会社設立・起業の前に知っておくべき、税理士の正しい使い方

会社設立・起業の前に知っておくべき、税理士の正しい使い方
公開日:
2017/03/15
最終更新日:
2022/05/02
 
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企業の会計や税務など、様々な業務をサポートしてくれる「税理士」。事業を営むにあたり欠かせない存在ですが、会社設立したてあるいはこれから会社設立をしたい場合、まだ税理士を付けておらず“税理士が実際にどのような役割を担うかがよく分からない”という人も少なくないのではないでしょうか。
今回の記事では、税理士が行う仕事や、会社設立から事業承継まで各ステージに合わせた税理士のサービス活用方法、失敗しない税理士の選び方について、詳しく解説していきます。
税理士に何を依頼したいか?自社が必要とするのはどのような税理士なのか?判断する際にご活用ください。

税理士の仕事と役割

会社の税務や会計業務は、会社の規模が拡大していくにつれて次第に複雑化していきます。
これらの仕事に割かれる時間は本業へも影響するため、税務を代行してくれる税理士は必ず必要になります。税理士が主に担う役割は税理士法に明記されており、以下の3つは税理士資格を持つ者しかできない、独占業務と位置づけられています。

税務代理

確定申告や青色申告など、税金に関わる申告や申請の業務を代行する役割です。これに加えて税務調査への立会いや、税務署の決定への不服申立ても行うことができます。

税務書類の作成

確定申告や相続税申告書、青色申告承認書など、税務署に提出する書類の作成を代わって行います。一般的に、税務代理の業務の流れで行われることが多いです。

税務に関する相談対応

実際にかかる税額や有効な節税の方法といった税務に関わる相談がある際、税理士が相談に対応します。

以上の3つの独占業務に加えて、税理士は会社の経理や財務をサポートする目的で、多岐にわたるサポートを付随業務として行うことができます。以下で会社の成長に合わせた利用方法の変化について、説明していきます。

税理士の活用方法

会社設立時・起業時

「起業」とは、独立して「事業を起こす」ことを言います。会社(法人)を設立するのも、個人事業でスタートするのも「起業」です。

個人事業の場合は、開業時は売上も少なく、所得税の確定申告などは、会計ソフトを使って自分でやるという人も多いでしょう。確定申告の時期になると、税理士が無料相談会を開いたりしますから、そうした場を活用するのもお勧めです。

一方、会社を設立するとなると、個人事業主のように税務署に開業届を提出すればOK、というわけにはいきません。設立登記をはじめとするさまざまな手続きが必要になるうえ、例えば会社の基本的な事項を記す「定款」の中身が不十分だったりすれば、起業後の事業がスムーズに進まないような事態も起こり得ます。そんなことにならないよう、設立前から起業に詳しい税理士などのサポートを受けるのがおすすめです。「自社に合った先生だ」と感じれば、会社設立後も顧問税理士として契約を結ぶことも検討しましょう。
税理士の一番の役目は「節税」の実行です。会社設立間もない経営者が、税務申告直前に予想を超える納税額を聞かされて資金集めに苦労する、といった例は珍しくありません。そのようなことを防ぐためにも、節税や資金繰りに詳しく、適切なアドバイスをしてくれる税理士を選ぶ必要があります。

同時に、税理士の仕事は「税金まわり」だけではありません。例えば、会社設立において重要な事業計画は、金融機関へのアピールにもなる重要な書類でもあります。税理士は融資の獲得に有利となるような、事業計画の作成に関わる経営コンサルティング業務も行っていることもあります。会社設立時に、財務的な見通しを持った税理士に相談することは非常に有効だと言えるでしょう。

一方、これは起業後の以下の各ステージにも共通するのですが、税理士に仕事を依頼することには、次のようなデメリットもあります。

  • コストがかかる
  • 税理士によっては、適切な節税や経営に関するアドバイスをもらえないこともある

これらについては、後ほど詳しく述べます。

創業初期、急成長期

個人事業の場合は、売上1,000万円超というのが、税理士を頼む1つの目安になるでしょう。その水準からは消費税がかかってきますし、法人化(法人成り)も視野に入ってくるからです。
会社を設立したばかりの時期は、多くの場合で慣れない会計業務に苦心することとなります。そのような場合は、税理士に会計指導を依頼するのがいいでしょう。税理士は、会社の業務形態に適した会計処理や会計ソフトの選択などを丁寧に指導してくれます。

また、そもそも本業以外に時間を割きたくない、会計業務を税理士に委託したいという場合には、「記帳代行」という形で依頼することが可能です。毎月の領収書や請求書などの書類を税理士に渡せば、これらを整理して会計ソフトへの入力まで行ってもらえます。人手の足りない場合が多い創業初期には非常に便利で、人件費削減の観点からも有効と言えるでしょう。

事業が軌道に乗り、売上が増えて人も多く雇うようになると、税理士に依頼できることがらも増えてきます。

給与の計算

毎月の従業員給与の計算も、所得税法を熟知している税理士であれば代行してくれます。毎月の勤怠表を税理士に渡すだけで、面倒な源泉所得税や年末調整、社会保険料などを一括して計算してくれます。こういったプライベートな情報は信頼のおける税理士に委託することで、情報が意図せず外部に漏洩するリスクは低減されます。

