事業承継に困ったら
ノウハウを持つ税理士に相談を
事業承継に困ったら  ノウハウを持つ税理士に相談を

2019/5/27

 
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア

会社を継ぐことになっている息子も、仕事が板についてきた。これならば、自分がいつリタイアしても大丈夫――。
ところが、後継者への事業の受け渡し=「事業承継」は、そう簡単にはいかないのをご存知でしょうか。知らずに準備を怠っていると、大きな問題を招きかねない“社業のバトンタッチ”について考えます。

事業承継のポイントは?

経営者の仕事は、自らの事業を発展させること。それは、みんなが了解しています。でも、社長にはもう1つ、その事業を引き継ぐ人間を育て、自分が退いた後もしっかり事業を継続させていくという大事な、そして決して容易とは言えない任務があるのです。その「事業承継」を成功させるためには、事業を成長させるのとは違う知識やノウハウも必要になるということを、まず理解してほしいと思います。

自社株の引き継ぎ

社屋や、製造業ならば生産設備、社員(の雇用、仕事)、取引先、債権・債務といった諸々を新しいトップに受け継がせる事業承継ですが、中でもポイントになるのは、自社株の引き継ぎです。安定した経営を確保するためには、自ら一定数以上の自社株を持っている必要があります。「社長」という肩書がついていても、他に50%以上の株式を持っている人や会社があったら、株主総会で解任されてしまうかもしれません。逆に3分の2以上を確保していれば、総会で定款の変更や事業の譲渡、会社の合併、解散といった重要事項を決議することができます。
中小企業の経営に携わる人間は、最終判断を自ら下せる、この水準の株を持つのが理想です。

事前の対策が重要

しかし、だからといって、現社長が後継者に勝手に株を渡すことはできません。未上場企業の株式にも、株価があります。市場で売買される上場企業の株と違い、いくつかのルールに従って算定されるのですが、基本的に事業が拡大して業績のいい会社には、高い株価がつきます。原則として、受け取るぶんに課せられる贈与税や相続税を負担しなければ、後継者がその株を手にすることはできないのです。新しい「事業承継税制」を使えば、税の支払いは猶予されるのですが、それについては後述します。

特に問題になるのは、多くの自社株を持っていた経営者が亡くなり、相続になった場合です。自社株も相続財産。高額の評価をされた株式を、後継者がまとめて相続することができず、結果的に親族が分散して持つかたちになる可能性があるわけです。株を分け合っているのが親や兄弟だからといって先々まで安心できないのは、大塚家具の「内紛」などを見ても明らかでしょう。ですから、確実に後継者に株を持ってもらうための対策が必要になるのです。

誰でも対策ができるわけではない事業承継

そこで頼りにしたいのが、税金のプロである税理士。ただし、すべての税理士が事業承継に詳しいわけではないことに、注意が必要です。

相続税・資産税の知識もあるかを確認しよう

会社の顧問になっている税理士ならば、税務・会計をはじめ、法人経営に関する課題解決には、ある程度の自信があるはず。でも、事業承継には、さきほどもお話ししたように、社長個人の相続が絡んできますから、その分野の知識だけでは、対処することができないのです。正しいアドバイスのためには、法人税などに加えて、相続税や資産税関連の蓄積も不可欠。そもそも相続税に明るい専門家の数は限られていますから、これはけっこう高いハードルと言わざるを得ません。

先延ばしせず、早め早めの行動を

事業承継も、長い時間をかけてやる方が、対策の選択肢は広がります。例えば、1年に110万円以下ならば税金はかからないという贈与税の基礎控除を利用して、毎年少しずつ後継者に株を渡していけば、無税ないしは低額の贈与税で、移動させることができるでしょう。
事業承継に強い税理士ならば、将来の相続を見据えて、早い段階からそうした対策を提案してくれるかもしれません。でも、そんな助言もないまま、「タイムリミット」の近づいているケースが、世の中には少なくないのです。「事業承継は不安だが、何をしていいのかわからない」と感じたら、専門の税理士や会計事務所に相談してみることをお勧めします。

新「事業承継税制」をフォローできる税理士か?

ところで、2018年度の税制改正で「事業承継税制」の見直しが行われました。ひとことで言うと、一定の要件を満たせば、後継者に自社株を渡す際の贈与税、相続税が100%猶予されることになったのです。これにより、「後継者への自社株の移動の障害はなくなった」という見方も広がっていますが、必ずしもそうではありません。

多くの注意点もあり

注意が必要なのは、例えば、認められるのはあくまでも税の支払いの「猶予」であって「免除」ではない、という事実です。税の申告期限から5年以内に「後継者が会社の代表でなくなる」とか、基本的に次の事業承継までの間に「事業年度の総収入額がゼロになる」「資本金・資本準備金を減少した」といった「取消事由」に抵触した場合には、猶予されていた税金に利子税を付けて、納めなくてはなりません。資本構成を変えることは許されませんから、なんの気なしに増資したりしただけで、アウトです。

短期的ではなく長期的な視点で税理士を選ぶ

新たな税制が、事業承継に悩む経営者にとって朗報なのは、確かでしょう。ただし、実際にそれを使う場合にも、今述べたようなリスクまできちんと説明し、適用を受けた後も問題が起こらないように、長期間フォローしてくれる専門家の援助を受けるのがベスト。どの税理士がそうした事業承継のノウハウを持つのかわからない時には、実績ある税理士紹介会社のネットワークを活用するのも、有効だと思います。

まとめ

事業承継を失敗しないために、その分野に知識と経験を持つ専門家のアドバイスを受けてみてはいかがでしょう。対策は早く始めるほど選択肢が広がりますから、不安に感じる点があったら、すぐに相談を。

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
税理士無料紹介お問い合わせフリーダイヤル
電話番号