独立・開業した税理士が効率的な集客、顧問先の獲得を行うために必要なこと

独立・開業した税理士が効率的な集客、顧問先の獲得を行うために必要なこと
公開日:
2021/04/20
最終更新日:
2022/06/07
 
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税理士として独立したからには、お客さま(顧問先)をどんどん増やして、経営も生活も安定させたい。誰しもが考えることですが、やみくもに「営業活動」をしても、なかなかうまくいかないこともあります。効率的に集客するために何をすべきなのか? 注意を払うことは? 今回は税理士の集客方法やそのポイントを解説します。

税理士・税理士事務所の集客の準備とは?

「戦術」(具体的な集客方法)を定めるためには、まず「戦略」(何を“売り”にするのか、どんな顧客を集めるのか)を明確にする必要があります。

(1)自らの強み・弱みを理解する

例えば、独立前に働いていた事務所で相続の経験を積んだという人なら、それを看板に仕事をすることができるでしょう。逆に、ニーズがあるからといって、まったく未経験の分野をメインに据えたりすれば、お客さまの信託に十分応えられず、信頼を失うかもしれません。

強み・弱みは、税法の分野に限りません。「コミュニケーションが得意」「会社経営に詳しい」といったことも、十分強みになりえます。まずは、今自分自身や事務所が提供できる価値を客観的に評価して、「得意分野」で実績を築いていくのがいいでしょう。

(2)集客したい地域を決める

新型コロナウイルスの影響もあり、税理士業界でも「リモートワーク」が広がりつつあるとはいえ、元々税理士は対面が求められることの多い仕事です。もしも顧問先に税務調査が入ったら、飛んでいかなくてはなりません。担当する地域が広ければ広いほど、多くの顧客を獲得できる可能性は高くなりますが、同時にコストも膨らんでいきます。地域特性なども加味しながら、エリアを見極めていく必要があります。

(3)地域の顧客層を調査する

例えば顧問先として飲食業をターゲットとするのならば、事務所は繁華街を抱える地域に立地するのがベターでしょう。対象とする地域に工場が多いのか、商店が多いのか、富裕層の住む住宅地なのか、といった点をしっかりリサーチして、それに見合った仕事のやり方を考えていくことも重要です。

(4)地域のライバルを調査する

どんなに強い分野があっても、近くにそれと被る有力な税理士事務所があると、牙城を崩すのには骨が折れます。大まかな対象地域を決めたら、そこにある事務所の業務内容、強みを把握して、場合によっては多少エリアをずらすといった工夫も必要になるでしょう。

(5)顧問先候補にどのようなアプローチをしていくのかを考える

集客のやり方には、次に述べるようにいろいろあります。税理士紹介会社に登録するという、他の業種にはあまりない方法もあります。やはり事務所の特徴、地域特性などを考慮しながら、アプローチの仕方を取捨選択していきましょう。

税理士の効率的な集客方法一覧

ホームページを作成する

お客さまが税理士を探す場合、有力なツールになるのがホームページです。お客さまは、その内容に魅力を感じれば問い合わせをしたくなりますし、反対に「とりあえず作りました」という感じのものだと、「この事務所はだめだ」という“逆宣伝”にもなりかねません。

ポイントは、業務内容や得意分野のアピールだけでなく、コラムなどで経営に役立つノウハウ、税に関する情報、あるいは自分の「人となり」などを発信して、事務所に興味を持ってもらうこと。こまめな更新も欠かせません。

作成に当たっては、「無料のホームページ作成サービスを活用する」、「制作業者に依頼する」、という2つの方法があります。

検索エンジンの活用

ただし、ホームページは「待ちの営業」です。開いてもらわなければ、どんなに素晴らしいコンテンツでも生かすことはできません。

その点、検索したときに上位に表示させるSEO対策は重要です。これも、キーワードや文字数を工夫するといったテクニックを駆使するほかに、専門の業者に依頼するという方法があります。

ランディングページを作る

ホームページに似たWeb上のツールに、ランディングページがあります。縦長1枚に「言いたいこと」を収めたもので、基本的に他のページへのリンクがありません。そのため、検索結果や次のリスティング広告などから流入した訪問者を、ダイレクトに問い合わせなどのアクションに結びつけることが期待できるのです。

リスティング広告などWeb広告を活用する

WEB広告には、リスティング広告と呼ばれる、検索エンジンの上部やサイドに表示される「検索連動型広告」や、表示させたい人の年齢や性別、趣味嗜好などに合わせて配信できる「ディスプレイ広告」などがあります。
前者の「検索連動型広告」は、例えば「税理士事務所」といった特定のワードが検索された時にその結果に表示される広告で、より集客に結びつけやすいでしょう。
後者の「ディスプレイ広告」は、画像や動画を使用できる広告です。ビジュアルで表現することで、事務所の魅力をより具体的に伝えることができます。身近な例だと、Yahoo!JAPANのトップページには必ずディスプレイ広告が掲載されています。

