飲食店での税務調査を税理士が解説!なぜ飲食店は狙われやすい?
- 最終更新日:
- 2026/01/26

- この記事の監修者
- 髙谷公認会計士・税理士事務所
代表 髙谷 武司(税理士・公認会計士)
飲食店が税務調査に入りやすい理由
飲食店は現金取引が多く、売上の計上漏れや経費の水増しが疑われやすい業種です。国税庁が公表した令和6事務年度の法人税調査データによると、業種別では「バー・クラブ」の不正発見割合が最も高く62.3%、次いで「その他の飲食」45.2%、「外国料理」40.2%となっています。税務署は内観調査(調査官が客として来店)、外観調査(立地や人通りから売上を推測)、現物確認調査(帳簿の実地確認)という3段階で飲食店を調査し、レジ記録と申告のズレ、原価率の異常、人件費の不正処理を重点的にチェックします。
飲食店の税務調査での実態を解説
飲食店の税務調査は他業種と異なる特徴があり、経営者が知っておくべきポイントが数多くあります。ここからは、実際に寄せられた質問をもとに、飲食店の税務調査の実態について監修税理士の高谷先生に詳しく伺っていきましょう。
なぜ飲食店は税務調査に入りやすいのですか?
質問: カフェを経営していますが、飲食店は税務調査に入りやすいと聞きました。なぜ飲食店が狙われるのですか?

髙谷武司先生
飲食店は現金取引が多く売上の除外が容易なため、税務署が重点的にマークする業種です。
国税庁の統計では飲食業の不正発見割合は他業種より高く、調査対象に選ばれやすくなっています。
特に現金のみの店舗、レジを使わない店舗、原価率が業界平均(30〜35%)から大きく乖離している店舗は注意が必要です。
内観調査・外観調査とは何ですか?
質問: 税務調査の前に「内観調査」や「外観調査」があると聞きましたが、どのようなことをされるのですか?

髙谷武司先生
内観調査は調査官が客として来店し、座席数・客単価・混雑具合・レジの使い方を確認する調査です。
外観調査は店舗の立地・駅からの距離・人通りから売上を推測する調査です。
これらの調査で得た情報と申告内容を照合し、大きなズレがあると税務調査の対象となります。日頃から正確な売上計上を心がけてください。
無通知で税務調査が来ることはありますか?
質問: 事前連絡なしに税務調査が来ることはありますか?その場合どう対応すればよいですか?

髙谷武司先生
飲食店は証拠隠滅のおそれがあるため、無通知で現物確認調査が行われることがあります。
突然来られても慌てず、「税理士の立ち会いを希望する」「繁忙期で対応が難しい」と伝えて日程調整を申し出てください。
調査を拒否するのではなく、より適切な対応ができる日程への変更を丁寧に提案することが重要です。
原価率はどれくらいが適正ですか?
質問: 居酒屋を経営していますが、原価率が高いと指摘されるのではと心配です。適正な原価率はどれくらいですか?

髙谷武司先生
飲食業の適正原価率は業態により異なりますが、居酒屋なら30〜35%が一般的です。
原価率が40%を超えると、仕入れの水増しや売上の過少申告を疑われる可能性があります。
原価率が高い場合は、メニュー別の原価計算表と在庫管理表を作成し、食材ロス率(通常5〜10%)も含めて説明できる状態にしてください。
税務調査は何年分遡って調査されますか?
質問: 税務調査では何年分の帳簿を調べられますか?古い書類は処分してしまったのですが問題ありますか?

髙谷武司先生
通常は過去3年分、継続的な誤りが疑われる場合は5年分、悪質な脱税の場合は7年分まで遡って調査されます。
帳簿や領収書は法律で7年間の保管が義務付けられていますので、処分せずに保管してください。
書類がない場合、推計課税(業界平均データから税額を算出)で不利な結果となる可能性が高まります。
追徴課税はどれくらいかかりますか?
質問: もし税務調査で申告漏れが発覚した場合、どれくらいの追徴税額になりますか?

髙谷武司先生
申告漏れの内容により異なります。
単純な計上ミスなら過少申告加算税10〜15%、無申告なら無申告加算税15~30%、悪質な隠蔽があれば重加算税35〜40%が課されます。
さらに本税と延滞税も加算されます。
例えば100万円の申告漏れで重加算税が適用されると、追徴税額は40万円以上となり、総額140万円以上の納税が必要です。
まとめ
飲食店は現金取引の多さから税務調査の対象になりやすく、不正発見割合も高い業種です。内観調査・外観調査を経て無通知で現物確認調査が入ることもあり、レジ記録と帳簿のズレ、原価率の異常、人件費の不正処理が重点的にチェックされます。調査は最大7年分遡るため、帳簿や領収書は必ず保管し、原価率を適正に保ち、いつでも説明できる状態にしておきましょう。
税務調査では調査官との交渉や専門的な説明が必要となるため、税理士の立ち会いを強く推奨します。経営者が不用意な発言をすることで不利な展開になるケースも多く、税理士が介入することで推計課税の回避や加算税の軽減交渉が可能です。顧問税理士がいない場合でも、調査対応のみスポットで依頼できます。
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- この記事の監修者
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