税務調査で税理士をお探しの方へ

税務調査も、税理士選びがキーポイントになります。ただ、中には「税務調査もおまかせ」とうたいながら、ほとんど実績のない事務所もあるようですので、注意が必要です。事務所のホームページを精査するといったやり方のほか、多数の専門家が登録する税理士紹介会社を活用するのも1つの方法です。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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