「会社設立に税理士は本当に必要なのか」「費用はどれくらいかかるのか」「どうやって選べばいいのか」こうした悩みを抱える起業予定者は少なくありません。会社設立時の税理士依頼は法律上必須ではありませんが、資本金設定ミスや青色申告承認申請書の提出遅れなど、数十万円から数百万円の損失を防ぐために専門家のサポートが推奨されます。本記事では、税理士が必要なケース、具体的なサポート内容、費用相場、選び方まで、会社設立時に知っておくべき情報を網羅的に解説します。
目 次
会社設立に税理士は必要?何をしてくれる?
会社設立時の税理士依頼は法律上「必須」ではありませんが、多くのケースで専門家のサポートを受けることで設立手続きの円滑化、節税機会の確保、資金繰りリスクの回避といったメリットが得られます。個人事業と異なり、法人設立は定款作成、登記申請、税務届出など複数の専門手続きが必要になるため、税理士の知識を活用することで設立前の準備段階から戦略的な判断が可能になります。
税理士は税理士法に定められた3つの独占業務を担います。税務代理(確定申告や税務調査への立会い)、税務書類の作成(申告書や届出書の作成)、税務相談(節税方法や税額の相談)です。これらに加え、会社設立時は経営コンサルティング、融資支援、補助金申請など、経理・財務面の多岐にわたるサポートを受けられます。
会社設立時に税理士が必要なケースとは?
税理士への依頼が特に推奨されるのは、設立1期目から年商3,000万円以上が見込まれる場合、初めての起業で税務知識が乏しい場合、本業に集中したい場合、融資や補助金の申請を検討している場合の4つです。これらのケースでは、専門家のサポートがないと手続きミスや節税機会の損失により、顧問料を大きく上回る損失が発生するリスクがあります。
設立1期目から年商3,000万円以上が見込まれる場合
年商3,000万円以上が見込まれる場合、税理士への依頼を強く推奨します。この規模になると消費税の課税判定、適切な経費計上、月次の資金繰り管理が経営に直結するためです。自力対応で申告ミスや節税機会の損失が発生すれば、顧問料を大きく上回る損失につながります。例えば、青色申告承認申請書の提出遅れで年間数十万円から数百万円の節税機会を失うケースや、資本金設定ミスで約30万円の消費税を不要に納税するケースがあります。
初めての起業で税務・会計の知識が乏しい場合
初めての起業で税務・会計の知識が乏しい場合も、税理士への依頼が有効です。青色申告承認申請書(設立から3カ月以内)、消費税課税事業者選択届出書、給与支払事務所等の開設届出書といった重要書類は、提出タイミングを誤ると取り返しがつきません。税理士のサポートがあれば、こうした手続きミスを防げます。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 例えば、会社設立後に支出したものしか経費にならないと思い、領収書を保管していないという方も多いと思いますが、実際には設立日前の費用も、「創立費」として経費にすることができますし、設立後も開業準備費用を「開業費」として経費にすることができます。早めに税理士に相談すると何か気づきがあるかもしれません。
- 徳門税理士事務所 所長 徳門仁来(税理士・行政書士)
本業に集中したい場合
設立直後は営業活動や商品開発に時間を割くべき時期です。税務学習や申告書作成に膨大な時間を要すると、本業に集中できず事業成長の機会を失います。経理業務に追われて営業活動の時間が削られたり、税制改正への対応遅れによる不利益を被ったりするケースも少なくありません。税理士に記帳代行や税務手続きを委託すれば、人件費削減の観点からも有効です。
融資や補助金の申請を検討している場合
金融機関からの融資や補助金・助成金の申請を検討している場合、税理士のサポートが有効です。税理士は融資獲得に有利な事業計画書の作成、資金繰り計画の策定、補助金・助成金の情報提供など、財務的な見通しを持ったアドバイスを提供します。多くのクライアントと顧問契約を結んでおり、自社が受けられる制度の情報やノウハウを持っているためです。
