顧問税理士と契約解除するには?
タイミングや注意点、引き継ぎのポイントを解説
顧問税理士と契約解除するには?  タイミングや注意点、引き継ぎのポイントを解説
最終更新日:
2019/8/16
 
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア

父親から事業を受け継いだのだけど、顧問税理士もそのまま。自分よりかなり年上で、感覚も違うし、フランクに相談もしにくい。かといって、先代と長い付き合いの人間に、正面切って「契約を解除します」とは、なかなか言いにくい…。そんな悩みを抱える社長も多いのではないでしょうか。
今回は、そうしたケースも含め、「税理士顧問契約の打ち切り方」について考えます。

顧問税理士に抱く不満とは?

会社の税務をそつなく処理してたくさん節税してくれて、ときには経営についての的確なアドバイスをしてもらえる――。顧問税理士を雇うなら、そんな役割を誰しも期待するでしょう。でも、すべての税理士がそのニーズに応えられるわけではないのが実情です。

現実には以下のような不満で、経営者が顧問の交代を検討するケースも少なくありません。

事務所の対応の悪さ

  • 税理士ではなく無資格(資格取得中)の担当者任せになっている
  • 税理士が上から目線で相談しにくい
  • メールや電話のレスポンスが遅い

サービス内容への不満

  • 税理士顧問料が高すぎる
  • 試算表を渡すだけで決算対策の助言がない
  • 業界知識が乏しく経営の相談に乗ってくれない
  • いまだに手書きで申告書を作成している

ただし、税理士の交代には、いろいろな意味で勇気も必要です。先代社長が雇い、長く会社に「貢献」してきた税理士の場合は、しがらみや情実が絡むだけに、なおさら。
どうしたらいいのでしょうか?

税理士交代で注意すべきポイントは?

本題に入る前に、そもそも顧問税理士を変えるのは「アリ」なのでしょうか?
答えは、もちろん「イエス」です。難しい手続などは不要で、基本的に「契約解除の意思を伝える」「預けていた書類を返却してもらう」「正式に契約を解除する」だけでいいのです。変更を税務署に届け出る必要もありません。

ただし、いくつか注意すべき点があります。

契約書の内容を確認しておく

解約の場合は何ヵ月前に申し出が必要、といった取り決めのある場合があります。違約金を請求されるかもしれません。決算期の途中で解約した場合の報酬がどうなっているかなども、契約解除の意思を伝える前に調べておきましょう。

預けていた書類を確実に返してもらう

顧問税理士には、決算書、仕訳帳、総勘定元帳、請求書や領収書など、会社のさまざまな重要書類を預けているはずです。これらは、解約手続きが完了する前に、すべて回収する必要があります。解約後では、「もう返したはずだ」といった事態が起こりかねないからです。

タイミングを間違えないようにする

顧問契約の解約は、基本的にいつでもできます。ただし、避けたほうが無難な時期はありますので、頭に入れておきましょう。

第1に、企業の決算前の時期。税務申告に向けて1年分の会計データの集計に入っているようなタイミングで税理士を解約、交代すると、節税対策に悪影響が出たり、申告でミスが起こったりというリスクが高まります。

第2に、税理士の繁忙期です。税理士が最も忙しいのは、3月15日を期限とする個人の確定申告と、それに続く全体の6割近くを占めるといわれる3月決算の会社の申告に関わる時期。具体的には11月~翌年5月です。この時期に解約の話を持ち出しても、さきほどの書類の返却などが後回しにされる可能性があります。できれば避けるのがベターといえるでしょう。

解除するか継続するか、「経営ファースト」で考えよう

それはわかった。とはいえ、今の顧問税理士を切るとなると、自分自身、相当のストレスを覚悟しなくてはならない――。
そういう場合に、課題をソフトランディングさせる方法の1つが、「欲しい役割を別の税理士に求める」ことです。

例えば、今の税理士には申告業務などの限られた仕事をやってもらい、経営に対するアドバイスなどは、新しい税理士に頼む。そうすれば、多くの不満は解消されるでしょう。
ただ、トータルの税理士報酬がアップすることを覚悟する必要はあります。

キレイに契約解除をするには?

一番すっきりするのは、やはり正面から契約解除の意思を示すこと。重要なのは、「何のために税理士を雇うのか」という原点に立ち返ることではないでしょうか。不満を抱えたまま雇い続けることは、経営にプラスを生まないどころか、デメリットになる危険性を孕んでいます。解約の理由は、「知人が税理士として独立したから」でもいいでしょう。経営のためには、心を鬼にするのが必要なこともあるし、「嘘も方便」と割り切るべきときもあると思うのです。

先代からの顧問税理士の解約は慎重に

先代からの顧問を解約する場合には、先代に理由も含めて説明して理解を得ておくのがいいでしょう。場合によっては、先代から話してもらう、解約の話に同席してもらう、といった方法が有効かもしれません。

「次の人」をきちんと決めておく

いくら今の税理士に不満があるからといっても、「切る」ことを優先して、顧問のいない「空白期間」が生まれたりするのは問題です。その時期にたまたま税務調査(※)に入られたりすると、困った事態になりかねません。契約解除を通告する前に、次の顧問税理士を決めておくことが大切です。

新しい税理士と契約する前に

わざわざ交代するのですから、「新しい税理士もハズレだった」という事態も避けなくてはなりません。顧問税理士の候補には、「税理士を変えたいと思った理由」「税務以外に求めるもの」などを具体的に話して、今度こそニーズを満たしてもらえるのか、しっかり見極めるようにしましょう。なるべく早くそうした税理士を探したいときには、信頼できる税理士紹介会社を利用するのも、1つの方法です。

※税務調査:国税局や税務署が、納税者の税務申告が正しいかどうかをチェックするために行う調査。任意調査と、国税局査察部が行う強制調査がある。

まとめ

顧問税理士を交代するのか・しないのかは、「経営第一」で判断を。新しい人を頼むときには、自分のニーズに見合ったスキルや人間性を備えた税理士なのかきちんとチェックしたうえで、納得感を持って顧問に就いてもらいましょう。

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
税理士無料紹介お問い合わせフリーダイヤル
電話番号