決算代行とは?決算代行を税理士に依頼するメリット・デメリット、費用について解説

決算代行とは?決算代行を税理士に依頼するメリット・デメリット、費用について解説
公開日:
2021/12/20
最終更新日:
2022/04/14
 
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会社を設立すると、事業年度ごとに期末に決算書を作成し、併せて法人税などの申告を行う必要があります。もちろんそれらの作業を社内でこなすことは可能ですが、特に中小零細企業にとっては負担が大きいのも事実。そんな場合に頼りになるのが、「数字のプロ」である税理士です。今回は、決算代行を税理士に依頼するメリット・デメリット、気になるコストなどについて解説します。

決算代行(決算申告代行)とは

「記帳から申告まで」を代行可能

「決算」とは一定期間の収入・支出を計算し、利益や損失を算出することです。さらに、期末には、算出された決算内容をもとに納税額を計算し、税務署に「申告」する必要があります。

自社で決算や税務申告の業務を行う場合には、市販の会計ソフトを使うことになります。ただ、会計ソフトで出力できるのは、基本的に決算書(貸借対照表や損益計算書)のみ。小規模会社であっても、税務申告のためには、法人税申告書をはじめ十数枚の申告書類を作成しなくてはなりません。決算書も含め専門知識も必要なため、作業が煩雑なだけでなく、そのために人を雇えば人件費も当然発生します。

これらを会社に代わってプロに任せられるのが、決算代行(決算申告代行)サービスです。具体的には次に述べるような業務を依頼することが可能ですが、自社に必要なものだけをチョイスすることもできます。反対に、事務所によってカバーするサービスの内容に違いのある場合もありますので、依頼する時にはしっかりチェックするようにしてください。

決算代行の具体的なサービス内容

では、決算代行ではどのようなサービスが提供されているのか、見てみましょう。

(1)記帳代行

「記帳」とは、総勘定元帳など税務申告に必要な帳簿を作成することを指します。複式簿記などの知識が必須です。

(2)決算書作成代行

同じ決算書でも、専門家が作れば、例えば金融機関の融資が受けやすくなるなど、より付加価値の高いものが期待できます。

(3)申告書作成代行

法人税、地方法人税、消費税などの申告書の作成です。

(4)申告代行

税務署への申告も、税理士に代行してもらえます。

こんな場合に決算代行を依頼するのがおすすめ

個人事業とは違い、法人になるとそれなりに売上規模も大きくなり、取引先も増えるはず。次のような場合には、税理士への依頼を考えてみてはいかがでしょうか。

  • 会社を設立して初めて決算を迎える
  • 顧問契約はまだ必要ないが、決算を自力でやるのは難しくなってきた
  • 決算間近だが、あまり手を付けられていない
  • 銀行から決算書を出すように言われた
  • 申告期限を過ぎてしまった/過去何期も申告していない

決算申告には期限があることに注意

「決算日から2ヵ月以内」が原則

法人は、法人税などの申告の際に、決算書と申告書を税務署に提出する必要があります。この決算申告には「原則として決算日から2ヵ月以内」という期限が設けられています。例えば3月期決算(決算日3月31日)の法人の場合、決算申告期限は5月31日となります。

期限を過ぎてしまったら、なるべく早めに申告する

申告の作業が間に合わなかったり、うっかり忘れていたりして申告期限を過ぎてしまった場合には、できるだけ早く申告・納税を行いましょう。もし税務署に「申告していませんね」と指摘された場合は、納付すべき税額に対し15%ないし20%の無申告加算税が課せられますが、指摘される前に申告を行えば、加算税率を抑えることができるためです。急いで専門家のアドバイスを仰ぐべきでしょう。

申告期限を延長できる特例がある

一方でこの申告期限は、「監査を受けなければならないため決算が確定しない」など一定の理由があれば、1ヵ月間の延長が認められます。この特例を受けるには、事業年度が終了する日までに税務署に申請を行うことが必要ですが、一度申請すれば翌事業年度以降も引き続き延長が認められます。

ただし、あくまでも認められるのは申告期限の延長のみで、税額の納付期限は延長できません。また、この申告期限の延長申請が出来るのは「法人税」や「地方法人税」などで、「消費税」については原則通り2ヵ月以内に申告しなくてはなりませんので、注意が必要です。

決算代行を税理士に依頼するメリット・デメリットとは?