以上のケースに該当する場合、税理士への依頼が推奨されます。次に、税理士が会社設立時に具体的にどのようなサポートを提供するのか見ていきましょう。
税理士が会社設立時にサポートしてくれること
税理士が会社設立時に提供するサポートは多岐にわたります。設立手続きの代行、決算期・資本金・役員報酬の設定アドバイス、消費税・インボイス制度への対応、補助金・助成金の情報提供、融資・資金繰りのサポート、経営全般の相談の6つが主な内容です。顧問契約を前提とする場合、設立準備を無料または安価でサポートしてもらえるケースもあります。
会社設立手続きの代行(提携士業との連携)
税理士事務所の多くは行政書士や司法書士と提携しており、ワンストップで会社設立手続きをサポートします。定款認証の代行や法務局への登記申請は税理士自身が行うことはできませんが、提携先を通じて書類作成から登記までを一括で依頼できます。複数の専門家を個別に手配する手間を省けるため、設立準備がスムーズに進みます。
決算期の設定アドバイス
法人は決算期を自由に決められますが、安易に決めると後々デメリットを被ります。売上に季節性がある場合、「ピークの近くを決算期にしない」のが鉄則です。決算ギリギリまで収益予想が立てづらく、節税対策も講じにくくなるためです。税理士は事業の実態を考慮し、決算期の設定について的確なアドバイスを提供します。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 決算後、税務申告期限は原則2カ月以内です。そのため、決算月のみが忙しいのではなく、その後の1~2カ月も資料集めや決算打ち合わせなどで通常月より事務に時間を割くことが増えるでしょう。そこも踏まえて決算月を決める必要があります。
- 徳門税理士事務所 所長 徳門仁来(税理士・行政書士)
資本金・役員報酬の設定アドバイス
資本金を1,000万円以上にすると設立1期目から消費税の納税義務が生じ、資本金に応じて都道府県民税や市町村民税の均等割も増えます。資本金は会社の信用力の一つですが、多すぎるとデメリットが生じるため、自社に見合う適切な金額を税理士に相談しましょう。役員報酬についても、設立当初は売上や利益が思うように上がらないケースを想定し、事業計画に基づいた適切な金額設定が必要です。
消費税・インボイス制度への対応アドバイス
消費税の考え方は難解で、インボイス制度の導入により判断がさらに複雑になっています。資本金1,000万円未満の場合、設立後2年間は原則として消費税が免税されますが、免税事業者はインボイスを発行できず、取引先が税額控除を受けられないため取引を打ち切られるリスクがあります。税理士に相談することで、事業の実態を考慮したうえで具体的な説明・アドバイスを受けられます。
補助金・助成金の情報提供
税理士は多くのクライアントとの関わりの中で、補助金や助成金に関する情報やノウハウを持っています。国や地方公共団体が創業時の補助・助成制度を実施していることがあり、自社が受けられる制度がないか相談できます。
融資・資金繰りのサポート
起業直後に運転資金が十分に確保できず、金融機関からの融資が必要になる場合があります。資金繰り計画の作成や、それに基づく融資相談を税理士にすることで、必要な資金をよりスムーズに調達できます。税理士は事業計画書の作成に関わる経営コンサルティング業務を行っていることもあり、融資獲得に有利な書類作成をサポートします。
経営全般の相談
初めて起業するケースでは、会社の経営を今後どのように進めていけばよいのか不安に感じる方もいるでしょう。税理士はさまざまなクライアントとの関わりの中で、経営に関する多種多様なノウハウを持っており、積極的に相談することで自社に有益なアドバイスを受けられます。
顧問契約前提なら設立準備を無料(安価)でサポート
設立後は顧問税理士をつける必要が出てきます。個人に比べ、申告業務は煩雑で、適切な節税の有無が最終利益に大きく影響するためです。顧問契約を前提とする場合、会社設立時から「相性がいい先生」を見つけて、設立準備を無料または安価でサポートしてもらえるケースがあります。
会社設立時に税理士に依頼しない場合のデメリットやリスク
