税理士が獲得した顧客を維持し増やしていくために必要なこととは?

税理士が獲得した顧客を維持し増やしていくために必要なこととは?
公開日:
2021/07/08
最終更新日:
2022/06/07
 
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税理士も、何もせずにお客さまが来てくれる時代ではなくなりました。加えて、苦労して獲得した顧客を維持するのも、そう簡単なことではありません。
実は「顧客の離脱」には、いくつかのパターンがあります。今回は、顧客離れを防ぎながら事務所を着実に継続・成長させていくためのポイントを解説します。

顧客獲得は“ゴール”ではなく“スタート”

新たな顧客を獲得するためには、闇雲に「セールス」に動くのではなく、自分の強み(差別化できるところ)を知る、ターゲットとなる地域や業種などを定める、といった戦略的な取り組みが必要になります。同時に、事務所の経営という観点からは、そうやってお客さまになってくれた会社や個人を、ずっと維持していくことが不可欠です。

ところが、実際には、そこにも不断の努力が求められていることを理解していないために、「囲い込み」に失敗することが少なくありません。新規顧客の獲得は“ゴール”ではなく、“スタート”だと認識すべきでしょう。

顧客が税理士の変更を考える6つの理由とは?

ビスカスでは、税理士をお探しの経営者・事業者の方向けの税理士無料紹介サービスを提供していますが、その中でも「今の税理士を変更したい」というご相談は少なくありません。
変更したい理由としては、以下の6つがよく挙げられます。

レス(返信)が遅い

どんな仕事でも、社内や取引先などへの問い合わせに対する返答が遅いと、イライラしたり、「もしかして忘れられているのでは」と不安になったりします。
それは、問い合わせに対する「答え」をもらわないと、自分の仕事が前に進まないからにほかなりません。特に、経営に直接影響しかねないお金の話ならば尚更です。
税理士変更に際して、「とにかくレスポンスの速い先生を」とリクエストする方が結構多いのも、納得できます。

単純ミスが多い

数字の入力ミスや漏れは、会計事務所としては致命的です。たとえ些細な間違いであっても、顧客の側は大きな不安や不満を抱きます。
実際、隠れていたミスが数年後に見つかって大問題になるようなこともあり、そうなると顧問契約の継続は難しくなります。

「上から目線」な態度

意外ながら多いのが、「税理士の先生や担当スタッフが高圧的で、嫌な思いをしている」「親身に対応してくれる雰囲気ではなく、相談しにくい」という声です。
顧客の立場になって考えてみると、よほど“素晴らしい仕事をする税理士事務所”でない限り、わざわざお金をかけてまで嫌な思いをするよりは、親身に対応してくれる別の税理士に乗り換えた方が良い…と思うのが自然ではないでしょうか。

節税やコスト削減などの提案をまったくもらえない

お客さまが「ただ書類を整えるだけでなく、数字の中身についての提案が欲しいのに、それが無い」「経営面のアドバイスを求めてもスルーされる」といった不満を抱くケースです。
これも税理士変更の理由としてよく挙げられるものです。

顧問料が高い

顧客が“顧問料が高い”と感じるのは、上記で挙げてきた問題があるからとも言えます。それなりの顧問料を払っているのに、ミスが多かったりまともな提案ももらえなかったりすれば、「税理士を変えようか」と考えるのは当然のことです。
また、サービス自体は普通なものの、顧問料が相場よりもかなり高めに設定されているケースもたまにあります。

担当者が変わり、質が低下した

皮肉なことですが、従来の担当者に満足していた場合によく起こる悲劇です。
「質が落ちた」と感じる理由は、スキルだったり相性だったりさまざまなのですが、顧客を逃がさないためには、こうした点にも心配りが必要になるのです。

顧客と継続的に長く付き合うためのポイント

せっかく時間とお金をかけて獲得した顧客に解約されてしまう…といった最悪の事態を防ぐためには、顧客の信頼度や満足度を高めることが重要です。
顧客満足度を高める・顧客を維持するポイントを挙げてみます。

