高校生などがいる世帯の扶養控除額 児童手当の拡大で引き下げ検討か | MONEYIZM
 

高校生などがいる世帯の扶養控除額 児童手当の拡大で引き下げ検討か

政府は、2024年度の税制改正で、高校生などを扶養する親の所得税および住民税の年間控除額の引き下げを検討していることが分かりました。
 

一方で、2024年度から、児童手当の支給対象を、所得にかかわらず15歳から18歳までの高校生などに拡大するとしています。
 

この結果、扶養控除が縮小した場合でも、高校生などの子どもを扶養しているすべての所得層において、児童手当の増額分が上回る見通しです。

子育て世代に対してさまざまな優遇措置が検討されている

来年度の税制改正で検討されている扶養控除の具体的な縮小額は、以下のとおりです。
 

・所得税の控除額
∟年間38万円→年間25万円
・住民税の控除額
∟年間33万円→年間12万円
 

そもそも「扶養控除」とは、年間の合計所得金額が48万円(給料収入は103万円以下)で、16歳以上19歳未満(その年の12月31日現在)の高校生などがいる世帯が対象となり、その世帯における納税者の税金が控除される制度のことです。
 

そして今回、扶養控除額において所得税が13万円、住民税が21万円引き下げることが検討されています。
 

一方で、「児童手当」とは、中学卒業まで(15歳誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している世帯が対象で、児童の年齢に応じて補助金が一定期間支給される制度のことです。
 

支給額は、以下のとおりです。
 

児童の年齢 児童手当の額(一人あたり)
3歳未満 一律1万5,000円
3歳以上小学校修了前 1万円(第3子以降は1万5,000円)
中学生 一律1万円

参考:児童手当制度のご案内|こども家庭庁
 

また、児童手当には、扶養している親族の人数に応じて所得制限限度額・所得上限限度額が設定されており、高所得者は支給の対象外とされています。
 

しかし、2024年度から児童手当の対象が拡大することになれば、16歳以上19歳未満の高校生などを養育しているすべての世帯に対して、子ども1人当たり年間12万円の児童手当が支給されることになります。
 

なお、「扶養控除の縮小」や「児童手当の拡大」は、税金控除よりも手当を増額することで、塾などにかかる費用が多い高校生の教育費の負担軽減が目的です。
 

政府・与党は、これらの負担軽減以外にも、住宅ローンの残高に応じて所得税や住民税が控除される「住宅ローン減税」や、支払っている生命保険の一部を所得から差し引く「生命保険控除」についても、子育て世代への待遇を手厚くすることを検討しています。

澤田泰弥
神奈川の横浜を中心にライターとして活動しています。現在は将来のために金融分野の勉強をしており、2023年1月にFP3級を取得し、現在はFP2級取得を目指して奮闘中です。金融知識に詳しくない方でも、すぐに悩みを解決できるわかりやすい記事制作を心がけています。
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