税理士に依頼しない場合、書類不備による損失、資本金設定ミス、決算期設定の失敗、創立費・開業費の計上漏れといったリスクやデメリットが発生する可能性があります。これらは数十万円から数百万円の損失につながるケースもあり、顧問料を大きく上回る影響が出ます。
書類不備による損失リスク
青色申告承認申請書の提出遅れや記載ミス、法人設立届出書などの必要書類の提出漏れ、消費税課税事業者選択届出書の提出タイミングのミスといった問題が起こりがちです。これらの書類不備は、後々大きな損失につながります。例えば、青色申告承認申請書は設立から3カ月以内(または事業年度終了日のいずれか早い日)に提出する必要があります。この申請を怠った結果、青色申告特別控除や欠損金の繰越控除などの特典を受けられず、年間で数十万円から数百万円の節税機会を失う場合があります。
資本金設定ミスによる損失
資本金を999万円に設定すれば設立1期目から消費税が免税となるところ、「資金に余裕を持たせたい」という理由で1,000万円に設定するケースがあります。結果として設立1期目から消費税課税事業者となり、年間売上3,000万円の場合、約30万円の消費税を納税することになります。わずか1万円の差が年間30万円の税負担につながるため、税理士に相談して適切な資本金額を設定することが重要です。
決算期設定の失敗による資金繰りの悪化
飲食業で12月の売上がピークとなる会社が、12月決算を選択するケースがあります。決算業務で忙しい時期に本業の繁忙期が重なり、適切な決算予測ができずに想定外の法人税額が発生。資金繰りに苦労し、追加融資を受ける羽目になったケースもあります。
創立費・開業費の計上漏れ
会社設立前に支出した市場調査費用50万円、事務所の敷金100万円、開業準備のための人件費80万円などを「会社設立前だから経費にならない」と判断し、個人負担として処理するケースがあります。実際にはこれらは創立費や開業費として経費計上でき、合計230万円分の節税機会を失った事例があります。
会社設立時に税理士に確認しておきたいこと
会社設立時には、後々の経営に大きく影響する重要事項を事前に決定する必要があります。特に資本金の金額、役員報酬の設定、補助金・助成金の活用可能性、インボイス制度への対応方針の4つは、税理士に確認しておくべき項目です。これらの判断を誤ると、数十万円から数百万円の損失につながる可能性があるため、設立前の段階で専門家のアドバイスを受けることが重要です。
資本金の適切な金額
資本金は999万円以下に設定するのが基本です。1,000万円以上にすると設立1期目から消費税の納税義務が生じ、資本金に応じて都道府県民税や市町村民税の均等割(赤字でも納税が必要な税金)も増加します。資本金は会社の信用力を示す指標の一つですが、多すぎると税負担が重くなるため、自社の事業規模や取引先の要件を考慮して適切な金額を税理士に相談しましょう。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 株式会社にするのか合同会社にするのか、そもそもそれらの違いは何なのか、などもあわせて税理士に相談するのもよいかと思います。
- 徳門税理士事務所 所長 徳門仁来(税理士・行政書士)
役員報酬の設定
役員報酬は事業計画に基づいた現実的な金額に設定してください。設立当初は得意先も少なく、売上や利益が思うように上がらないケースが多いためです。多額の役員報酬で資金繰りを圧迫すると、事業継続そのものが危うくなります。税理士に相談することで、想定される売上・利益に見合った適切な報酬額を設定できます。
補助金・助成金の活用可能性
国や地方公共団体が創業時の補助・助成制度を実施していることがあるため、活用できる制度がないか税理士に確認しましょう。創業時に必要な運転資金をサポートする目的の制度が複数存在しますが、申請要件や期限が細かく設定されているため、自力で把握するのは困難です。税理士は多くのクライアントとの関わりの中で最新の制度情報を持っており、自社に適した制度を提案してくれます。
インボイス制度への対応方針
