会社設立で必要な書類や手続きとは?設立の流れを踏まえながら解説

会社設立で必要な書類や手続きとは?設立の流れを踏まえながら解説
公開日:
2021/03/29
 
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会社をつくって事業を行う場合には、法務局に対して設立登記の申請を行う必要があります。そこに至るまでに用意しなくてはならない書類、手続きは数多くあり、ミスは許されません。
今回は、スムーズに会社設立を果たすために必要になる作業を、会社設立のステップを踏まえながら説明します。

会社設立において定款作成は超重要

現在設立されている会社の大半は、「株式会社」「合同会社」です。合同会社の方がコストをかけず簡単につくることができますが、社会的信用力などの点でデメリットとなる場合もあります。
今回は「株式会社」の設立の流れをベースに、合同会社についても補足する形で説明します。

会社設立の流れは、次の5つのステップから成り立っています。

(1)定款作成に向けての準備を行う

定款とは、会社の基本ルールを定めたものです。
定款を作成し、認証手続きを行うにあたり、以下の事柄を事前に決定・準備しておきましょう。

会社の基本事項を決める

まずは基本事項を決める必要があります。基本事項は以下の通りです。

  • 会社名
  • 事業目的
  • 発起人
  • 本店所在地
  • 設立予定日や事業年度
  • 役員関連
  • 会社の機関設計
  • 株式の譲渡制限を設けるか
  • 株式の譲渡承認機関
  • 資本金の額、発行可能株式総数、設立時発行株式の総数、株主
会社の印鑑を作る

会社の印鑑はおもに次の通りです。

  • 法務局に申請する「代表者印=法人実印」
  • 銀行印
  • 社印=角印

法律上、銀行印や社印の作成は義務付けられていませんが、経理業務の効率化などのために代表者印と別にすることをおすすめします。

発起人(出資者)の印鑑証明書を入手する

会社設立の書類作成には、創業メンバーである発起人の実印と印鑑証明書が必要になります。

許認可の取得する

会社設立にあたり、扱うビジネスの領域によっては許認可が必要です。例えば旅館なら「旅館業営業許可」、飲食店なら「飲食店営業許可」などが該当します。
このような許認可が求められるビジネスは実は数が多く、また種類によって担当機関や窓口が異なっています。会社設立をする前に、この許認可について調べ、必要な場合は取得しておきましょう。

(2)定款を作成する

定款は、必ず記載しなくてはならない「絶対的記載事項」のほか、記載しないと有効にならない「相対的記載事項」などから構成されます。
ちなみに、株式会社の絶対的記載事項は、

  • 目的
  • 商号(会社名)
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額または最低額
  • 発起人の氏名または名称および住所
  • 発行可能株式総数

の6つで、合同会社の場合もほぼこれに準じた内容になっています。
この定款は、「紙の定款」のほか、パソコンで作成して電子署名を付けた「電子定款」が認められています。

(3)定款の認証手続きを行う

次に、定款の認証手続きを行います。
紙の定款の場合は、作成した定款を印刷して公証役場に持参し、認証をもらいます。
電子定款の場合は、PDFファイル化したものを役場にオンライン送信して、認証を受けます。
この定款認証のステップが株式会社と合同会社の大きな違いで、合同会社を設立する場合は定款認証が必要ありません。

認証には、発起人(出資者)の実印と印鑑証明書が必要になります。
さらに、

  • 定款の写し交付手数料:250円×定款のページ数
  • 収入印紙代:4万円(ただし、電子定款の場合は不要)
  • 公証人の手数料:5万円

を用意する必要があります。

(4)資本金を払い込む

会社の発起人(出資者)は、(2)の定款認証の手続き完了後、(4)設立登記の申請をする日までの間に、定款に定めた資本金を払い込む必要があります。
この段階では、会社の銀行口座は開設できませんから、発起人などの口座に振り込みます。

(5)設立登記の申請を行う

会社の登記とは、取引上重要な事項を法務省の部局である法務局に登録し、一般に開示できるようにすることを言います。
会社の対外的な信用維持を図り、他者が安心して取引きできるようにするのが目的で、この登記によって晴れて「一人前の会社」としてスタートすることになります。

