経理代行フリーランスのメリットと落とし穴!判断基準を税理士が解説

経理代行フリーランスのメリットと落とし穴!判断基準を税理士が解説
最終更新日:
2026/03/26
この記事の監修者
徳永税理士事務所
所長 徳永 圭(税理士)
 
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経理担当が退職してしまった!ということが起こり、安くアウトソーシングできないかと考え始めた経営者の多くが、最初に候補として浮かぶのが経理経験のあるようなフリーランスへの依頼です。フリーランスへの経理代行は記帳や仕訳入力などを低コストで外注できる反面、税理士資格が必要な業務は依頼できず、情報漏洩・業務停止のリスクも伴います。ここでは実際によく寄せられる疑問をもとに、税理士が解説します。

経理代行をフリーランスに依頼するメリットや費用相場

経理代行の外注先には「フリーランス」「経理代行会社」「税理士事務所」の3つがあります。なかでもフリーランスはコストの低さと契約の柔軟性が注目される選択肢です。
取引件数が少ない創業期や、月ごとに業務量が変動する小規模事業者にとっては費用対効果が高く、担当者と直接やり取りできるため意思疎通がスムーズという声もあります。
費用の目安は対応範囲や仕訳数によって異なり、1万円前後から数万円程度と幅があります。
一方、業務範囲・継続性・情報セキュリティの面でリスクも伴うため、自社の状況とリスク許容度を整理したうえで依頼先を検討することが重要です。

経理代行をフリーランスに依頼する注意点を税理士に聞く

フリーランス経理への依頼は、コスト面への期待と不安が入り混じるテーマです。以下では、依頼を検討する経営者から実際に寄せられる質問をもとに、監修税理士の視点から具体的な回答をお伝えします。

フリーランスに依頼できる経理業務・できない業務は?

質問: フリーランスの経理代行に任せられる業務と、任せられない業務の線引きを教えてください。

徳永圭先生

依頼できる業務は「記帳・仕訳入力」「請求書・領収書の整理」「試算表作成」「給与計算」「売掛金・買掛金の管理」などです。これらは税理士資格のない個人でも請け負うことができます。
一方、「税務申告書の作成」「年末調整の申告手続き」「税務調査対応」「税務相談」は税理士法第2条に規定された独占業務であり、無資格のフリーランスが行えば同法違反となります。「記帳はフリーランスに、申告は税理士に」と役割を分けるのが実務上のスタンダードです。依頼時には業務範囲を契約書に明記し、税理士業務との境界線を曖昧にしないことが重要です。

フリーランスへの経理代行依頼で特に注意すべきリスクは?

質問: フリーランスに経理を任せるうえで、経営者が特に気をつけるべきリスクを教えてください。

徳永圭先生

会計事務所に依頼する場合も同様ですが、備えがあるか否かという点で業務継続リスクと情報漏洩リスクの2点です。
フリーランスは個人であるため、病気・家庭の事情・廃業などにより突然業務が止まるケースがあります。決算前や月次締め直前に連絡が取れなくなった場合、経営への打撃は甚大です。
情報漏洩については、売上・仕入・給与といった会社の核心情報を個人のPC環境に預けることになり、セキュリティ対策の水準が依頼者本人に依存します。代行会社のようなプライバシーマーク取得やISMS認証といった組織的な担保がないため、秘密保持契約(NDA)の締結と業務範囲・データ管理方法の明文化は最低限の対策として実施してください。
また、万一に備えて引き継ぎ資料を常に最新状態に保つことも重要です。会計事務所は基本的には上記リスクがあることを把握し、備えています。

フリーランスと税理士事務所への経理代行依頼、何が違う?

質問: フリーランスに頼むのと、税理士事務所に経理代行を依頼するのとでは、何が変わりますか?

徳永圭先生

対応できる業務の幅と、税務面での保証が大きく異なります。 フリーランスへの依頼は記帳や帳簿整理などの事務作業に限られますが、税理士事務所に依頼すれば経理代行に加えて、税務申告・年末調整・税務調査対応・節税アドバイスまでワンストップで任せられます。インボイス制度への対応や電子帳簿保存法の実務など、税制改正が多い現在は、税務専門家の目が入る体制の価値は高まっていると思います。
コストはフリーランスより高くなりますが、「経理は外注できても、申告は別途税理士を探さなければならない」という二重コストが不要になる点を考えると、トータルの負担が軽減されるケースも少なくありません。フリーランスから提出される会計データが間違いだらけという場合、申告料が高くなることが多々あります。

信頼できるフリーランス経理を選ぶためのポイントは?

質問: フリーランスの経理代行に依頼する場合、どのような点を確認すればスキルや信頼性を見極められますか?

徳永圭先生

「簿記2級以上の保有」「経理実務3年以上の経験」「使用可能な会計ソフトの種類」を最低限確認してください。実績として、直近の顧客から得た口コミや評価があれば信頼の裏付けになります。
加えて、試用期間(1〜3か月)を設けることを契約に盛り込むと、スキルと相性を実務ベースで確かめてから本格依頼に移れます。秘密保持契約の締結を求めても問題なく応じるか、業務報告の頻度・方法を事前に合意できるかも重要な判断材料です。「安さ」ではなく「自社の業務内容に対応できるスキルがあるか」を最優先の選定基準にすることをオススメします。

どのような場合に税理士への依頼を検討すべき?

質問: フリーランスの経理代行ではなく、税理士に依頼したほうがよいのはどんなケースですか?

徳永圭先生

「節税対策を本格的に進めたい」「税務調査のリスクが気になる」「業績が伸びており会社の体制を強化したい」という段階では、税理士への依頼を検討しましょう。
フリーランスは記帳作業の外注には有効ですが、決算書の分析・税務申告・税務調査への立ち会いといった高度な業務には対応できません。
また、M&Aや事業承継など経営判断に税務が絡む局面では、税理士によるアドバイスを受けた方が税法に則した判断ができます。「今はフリーランスで十分」という段階でも、将来的に税理士との顧問契約が必要になったときにスムーズに移行できるよう、早い段階から税理士との接点を持っておくことをおすすめします。

まとめ

フリーランスへの経理代行はコストと柔軟性の面で魅力的ですが、税理士業務は依頼できない・業務停止リスクがある・情報セキュリティが個人依存になるという3つの課題を抱えています。創業期の限定的な業務委託には有効な選択肢ですが、事業の成長とともに税理士との連携が必要になる局面は必ず訪れます。

記帳の外注を検討しているタイミングこそ、経理代行と税務サポートの両方を見据えた専門家選びの好機です。税理士紹介センタービスカスでは、創業30年・40万件以上の紹介実績をもとに、記帳代行にも強い税理士を無料でご紹介しています。「まず相談だけ」でもコーディネーターが丁寧にご対応しますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
徳永税理士事務所
所長 徳永 圭(税理士)
大学で財務会計ゼミに入ったことがきっかけとなり税理士資格を取得。総合不動産会社、不動産証券化(SPC)特化型事務所、総合会計事務所を経て令和へ年号が変わるとともに開業。これまでの職歴から不動産周りの税務会計、資産税(相続)に強みがあります。

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この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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