「2年間の消費税免税」を優先するか、「インボイス発行事業者」として課税事業者になるか、税理士に相談して決めてください。原則として設立1期目と2期目は消費税の納税義務が免除されますが、免税事業者はインボイス(適格請求書)を発行できません。取引先が税額控除を受けられないため、取引を断られるリスクがあります。税理士は取引先の状況や事業の実態を考慮し、どちらを選択すべきか具体的なアドバイスを提供します。
会社設立時の税理士以外の専門家の役割
会社設立には税理士以外にも複数の専門家が関わります。行政書士は許認可書類の作成、司法書士は定款作成・登記手続きを担当し、それぞれ独占業務として他の士業が代行することは認められていません。本来は書類作成は行政書士、登記は司法書士、税務関係は税理士と別々に依頼する必要がありますが、士業ネットワークを持つ税理士事務所に依頼すれば、ワンストップで設立手続きを完了できます。
行政書士の役割と業務内容
行政書士は官公庁に提出する書類の作成・提出および手続き内容の相談を担当します。国や都道府県、市区町村など、行政機関に提出する許認可書類の作成が主な業務です。飲食業の営業許可、建設業許可、運送業許可など、業種によって必要な許認可は異なり、手続きも煩雑です。専門的な知識を持つ行政書士に依頼すれば、許認可の取得をスムーズに進められます。
司法書士の役割と業務内容
司法書士は法務局に提出する書類の作成・提出および手続き内容の相談を担当します。会社設立時は定款の作成・認証、設立登記の申請が主な業務です。定款は会社の基本的な事項を定める重要書類で、内容が不十分だと起業後の事業運営に支障が出る可能性があります。司法書士に依頼することで、法的に適切な定款を作成し、登記手続きを確実に完了できます。
ワンストップサービスの活用
士業ネットワークを持つ税理士事務所に依頼すれば、行政書士・司法書士・税理士の業務をワンストップで依頼できます。会社設立の手続きそのもの(定款作成・登記)は税理士にはできませんが、提携先を通じて書類作成から登記、税務届出まで一括でサポートします。複数の専門家を個別に探して手配する手間を省けるため、設立準備がスムーズに進みます。税理士事務所に依頼する場合は、このようなネットワークを持っているか事前に確認しましょう。
会社設立時の税理士の選び方
税理士選びは信頼性・スキル・レスポンスの3つを基本に、会社設立の実績、業種への理解、料金体系の明確さ、デジタル対応力を確認してください。会社のお金に関する情報を渡すため「信頼できるか」「相性が合うか」が最も重要です。設立後は長期的な付き合いになるため、契約前に複数の事務所を比較検討しましょう。
信頼性と相性を最優先する
税理士に依頼するということは、会社のお金に関する情報をすべて渡すということです。そのため「この人に任せて大丈夫か」「質問しやすい雰囲気か」「経営方針に共感してくれるか」といった信頼性と相性が最も重要です。初回面談で専門用語を多用せず、わかりやすい言葉で説明してくれるか、こちらの質問に真摯に答えてくれるかを確認しましょう。
会社設立の実績とスキルを確認する
税理士にも得意分野があり、相続専門、医療法人専門、会社設立専門など様々です。ウェブサイトで会社設立や創業融資のサポート実績が豊富かどうかを確認してください。実績はホームページに書かれている設立支援件数や口コミで判断できます。会社設立の経験が少ない税理士に依頼すると、資本金設定ミス、青色申告承認申請書の提出遅れなど、取り返しのつかないミスが発生するリスクがあります。
レスポンスの速さを見積段階で確認する
レスポンスの速さは見積書が送られてくるスピードや、質問に対する返答時間で判断してください。税金や資金繰りの質問メールを送っても何日も返信が来ないと、素早い経営判断ができず会社の成長に支障が出ます。見積依頼から24時間以内に返信がある事務所、質問への返答が即日または翌営業日に来る事務所を優先しましょう。
自社の業種での顧問経験があるか
業種特有の会計処理や税務上の慣行があるため、自社の業種での顧問経験が多い税理士を選ぶことが重要です。例えば、飲食業では食材ロスの処理、建設業では工事進行基準、EC事業では在庫管理など、業種ごとに特有の論点があります。同業種での実績が多い税理士であれば、的確な経費計上のアドバイスや業界特有の節税策を提案してくれます。