法人登記に当たっては、いくつか書類を準備することが必要になります。
申請書類の提出方法は

  • 全ての書類を法務局の窓口に提出する
  • 管轄法務局に郵送する
  • オンラインで申請(インターネットで提出する)※

の3つの方法があります。

次の章では、法務局の窓口への提出および管轄法務局への郵送の際に必要な書類を記載します。

設立登記に必要な書類と作成の注意点

登記申請書

会社名や本店所在地、登記に必要な登録免許税額、資本金額などを記載するもので、会社形態によって記載事項は異なります。書式や記載例などは、法務局のホームページで確認、ダウンロードできます。

登録免許税は、株式会社が最低15万円、合同会社が最低6万円で、登記の申請の際に収入印紙で納めます。

登記すべき事項を保存したCD-Rか書面

申請書が概要の記載であるのに対し、ここには実際に登記される内容(例えば定款の中身)をすべて記載しなくてはなりません。
ファイルを保存したCD-R(磁気ディスク)か、必要事項を記載したA4判の書面で提出します。

定款

(3)の定款認証のステップで公証人に認証を受けた「定款」を添付します。
合同会社では定款認証は必要ありません。

発起人の決定書

発起人全員の合意により、本店所在地を決定したことを証明する書類です。
定款に本店所在地を詳細まで記載していない場合などに必要になります。

資本金の払込証明書

払込口座の通帳のコピー、インターネットバンキングの場合はその利用履歴など、払込のあったことが証明できる書面を提出します。

取締役などの就任承諾書

設立時の取締役、代表取締役(取締役が複数名いる場合)、監査役(設置する場合)が、それぞれの役職への就任を承諾したことを証明するものです。
日付、当該の人の住所氏名、押印が必要になります。

取締役の印鑑証明書

定款の認証を受ける際に取得したのと同じものです。

  • 取締役会を設置しない会社→取締役全員の就任承諾書に個人の実印を押印し、印鑑証明書を添付
  • 取締役会を設置する会社→代表取締役のみ就任承諾書に個人の実印を押印し、印鑑証明書を添付

会社の印鑑届出書

会社の行う契約には、会社の実印(代表者印)が必要になりますので、実印を作成のうえ法務局に登録します。
届出書は、法務局のホームページからダウンロードできます。

設立後にしなければならない、税務署への届け出とは

法人登記で会社はできましたが、それで事業開始に必要な公の手続きが終わったわけではありません。1つが、法人税などを納めることになる税務署に対する届け出です。

法人設立届出書

法人設立届出書は、設立した会社の概要を税務署に届け出るための書類です。代表者氏名・住所のほか、事業目的や事業開始年月日などを記入します。添付書類として「定款の写し等」「設立時貸借対照表」「株主名簿」の3つが必要になります。提出期限は、会社設立後2ヵ月以内となっています。

青色申告の承認申請書

青色申告の承認申請書は、法人として青色申告(※)で法人税を納めるために、事前に提出が必要な書類です。申告時に提出する帳簿の種類(「現金出納帳」「預金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「総勘定元帳」など)を記入します。提出期限は、会社設立後3ヵ月以内、または最初の事業年度の末日です。

一方、地方税関連の手続きは、都道府県及び市町村に対して行う必要があります。必要なのは各自治体に提出する法人設立届出書と、それに添付する定款の写し等と登記事項証明書になります。提出期限は自治体によって違いますから、注意しましょう。

※青色申告:複式簿記の手法に基づいて帳簿を記載し、その記帳を基に所得税、法人税を計算して申告すること。法人税の青色申告には、欠損金の繰越控除制度といった節税面でのメリットがある。申告には、事務負担の軽い「白色申告」もある。

まとめ

会社の設立までには、これだけの書類の作成や手続きが必要です。怖いのは、万が一の記載漏れやミス、修正などには手間も時間もかかり、設立スケジュールに支障をきたすかもしれません。そんなことにならないよう、万全の準備を整えましょう。
また、必要に応じて、会社設立に詳しい税理士などの専門家の力を借りることも検討しましょう。

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