決算代行を税理士に依頼する場合のメリットやデメリットを挙げていきます。それぞれ確認した上で、税理士に依頼するか検討しましょう。

決算代行を税理士に依頼するメリット

「正しい決算」「正しい申告」ができる

先ほど述べたように、決算申告に必要な書類を揃えるのには大変な労力が必要です。しかも記載内容にミスがあれば、加算税などのペナルティを課せられるリスクもあります。その点、実績のある専門家に任せれば安心です。経理担当者の人件費も削減することができます。

本業に専念できる

税理士に依頼する場合には、領収書などを渡せば、後は申告まですべてをやってくれる“丸投げ”も可能です。特に会社設立から間もない頃などには、事業を軌道に乗せていくために、本業に専念して時間やエネルギーを集中することが重要な局面もあるでしょう。そのように割り切って、税理士に丸ごと依頼するのも一つの方法です。

ある程度の節税が可能に

決算申告を税金の専門家に依頼することで、節税のメリットを享受することもできます。ただ、あくまでも申告への対応ですから、顧問契約と異なり、年間を通じての抜本的な節税対策の実行などはさほど期待できないでしょう。顧問契約を締結すれば、その分費用はかかりますが、しっかりした対策を行ってくれます。

税理士の署名付きで信頼度が増す

税理士が作成した書類とそうでない書類、“どちらがより信頼度が高いのか”というと、もちろん「税理士が作成した書類」の方が信頼度は高いです。例えば、税理士が関与すれば税務調査(※)の対象になりにくく、調査に入られた場合でも安心できる決算・申告書類を作成してもらえます。

※税務調査:国税局や税務署が、納税者の税務申告が正しいかどうかをチェックするために行う調査。税務署が行う任意調査と、国税局査察部が行う強制調査がある。

決算代行を税理士に依頼するデメリット

コストがかかる

税理士に依頼すれば、当たり前ではありますが、後述のような費用が発生します。先ほど説明したメリットと比較しながら、依頼の適否を検討しましょう。なお、決算代行のみ依頼する場合は、経理や税務を日常的にフォローしてもらえる顧問契約に比べれば、費用を抑えることができます。

節税対策などは事務所による

「節税できる」「税務調査の対象になりにくい」といったメリットを紹介しましたが、すべての税理士・税理士事務所がそうしたニーズに対応できるわけではないのも事実です。中には、形式的な決算申告の書類作りを請け負うだけ、というスタンスの事務所もありますから、それ以上のものを求める場合には注意が必要です。

決算代行にかかる費用の相場

決算代行の費用は、最低10万円~20万円程度

会社が決算申告を税理士に依頼した場合の費用は、10万円~20万円程度が相場と言えます。年商が1,000万円に満たない場合でも、最低10万円はかかると考えても良いでしょう。

なお、これは「会社で作成した1年分の帳簿や会計ソフトのデータを税理士に渡して、決算申告書を作成してもらう」場合の相場です。帳簿の作成や会計ソフトへの入力、経費計算のほか、年末調整、法定調書、償却資産申告書の対応なども合わせて依頼することもできます。このように“丸投げ”に近い場合は、さらに10~20万円程度が上乗せされます。

ただ、事務所によって報酬の設定はまちまちですので、必要としているサービスが総額いくらで受けられるかは、きちんと調べておく必要があります。

決算代行の費用で留意すべきポイントとは

  • 自社でできること(例えば記帳・仕訳)を済ませてから依頼することで、費用の削減が図れる
  • 決算代行以外の業務も依頼する場合や年商が大きな場合には、初めから顧問契約をしたほうがコストを抑えられる可能性がある
  • 事務所によっては、決算代行のみは1期目に限定したり、年商に上限を設けたりしている場合がある
  • コストを抑えるためにも、申告期限が迫ってからではなく、時間的な余裕を持って税理士を選ぶようにする

決算書の作成、決算申告に必要な書類一覧

最後に、申告までに必要になる書類についてまとめておきましょう。

決算代行を依頼する際、最低限必要な書類

必要最低限ではありますが、以下の書類があれば、記帳代行から“丸投げ”で依頼することができます。

  • 領収書(できれば日付順にファイリングしておく)
  • 請求書
  • 通帳(入出金)のコピー

決算書作成や決算申告に必要な書類一覧

以下の書類は、自社で用意するか・税理士に依頼するか選択できます。

総勘定元帳(決算報告書作成に必要)

総勘定元帳とは、すべての取引を勘定科目ごとに記録していく帳簿です。7年間の保存が義務づけられています。

決算報告書(決算書)

決算報告書とは、1年間の事業年度を終えて決算を行った結果をまとめた書類のことで、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」などがあります。申告書に添付するだけでなく、金融機関から融資を受ける際にも提出が求められます。

法人税申告書、消費税申告書、地方税申告書

決算申告では法人税・消費税・地方税(事業税)の申告書の提出が義務づけられています。

事業概況説明書

事業概要説明書では、事業内容のほか、支店、海外取引状況、期末従業員の状況などを記載します。これも決算書などと同様、申告書への添付が義務づけられています。

税務代理権限証書

税務代理権限証書とは、申告書提出や税務調査の立会いなどを税理士が代理することを記載した書類で、申告書にこれを添付することで、決算後の対応も税理士が行うことが可能になります。

まとめ

煩雑で専門知識も必要とする決算申告は、プロの税理士に代行を依頼することができます。ただし、満足のいくサービスを受けるためには、ニーズに合った税理士を選ぶことが大事です。実績ある税理士紹介会社を利用すれば、効率よく税理士を探すことができるでしょう。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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