自社が求めるサービスを提供してくれるか
事業規模や経営方針によって、会社が税理士に望むことは異なります。中小企業では節税を重視する会社が多いですが、将来上場を目指すなら適正な納税と内部管理体制の構築が優先されます。税理士の中には節税対策に消極的な人もいるため、節税を望む会社がそのような税理士に依頼するとミスマッチになります。初回面談で「節税に積極的か」「どのような節税策を提案してきたか」を具体的に聞きましょう。
契約前に必ず確認すべき4つの項目
契約前に必ず確認すべきは、サービス内容、料金体系、デジタル対応、専門性・実績の4点です。
- サービス内容:記帳代行・月次面談・税務相談が月額料金に含まれるか、年末調整や給与計算は別料金か
- 料金体系:月額顧問料に何が含まれるか、決算申告料はいくらか、オプション料金が発生する業務は何か
- デジタル対応:クラウド会計ソフトに対応しているか、オンライン面談は可能か、メール返信は何日以内か
- 専門性・実績:自社の業種での顧問実績はあるか、得意分野(節税・融資・上場支援)は何か
月額顧問料3万円と聞いて契約したら、記帳代行(月額2万円)、給与計算(月額1.5万円)、年末調整(15万円)がすべて別料金で、年間100万円以上になるケースがあります。事前に「月額料金に何が含まれているか」の詳細確認が不十分だったことが原因です。
税理士に依頼する場合の費用はどれくらい?
税理士の費用は事務所によって異なりますが、開業直後の小規模法人であれば月額顧問料2万円~5万円程度が目安です(別途、決算申告料が発生)。記帳代行だけ依頼するのか、コンサル的なサポートも含むのかで金額は変わります。ホームページで安い価格を提示していても、記帳代行・給与計算・年末調整が別料金で年間100万円を超えるケースもあるため、契約前に「月額料金に何が含まれるか」を必ず確認してください。
月額顧問料の相場
開業直後の零細企業で売上が少ない場合、月額顧問料は2万円~5万円程度、別途決算申告料が発生します。多くの会計事務所が競争している状況のため、目安としての報酬相場は存在します。記帳代行だけ依頼するのか、コンサル的なサポートも頼むのかで金額は変わります。
一般的には、記帳代行から申告、定期的な面談など通常の税理士業務を行う場合、会社の年間売上のおおよそ3%~8%の顧問料が設定されるといわれています。しかし実際には会社の規模や業種によって顧問料は変動するため、一応の目安と考えて、会計事務所と相談のうえで納得できる依頼内容や顧問料を決めましょう。
月額顧問料以外に発生する費用
提示された費用に含まれるサービス範囲は税理士によって異なります。顧問契約にコンサル的なサポートが含まれている税理士もいれば、含まれていない税理士もいます。ホームページで目安より安い価格を提示している会計事務所でも、必要なサポートを受けようとすると、さまざまなオプション料金が加算される可能性があるため注意が必要です。
契約前に、月額顧問料に記帳代行・月次面談・税務相談が含まれるか、給与計算・年末調整は別料金か、決算申告料はいくらか、オプション料金が発生する業務は何かを必ず確認してください。
会社設立の方法別費用比較
会社設立にかかる費用は、どの方法で手続きを進めるかによって大きく異なります。自分で設立すると約25万円、司法書士に依頼すると約29万円から36万円、税理士に依頼(顧問契約前提)すると約26万円から31万円が目安です。税理士に依頼する場合、顧問契約を前提とすれば設立サポートを無料または大幅割引で提供する事務所が多く、電子定款対応で印紙代4万円も節約できます。
自分で設立する場合
- 定款認証手数料:約5万円
- 登録免許税:15万円
- 印紙代:4万円(電子定款でない場合)
- その他実費:約1万円
合計:約25万円
司法書士に依頼する場合
- 上記実費:約21万円(電子定款対応)
- 司法書士報酬:8万円から15万円程度
合計:約29万円から36万円
税理士に依頼する場合(顧問契約前提)