節税対策

例えば、“自らが受け取る役員報酬を適正な水準にする”や“自社の事業拡大に結びつく宣伝広告費を増やして経費にする”など、税理士の持つノウハウを駆使することで、大きな節税効果が期待できます。先ほども述べたように、これらは経営に対するコンサルティング的なサポートと表裏一体です。そういったサポート力を持った税理士を選ぶべきでしょう。

安定成長期

安定成長期に税理士に依頼するメリットには、次のようなものがあります。

税務調査対策

「税務調査」は、申告内容に間違いがないかを税務署が調べる任意調査です(悪質な脱税に対する強制調査もあります)。その対象にならないように、税理士に適正な申告を依頼するのはもちろんですが、特に法人の場合は正しく申告を行っていても、調査に入られることがあります。任意調査には、税理士の同席が認められますが、対応を誤ると余計な税金を取られることもありますので、経験のある税理士のフォローを受けることが重要となります。

内部管理体制の見直し

経営が軌道に乗ってきたら、経営の合理化を図ることで業績の拡大を目指すことになるでしょう。そのために営業に力を注ぐことは重要ですが、一方で内部管理体制に不備があると、事業の足を引っ張ったり、思わぬ形で会社の信用を落としたりしかねません。内部管理体制は、株式を上場する際にも特に重要視されます。税理士は、それぞれの会社の業態に合わせた内部管理体制の改善に関して、コンサルティングサービスを行っている場合もあります。

事業再生

事業を行っている以上、過剰債務や業績悪化などが原因で資金繰りに行き詰るような可能性は、ゼロではありません。そんな場合でも、事業再生のサポートを行ってくれる税理士がいます。再生計画の立案から、業務の効率化を通じた会社の収益構造の見直し、事業再生後のフォローアップまでアドバイスをもらうことができます。

事業承継対策

会社がある程度成熟した場合、最終的には次世代へ会社をバトンタッチすること、すなわち事業承継を考えなくてはなりません。事業承継では、相続が発生した場合の相続税の試算や、事業承継税制のような制度の利用の検討などにおいて、専門知識のある税理士に相談することが、大きな助けとなります。

会社の役に立つ税理士の選び方

税理士に仕事を依頼するということは、会社のお金に関する情報を渡すということです。そのため、税理士を選ぶ際の基準としては、その人が信頼できるかどうかが最も重要です。会社設立時に、信頼できてかつスキルの高い税理士と出会うことができれば、間違いなく会社は費用以上の恩恵を得られるでしょう。

実は税理士の中には、依頼者が最も求める節税に消極的な人もいます。法律上、税理士の役目は適切な納税を支援することとなっているため、その「適切な納税」の範囲をどう捉えるのかによってサービス内容が変わってきます。更に、税理士全員が税法や最新の税制に精通しているとも限らないのが現状です。依頼した税理士が本当に報酬に見合うだけのサービスをしてくれているのかどうかは、常に検討する必要があります。

税理士を選ぶ際の判断基準は、「自社が求めるニーズに応えてくれるか」の一語に尽きます。上場を目指している場合は上場に精通した税理士、節税を重視したい場合は節税に強い税理士…といったように、自らの会社が求める税理士像を明確にすることが、税理士選びのコツと言えるでしょう。

また、税理士の能力とは別に、税理士に対する不満として最も多いものの一つに「レスポンスの遅さ」が挙げられます。税金に関する質問や資金繰りに関する質問のメールを送っても、何日経っても返信が来ない…といったことは実は頻繁に起こっています。密なコミュニケーションを取る前からこのようなことを即座に判断することは中々難しいですが、見積書が送られてくるスピードや、質問に対する対応の早さなどが参考になるでしょう。

税理士の報酬は?

税理士に会社設立を依頼した際にかかる費用は、税理士や依頼内容、設立の方法により異なります。

  • 手間やコストをなるべくかけずに会社設立したい
  • 税理士選びで失敗したくない
  • 会社設立時だけでなく、その後の顧問税理士としても契約したい
  • 税理士だけでなく、司法書士などとセットで依頼したい

という場合は、税理士紹介会社を利用して税理士を探すのも一つの方法です。

気になるのは、「具体的にいくらかかるのか」ということでしょう。多くの会計事務所が競争している状況ですから、目安としての「報酬相場」は存在します。
まず、開業したての零細企業で売上もそこまで多くない場合であれば、月額の費用は2万円~5万円程度と考えればいいでしょう(別途、決算申告料もかかります)。先ほど説明した記帳代行を依頼するのか、コンサル的なサポートも頼むのか、といった依頼内容によって、金額は変わってきます。ホームページなどで、これよりも安い価格を提示している事務所もありますが、必要なサポートを受けようとすると、さまざまなオプション料金が加算される可能性も十分にあります。

一般的には、記帳代行から申告、定期的な面談など通常の税理士業務を行う場合には、会社の年間売上のおおよそ5%~8%の顧問料が設定されると言われています。しかしこれも、会社の規模や業種などによって変動しますから、一応の目安と考えて、事務所と相談のうえで納得できるサービスや料金を決めるようにしましょう。

会社設立で税理士への依頼を検討中の方へ

優秀な税理士と出会うことは、会社の成長の大きな助けになります。今回解説したような税理士のサービスを踏まえて、自分の会社が必要とする税理士を見つけて活用しましょう。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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