海外で会社を設立するメリット、注意すべき点とは?

海外で会社を設立するメリット、注意すべき点とは?
公開日:
2021/04/19
最終更新日:
2024/05/15
 
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「人口減少が続く日本では、市場も人材確保も限界がある」「とにかく税金が高すぎる」。そういった理由で、海外に会社をつくろうと考える人は少なくありません。
ただし、当然のことながら、国内で事業を行うのとは異なる“気をつけるべきこと”があります。今回は海外法人の設立のメリット、その効果を最大限生かすためのポイントを解説します。

海外進出を実現する3つの方法

一般に「海外進出」と言う場合、会社設立以外も含めて3つの方法があります。まずは、その点から簡単に説明しておきましょう。

現地法人を設立する

外国に子会社をつくる方法です。後述のように海外では通常、日本国内よりも法人税が安く、また本社とは違う事業を行うことも許されます。
一方、あくまでも「現地の会社」ですから、その国の法律に従って会計や税務を行い、書類の作成などを行う必要があります。

海外支店を置く

単純に既存事業をその国に広めようと考える場合には、コストや時間をかけずに海外支店を設ける、という方法があります。
海外にあっても国内支店と扱いは同じで、経理作業なども現地法人よりは楽になるでしょう。ただし、利益には日本の法人税が課税されるため、節税効果は見込めません。

現地企業と提携する

さらに簡便な海外進出に、現地の企業に販売代理店などになってもらう方法があります。その企業の持つ販売ルートを生かせるといったメリットがありますが、自力でやるのに比べて、利益率が低くなるのを覚悟しなくてはなりません。

資金面で心配があるような場合には、とりあえず海外支店の設置や現地企業との提携で足場を固めてから法人を設立する、という展開の仕方も選択肢になるでしょう。

これだけある!海外法人設立のメリット

わざわざ海外に出ていくのは、そうする意味があるからにほかなりません。海外法人設立には、次のようなメリットがあります。

節税効果が期待できる

日本でも法人税の引き下げが行われていますが、それでも中小企業の実効税率(法人税に地方税や事業税などを加えた税率)は約30%でアジア圏ではトップ、世界でも高い水準にあります。アジア圏では法人税率が10%台の国が多く、同じ所得金額でも、国によって納税額に差が出ることになります。

新たなマーケットを獲得できる

多くの産業で市場が成熟している日本に比べ、世界にはまだ成長の可能性があります。国内で過当競争にさらされている事業でも、国によっては“独り勝ち”できるかもしれません。
グローバルに展開することで、ビジネスの多角化を実現できた例も多くあります。

規制のハードルが低い

国や業種によって違いはあるものの、一般的には、事業展開に当たってさまざまな許認可や規制が存在する日本に比べ、海外のほうがそれらは「緩い」と言えます。
「日本では大変な思いをしたのに、外国ではすんなり仕事を始めることができた…」という例は、珍しくありません。そのことは、コスト削減にもつながります。

人件費などのコストが安い

東南アジアなどの国々と日本とでは、依然として人件費に大きな開きがあります。店舗や事務所などの賃料や、工場用地をはじめとする不動産価格も安価です。
現地調達すれば、安い原材料を関税なしで生産に使うことができるのも魅力です。

「高金利」のメリットを享受できる

海外で事業を行う際には、その国の通貨をその国で管理するのが普通です。金利に関しては世界最低水準にある日本円で持っているよりも、海外通貨を保有していたほうが、はるかに有利なのは明らか。
資金を複数の通貨に分散することは、例えば日本円が暴落した場合のリスクヘッジにもなるのです。

資金調達のハードルも低い

手元資金があまりない場合、日本国内で起業(会社設立)するのは、大変な困難を伴います。金融機関などから融資を受けようと思っても、実績がないとなかなかOKとはならないからです。
一方、欧米諸国を中心に、投資家などが“これは”と思う会社にお金を出す「直接金融(銀行などの融資は「間接金融」)」の発達した国では、ビジネスモデルや事業計画がしっかりしていれば、そうしたルートで資金調達できる可能性があります。

海外法人設立の注意点は?

