「クラウド会計ソフト」を使えば
誰でも簡単に確定申告ができるの?
「クラウド会計ソフト」を使えば  誰でも簡単に確定申告ができるの?
最終更新日:
2019/7/29
 
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インターネットを利用して帳簿付けなどを行う「クラウド会計ソフト」が、広く普及するようになりました。企業向けだけでなく、個人事業主の確定申告専用のソフトも発売され、利用する人が増えているようです。
では、それを使いさえすれば、面倒な確定申告は誰でも自分でできるようになる、つまり“税理士に頼む必要はなくなる”のでしょうか?その「メリットと限界」を解説します。

カードの利用明細などを自動仕分けしてくれる

そもそも、クラウド会計ソフトと従来の会計ソフト(インストール型・パッケージ型)の違いはどこにあるのでしょう?
ひとことで言えば、それは「インターネットに接続して使うクラウドと、接続しない従来のソフト」ということになります。「クラウド」とは、ソフトウェアやデータの保存場所(サーバーの設置場所)を意識せずに、インターネット経由でユーザーにサービスを提供する環境のこと。クラウド会計ソフトは、そのうちネット経由でソフトウェアを提供する「SaaS(サース/Software as a Service の略称)」に分類されます。

代表的なクラウド会計ソフトには、「freee」、「マネーフォワード」などがあります。

クラウド会計ソフトのメリットとは?

では、会計ソフトがインターネットに接続されることで生まれるメリットとは、具体的にどんなものなのか? これもひとことで説明すると、「帳簿付け(記帳)の作業を大幅に自動化し、省力化が図れる」ことです。

従来は、例えば仕事に使うコピー用紙を購入したら、その領収書やカードの利用明細を基に、「〇〇商店 2000円 事務用品」などと自分で入力しなくてはなりませんでした。でも、クラウド会計を使うと、一度仕訳の設定を行えば、銀行口座内の入出金やクレジットカードの利用明細を、勘定科目(※)に自動的に振り分けてくれるのです。支払先から勘定科目を推測し提案する、といった機能を備えたソフトもあります。

ということで、事業の決済をクレカやスマホ決済で行えば、基本的に煩雑な手作業は不要に。会計処理にかける時間も、大幅に短縮できるというわけです。

※勘定科目:「仕入」「水道光熱費」「給与家賃」「地代家賃」といった簿記における計算のための区分単位。

クラウド会計は“オールマイティー”なのか

クラウド会計ソフトを使えば、従来のような煩わしい手作業が大きく減らせるのはわかりました。では、「確定申告の税理士費用を節約するために、自分で申告することにしよう」というのは、アリなのか? 「それは、ケースバイケース」というのが、答えになると思います。

売上が上がるほど「会計ソフト任せ」は危険

今まで会計ソフトを使って、なんの問題もなく申告していたという人は、クラウドに切り替えることで、説明したようなメリットを享受できるはず。税理士に頼んでいたけれど、そんなに便利なら、と新たにクラウドを導入して、自分で確定申告できるようになったという人も、確かにいるでしょう。
ただ、一般的には、それは売上規模が小さく、取引先もさほど多くない場合。「そろそろ会社にしようかな」という規模になってくると、「会計ソフト任せ」には、リスクさえあるのです。

経費の判断は会計ソフトでは難しい

勘定科目の仕訳が大変なのは、「経費」です。所得税などの税金は、売上からこの経費などを差し引いた所得をベースに計算されますから、節税のためには、経費で落とせるものはすべて計上することが重要です。反対に、本来経費にしてはいけない支出を計上すれば、税務署の指摘を受けることになるかもしれません。

経費になるか・ならないかは専門的な知識が必要

普通の会計ソフトにしろクラウドにしろ、基本的に「これは経費では落ちませんよ」と、会社の経理担当者のように領収書を突き返したりはしません。事業用のクレジットカードを使わなかった支出について、「経費にできるじゃないですか」とアドバイスしてはくれないのです。もちろん、そんな場合でも、手動で修正することは可能でしょう。ただし、「経費になるか・ならないか」を判断するためには、それなりの会計、経理の心得が必要なのも事実です。

さらに言えば、いくら自動で仕訳してくれるとはいえ、取引が増えてくると、日々の決済を過不足なく記帳するというのは、けっこう大変な作業になります。とにかく事業に専念したいと考えるのなら、その部分は外注したほうがベターと言えるのではないでしょうか。

税理士がクラウド会計ソフトを使っていることも

とはいえ、「申告に関しては税理士に頼んでいるから、わざわざクラウド会計を導入する必要はない」ということでは、必ずしもありません。クラウド会計ソフトを税理士と共有し、入力は自分で行いながら、プロにチェックしてもらう、というやり方もあるのです。そうすれば、税理士に依頼する仕事が減る分、報酬を下げることができるでしょう。事業の状況を税理士にリアルタイムで「監視」してもらうことで、経営や税金についてのスピーディーなアドバイスを受けることが可能になる、というメリットもあります。

税理士の対応可能会計ソフトを確認しよう

ただ、それを可能にするためには、今述べたように、税理士に同じソフトを共有してもらうことが条件。税理士に断られれば、それまでです。そうならないためにも、導入前に、使いたいクラウド会計ソフトに税理士が対応可能かどうかを確認する必要があります。
もし「現在の税理士がクラウド会計ソフトを使っておらず、これからも対応しない場合」や「初めて税理士を探す際に、クラウド会計ソフト対応を必須にする場合」は、税理士紹介会社に相談すれば、そうしたニーズを満たす先生を探してくれるでしょう。

まとめ

クラウド会計ソフトを使って確定申告を自分でやるか、すべての作業を税理士に「丸投げ」するか、ソフトを共有して税理士を活用するのか――。自分の事業の実態と照らし合わせて、賢く選択しましょう。

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