大前提として、信頼を損ねないようきちんとサービスを提供する

契約時に決めた業務範囲と実際の仕事にズレが生じていないか、常にチェックする

当たり前ですが、「契約前と話が違う」と言われてしまわないようにしましょう。

できることとできないことを、きちんと顧客に伝えておく

「何ができる・何ができない」は、事前にはっきりと伝えておいた方が良いでしょう。曖昧な反応をした結果、相手も「まあ大丈夫かな」で進めてしまい、後で大変なことになる…というのはなるべく避けたいものです。
また、できないことについては、例えば他の士業を紹介するなど、きめ細かなケアを心がけましょう。

レスポンスを速くする

問い合わせの中身にすぐに回答できない場合などには、「いつまでに返答します」という一報を入れるようにしましょう。もちろん、一報を入れた後はその期限までに返答を忘れないようにしましょう。

夜間や土日祝日にも対応する

夜間や土日祝日の対応は確かに面倒ではありますが、一方で「電話にも出てくれない」というのは顧客からすると大きなマイナスです。もし「夜間や土日祝日は、営業時間内と同じ対応は難しい」という場合は、夜間・土日祝日の対応ルールを設けておいて、顧客にも伝えておいた方が良いでしょう。
また、顧客からの緊急の連絡は、夜間・土日祝日でもすぐに受けられるよう、体制を整えておくべきです。

顧客との間で複数の連絡手段を確保しておく

先ほどの夜間・土日祝日対応と重複していますが、いざというときに事務所と連絡が取れないというのは、顧客にとってやはりストレスになりかねません。
「この電話番号(メールアドレス)しか使えません」ではなく、例えばメールアドレスを複数用意しておいたり、SMSなども使えるようにしておいたりなど、複数の連絡先を設置しておくのがおすすめです。

顧客の幅広いニーズに応えられるようにする

今の時代、顧客は「数字に強い」税理士に、税務まわりだけでなく経営に関するアドバイスなどを求めています。そうしたニーズに対応できるのかは、大きな差になるでしょう。

継続的なアプローチを行う

自分たちではしっかりやっているつもりでも、顧客は不足や不満を感じているかもしれません。
現行の業務に満足しているか、追加の要望などはないか、といった点を常に確認することが重要です。そうした姿勢を示すこと自体が、顧客満足度の向上につながっていくはずです。

顧問先の巡回を“作業”にしない

顧問先への巡回作業をただのルーチンワークにせず、今述べたようなニーズの吸収のための貴重な機会に位置づけましょう。

マーケティングオートメーションツール(※)なども活用し、積極的な営業や発信を行う

マーケティングオートメーションツールを使うとしても、やりっぱなし・一方通行になってはあまり意味がありません。きちんとした目標を定めて行いましょう。

※マーケティングオートメーションツール:マーケティング業務を自動化することで業務効率化、生産性向上を図るツール。

料金とサービス内容を常に検証する

料金とサービス内容の検証にも、「顧客目線」が必要です。
“お客さまから見て高過ぎないか”という視点で検証することは、業務のレベルアップにもつながります。
とはいえ、逆に“安ければいい”というものではなく、あまりに割安なサービスの提供は経営上のリスクになります。顧客との間で、適正価格で仕事ができる関係を築くよう、努力する必要があります。

事務所のスタッフの満足度も重要

対外的な顧客満足度の向上は、トップだけがしゃかりきになってもなかなか実現できません。目の前のスタッフが満足してしっかり仕事に取り組んでいるかどうかは、実は大事なポイントです。
経験を積んだスタッフの離脱は、戦力ダウンにとどまらず、営業上の秘密やノウハウの流出といったリスクも生みます。所内の不満やストレス、スタッフ間のトラブルなどには、早めの対処が必要です。

まとめ

顧客満足度の向上を目指すことは、“防衛戦”にとどまりません。お話ししたような取り組みで多くの“ファン”が生まれれば、口コミで評判が広がり、新規のお客さまの獲得に結びついていくはず。依頼される業務範囲が広がり、顧客単価のアップも期待できるでしょう。
お客さまを獲得してからが本当の勝負、と心得てください。

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この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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