一方、「こんなはずではなかった」とならないように、会社をつくる前に考えておくべきことがあります。

政治や治安面などのカントリーリスクがある

最近も、「アジア最後のフロンティア」といわれたミャンマーで突然軍事クーデターが勃発し、現地に進出している日本企業が工場の稼働停止などに追い込まれる、という事態が発生しました。
このように、日本と国情・文化・経済状態などの異なる海外諸国には、さまざまなカントリーリスクが存在します。

資金面などで融通が利きにくい

例えば、海外子会社が資金ショートに陥ったとします。日本であれば、国内の金融機関などからにすぐに融資を受けられるかもしれませんが、「海外の別法人」であることがネックになって、そうはいかない可能性があります。
ちなみに、中小企業が頼りにする日本政策金融公庫からは、融資を受けることができません。

海外に会社設立するのにおすすめの国々

「一国二制度」の経済特区である香港

1997年に英国から中国に返還されたものの、香港は中国の「特別行政区」として今なお資本主義経済を維持しています。香港の法人税制の特徴としては、他のアジア諸国と同様に法人税率が低く設定されている点です。課税所得が200万香港ドル以下の法人税率は8.25%((200万香港ドル超は16.5%))であり、日本の中小企業特例税率15%よりもはるかに低くなっています。法人税を軽減することで企業の国際競争力を高めるための措置ですが、日本企業でも香港で会社を設立し、実際に事業を営んでいればこの恩恵を受けることができます。

税制の優遇措置があるタックスヘイブンとして注目されるケイマン諸島

カリブ海にあるケイマン諸島も税制の優遇措置がある国として有名であり、国内法人の所得に対しては法人税が課税されません((法人税率0%))。日本企業がケイマン諸島で法人を設立し、事業を行えば所得に対する税負担は発生しませんが、法人登録にかかる年次更新料は毎年支払わなければなりません。このように、税制面で極端な優遇措置のある国や地域を「タックスヘイブン」と呼びますが、タックスヘイブンを使った租税回避行為が日本でも行われるようになり、適正・公平な課税に支障が出たことから「タックスヘイブン対策税制」が創設されています。簡潔にいえば、現地企業として活動実態のない、いわゆる「ペーパーカンパニー」であるケイマン諸島の子会社に利益を移転しても、日本国内の所得に合算して法人税が課税されるという制度です。

近年成長著しいシンガポール

新興国の多いアジア圏のなかでも、特に経済成長の著しい国がシンガポールです。国の経済政策として税制の優遇措置で外資企業を積極的に誘致し、海外の資金力や技術力を投入した工場で作られる製品を輸出し発展するビジネススタイルです。日本企業がシンガポールに進出する際には、経済開発庁に申請することで様々な優遇税制を受けることができます。例えば「新スタートアップ会社税額免除制度」では、新たに設立された法人について3年間、課税所得のうち100,000シンガポールドル部分が100%、次の200,000シンガポールドル部分が50%が免税となります。その他にも「キャピタルゲイン課税がない」「ワンティアシステム」など外資企業が進出しやすい経済環境が整っている国の1つです。

海外法人設立には、専門家のサポートが不可欠

こうしたメリットやリスクを踏まえ、海外での会社設立のポイントをまとめてみます。

海外進出の目的を明確にする

単に「日本では限界があるから」という理由で海外に出るのは、リスクが大き過ぎます。
新規事業も含めたビジネスの拡大、販路の獲得、あるいは大きな節税効果を狙うため、といった海外進出の目的をはっきりさせたうえで、それが実現できる国を選ぶべきでしょう。

展開したい国に関しての事前の情報収集、調査が大事

勝算はあるのか、例えばすでに進出している同業がどれくらいいるのか、といった情報収集を綿密に行う必要があります。
カントリーリスクには読めない部分もありますが、できるだけ広い視野を持ってメリットとの比較を行うようにしましょう。また、自ら現地調査を行うことも必須です。

海外法人設立経験のある専門家にサポートしてもらう

許認可のハードルが日本よりも低いとはいえ、申請書類に不備があれば、会社設立は叶いません。現実には、司法書士や税理士などの専門家に手続きを依頼することになります。
ただし、現地法人の設立や維持に関連する法律は、国ごとに異なることに注意しましょう。同じ「海外進出のサポート」を掲げる事務所でも、得意とする国や地域には違いもあるのです。専門家を選ぶ際には、そうした点も考慮するようにしましょう。

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まとめ

海外での会社設立には、多くのメリットがあります。まず、実現したいことを明確にしたうえで、信頼できる専門家のサポートを受けるのが、成功の秘訣と言えるでしょう。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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