会社設立を依頼するなら司法書士?行政書士?税理士?
それぞれのメリットを解説

会社設立を依頼するなら司法書士?行政書士?税理士?  それぞれのメリットを解説
公開日:
2021/04/15
最終更新日:
2022/05/02
 
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会社を設立するためには、法務局に法人登記を行う必要があります。自分で申請すればお金はかかりませんが、準備を含めた作業はけっこう大変。時間やエネルギーを費やしたあげく、設立に支障をきたす可能性もあります。そんなときに頼りになるのが、司法書士、行政書士、税理士といった“会社設立のプロ”です。でも、どの「士業」に頼むのがベストなのでしょう? わかりやすくまとめました。

会社設立に必要なこと・依頼できる専門家は?

最初に、会社設立の方法を確認しておきましょう。
会社設立は、大きく4つのステップに分けられます。

  • 定款の作成(※1)
  • 定款の認証(※2)
  • 資本金の払込
  • 以上を踏まえて、法務局に設立登記の申請を行う
※1 定款は、会社の基本ルールを定めたもの。会社の目的や名称、資本金額などを記載する
※2 株式会社の場合は、定款を公証人に認証してもらう。合同会社(※3)は不要
※3 合同会社:2006年施行の会社法により新しく設けられた会社形態で、①株式会社と異なり経営者と出資者が同一である、②出資者全員が有限責任社員(自分が出資した分だけ会社に対して責任を負う)である という特徴がある。株式会社よりもコストをかけず簡単に設立できる。

つまり「会社設立における専門家のサポート」とは、具体的にはこれら1~4のすべて、あるいは一部を手伝ってもらうことを意味します。
そこに関わる専門家には、主として司法書士、行政書士、税理士が該当します。

ただし、実はこれらの「士業」には、設立のサポートにおいて、それぞれ得意・不得意(できること・できないこと)があるのです。

司法書士・行政書士・税理士の業務範囲は?

では、司法書士・行政書士・税理士でそれぞれどのようなサポートが頼めるのか、具体的に解説します。

会社設立における各士業のメリットデメリット
司法書士 行政書士 税理士
メリット 設立登記を依頼できる 役所への許認可申請の
代行等が可能
税務や会計処理を依頼できる
行政書士の業務も可能
デメリット 許認可等の書類作成や、
税務や会計処理は専門外
設立登記は依頼できない
税務や会計処理は専門外
設立登記は依頼できない

司法書士に頼む:設立登記は司法書士にしかできない

さきほど説明したように、会社の設立手続きは、設立登記によって完了します。1~3は、登記のための下準備と言ってもいいでしょう。
この登記は司法書士の独占業務になっていて、手続きの代行は行政書士や税理士にはできません。つまり、会社設立の手続きを1つの士業に“丸投げ”できるとしたら、唯一可能性があるのは司法書士、ということになります。

ただし、下準備の書類作成などにおいては、後述のように、行政書士に依頼した方がいい場合もあります。司法書士は、会社設立直後からついてまわる税務や会計処理についての知識が希薄なのも、デメリットと言えるでしょう。

司法書士に依頼するメリット

2の定款の認証は、紙の定款でなく電子定款にすれば、4万円の印紙代がかかりません。ほとんどの司法書士は、この電子定款に対応しています(自分で電子定款を作成するためには、場合によっては4万年超の「設備投資」が必要になります)。自分で必要書類を作成し、司法書士に登記だけを依頼する…というスタンスならば、サポートに伴うコストは大幅に抑えられるでしょう。

行政書士に頼む:許認可取得の代行を依頼できる

行政書士は、ひとことで言えば「書類作成のプロ」です。特に重要なのは、「官公署に提出する書類の作成」という独占業務があること。具体的には、役所への許認可申請の代行が頼めるのです。
例えば、理美容業(届け出)、旅行業(登録)、建設業(許可)、飲食業(許可)、不動産業(免許)といった分野の会社をつくる場合に、設立とともに許認可の手続きもしてもらえます。

ただし、登記の手続きを依頼することはできませんし、司法書士同様に税務関係のフォローも期待できません。

行政書士に依頼するメリット

許認可が必要な業務をスムーズにスタートさせるためには、行政書士の力を借りるのが良いでしょう。会社設立と許認可の取得をセットで依頼すれば、トータルの費用を抑えられることもあります。

税理士に頼む:条件次第で最も格安に依頼できる

税理士には、「税務や会計に通じている」という他の士業にはない特徴がありますが、会社設立サポートという面から見ると、最も低コストで依頼できるというのが、最大のメリットと言えるでしょう。
会社ができたら、きちんと会計処理を行い、税務申告を行う必要があります。そのために、多くの会社では税理士と顧問契約を結ぶのですが、その契約が前提ならば、会社設立については「割引価格」で対応してくれるのです。

ただし、行政書士同様、法人登記の代行を頼むことはできません。

税理士に依頼するメリット

顧問契約が前提ならば、あまりコストをかけずに会社設立のサポートを受けることができます。設立前から、円滑な経理作業や節税についてのアドバイスを得られるのも魅力です。
なお、税理士資格には、行政書士の資格も含まれています。資格の上では、行政書士の独占業務にも携わることができるのです。

「何を頼みたいのか」で依頼する専門家を選ぼう

ここまで読んで、「司法書士はいいとして、登記ができない行政書士や税理士に頼むのは不安だ」と感じた方もいらっしゃるでしょう。確かに、税理士や行政書士単独では、会社の設立を完遂することができません。
そのため、例えばそのサービスを掲げる会計事務所には司法書士や行政書士が在籍したり、他の士業事務所とのネットワークが構築されたりしています。
逆に言えば、そうした体制がなく、「ワンストップのサポートが欲しかったのに、法人登記は別途依頼せねばならず、結果的に設立費用がかさんでしまった」というようなことにならないよう、注意が必要です。

どの士業を選ぶのかは、「会社設立に際して自分が重視するポイント」を基準に置くべきでしょう。ざっくり言えば、登記だけを確実にしてもらいたいのならば司法書士、許認可事業をするのだったら行政書士、会社設立後の税務処理なども念頭に置きながら、コストを抑えたいのだったら税理士…といった選択が考えられるのではないでしょうか。

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会社設立で専門家への依頼を検討中の方へ

司法書士、行政書士、税理士には、それぞれ得意とする業務があります。会社設立のサポートを依頼するに当たっては、その点をよく見極める必要があるでしょう。トータルなサポートを求める場合には、他の士業との「協業」など、それに見合った体制が整備されているのかも大事なポイントです。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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