予算によってはタクシーの動画広告やラジオ広告なども

予算にもよりますが、タクシーの動画広告や、ラジオCMなども、選択肢の一つです。特にタクシー動画広告は、会社経営者にもアプローチしやすいため、有効な手段と言えます。地域や時間帯などを絞って配信することで、うまく予算を調整しながら、事務所の認知度やブランディングにもつながりやすくなります。

「紙の広告」も有効

ポスティングチラシでアピールする

対象とする地域で顧客になってくれそうな企業、個人のポストにチラシを投函するというアナログな手法も、自らの存在を知ってもらうのには有効です。同じエリアに繰り返し投函することで、認知度も上がります。

ダイレクトメール(DM)を活用する

送付先の住所がわかるのであれば、ポスティングよりも効率的に営業を行うことができます。開業したての場合には、DM代行会社に依頼する方法もあります。

SNSやブログを活用する

SNSのメリットは、とにかく「拡散力」が高いことです。
FacebookやTwitter、あるいはブログなどでアピールするのも、うまく利用すれば集客効果を生みます。

ただし、Facebookは基本的に「仲間内」のコミュニティ・ツールであること(集客するためには、顧客のいるコミュニティに加わる必要がある)、Twitterの利用者は若年層に多い(顧客としては個人事業主が多く想定される)…といった各SNSの特徴は、押さえておく必要があるでしょう。

余力があれば、自らYoutuberとなって、関連情報を発信しながら集客につなげていく、ということも考えられます。

税理士紹介会社・税理士向けポータルサイトに登録する

“税理士を必要としている人”と“顧問先を必要としている税理士”をマッチングさせる「税理士紹介会社(顧問先紹介会社)」税理士向けポータルサイトに登録すれば、高い確率で顧客とめぐり合うことができるはずです。
ただし、実際のマッチングの手順や内容に関しては、会社やサイトによってまちまちなので、会員登録前に自分に合っていそうかを確認しましょう。

また、原則、顧問先を紹介してもらうにあたりコストもかかりますが、料金体系は顧問先紹介会社によって異なります。まずは無料で会員登録できるところから始めてみるのもよいでしょう。

知人や顧客に紹介してもらう

会社の顧問税理士を探している人からすれば、知り合いや同業者に「うちの先生はいいよ」と太鼓判を押された人物なら、安心して任せられるでしょう。こうした「知人の紹介」は、顧客獲得の王道とも言えます。

重要なのは、開業前から付き合いのある人たちに、「自分は顧客を探している」と伝えること。また、紹介してもらえるだけの仕事をすることは、言うまでもありません。

セミナーや相談会を開く

テーマを決めてセミナーなどを開くことは、そもそもその話題に関心のある人たちを集めることができますから、顧客の獲得に有効です。ただ、その場への集客の仕方やコストは、十分考える必要があるでしょう。

飛び込み営業、テレアポは?

あえてあまり効果的ではないと思われるものも、挙げておきましょう。いわゆるアポなしの飛び込み営業や電話による勧誘は、かつては当たり前の手法でしたが、時代は変わりました。よほど営業トークに自信のある場合は除いて、やめておいた方が無難だと思われます。

開業したての税理士が、集客で失敗しやすいケース・注意点

集客準備やおすすめの集客方法について解説しましたが、それでも集客が上手くいかないということは十分にあり得ます。
ここでは開業したての税理士が陥りやすい、集客に関するミスを述べていきます。

「顧問先は勝手に増えていく」と勘違いする

開業してすぐは、さきほど述べた知人の紹介などにより、順調に新しい顧客を獲得できることもあります。しかし、ここ最近は税理士の数も増えているので、そうした「自然発生的」な状態に甘んじていると、すぐに頭打ちになる危険性があります。安定的にお客さまの数を増やそうと思ったら、早い時期から説明したような方法で集客・営業に取り組み、自ら顧客を開拓していくべきでしょう。

無計画にいろいろな集客方法にチャレンジした結果、成果が上がらない

とはいえ、最初からWebもDMもセミナーもといろいろ手を出して、それぞれが中途半端で終わってしまうことは、避けなくてはなりません。自分の仕事に合ったやり方、できそうなものから始めて、効果をみながら有効な方法を探っていく、というスタンスがいいでしょう。

費用対効果を考えない

お客さまを獲得するのは、しっかり稼げる基盤をつくるため。集客にお金をかけすぎてしまっては、本末転倒です。特にWebの活用に際しては、費用対効果をしっかり見極めるようにしてください。

顧客・顧客候補のニーズを把握できていない

どんな仕事でも、成功の鍵は「顧客志向」を徹底できるかどうかといっても過言ではありません。どんなに能力が高くても、ニーズとマッチしなければ、お客さまを増やすことにはつながらないのです。
どんな人にどのようなアプローチを行うのかをよく考えて、例えば、それに合わせてさきほどのランディングページを用意する、という発想が必要になるでしょう。

まとめ

自ら営業で苦労した経験は、今後のお客さまのアドバイスに生かせるかもしれません。記事を参考にして、顧問先の集客・開拓に失敗しないように、効率的な方法を自分なりに探ってみてください。

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この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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