- 上記実費:約21万円(電子定款対応)
- 税理士報酬:無料から10万円程度(顧問契約前提の場合)
- 提携士業への支払い:5万円から10万円程度
合計:約26万円から31万円
費用を抑える制度
「特定創業支援等事業」の認定を受けた場合、株式会社設立時の登録免許税が15万円から7.5万円に軽減されます。この制度は市区町村が認定する創業支援事業を受けることで利用でき、約7.5万円の節約につながります。税理士に相談することで、このような制度の活用方法についてもアドバイスを受けられます。
会社設立で税理士への依頼を検討中の方へ
優秀な税理士と出会うことは、会社の成長の大きな助けになります。今回解説したような税理士のサービスを踏まえて、自分の会社が必要とする税理士を見つけましょう。
記事監修者 徳門税理士からのアドバイス
会社を設立する際、多くの方は倒産することを考えていません。長く事業を続ける前提で取り組んでいます。しかし、会社の継続のためには、決算や税務申告など数字や税金に関わる作業は避けて通れません。自分で全てをやろうとする方もいるかもしれませんが、どの程度の知識やスキルが必要なのかを把握するためにも、一度税理士に相談するのも良いでしょう。
また、税理士は会計指導もできます。例えば会社設立時からERPシステムを導入することで、日々の帳簿管理や請求書作成、在庫管理、支払い管理などを効率的に行うことも可能です。
会社設立を検討している方は、早い段階で税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q:会社設立時に税理士は必ず必要ですか?
A:法的には「必須」ではありませんが、専門家のサポートを受けることで設立手続きや節税対策、資金繰りといった経営の要となる部分をスムーズに進められます。特に、会社設立前後は経営者ご自身が本業に集中できる環境を整えることが大切です。税理士を活用すれば、書類作成や税務対応の負担を軽減できるため、結果的にコスト以上のメリットを得られるケースが多いと言えます。
Q:起業前に税理士へ相談するメリットは何でしょうか?
A:起業前から税理士に相談することで、定款の作成や資本金の設定、決算期の選定など、設立後に影響する重要事項を戦略的に決めやすくなります。また、開業準備費用など「設立前の支出」を経費に計上できるケースがあり、節税メリットを見落としにくい点も大きな利点です。早めの相談で、経営や資金繰りに関するリスクを把握・対策できるのもメリットの一つです。
Q:税理士に依頼する場合の費用はどのくらいかかりますか?
A:依頼内容や会社の事業規模によって異なりますが、開業直後の小規模法人であれば、月額顧問料はおおよそ2万円~5万円程度が目安です。さらに決算申告料などが別途発生します。ただし、顧問契約にどこまでのサービスが含まれるかは事務所によって異なるので、事前に「月額報酬に何が含まれるのか」「オプション料金はあるのか」をしっかり確認することをおすすめします。
Q:設立手続きを税理士にまるごと代行してもらえますか?
A:税理士自体が会社の定款認証や登記申請を直接代行することはできません。これらは行政書士や司法書士の独占業務にあたるからです。ただし、多くの税理士事務所は行政書士・司法書士と提携し、ワンストップで書類作成や登記をサポートしている場合があります。複数の専門家を個別に手配する手間を省きたいなら、提携先のある税理士事務所を探すとよいでしょう。
Q:会社設立後に税理士に依頼するタイミングを逃した場合はどうすればいいですか?
A:会社設立後、しばらく自力で税務対応していた方でも、必要性を感じたタイミングで税理士に依頼すれば問題ありません。特に、売上が1,000万円を超えてくると消費税の納税義務や会計処理が複雑化するため、経理負担を大きく感じるようになります。その段階からでも遅くはありませんが、対応が後手に回ると税務リスクが高まるため、早めの依頼が安心です。
Q:たくさんの税理士がいる中で、どうやって自分に合った税理士を選べばいいですか?
A:まずは「信頼性」「スキル」「レスポンスの速さ」という3つの基準で比較検討することをおすすめします。具体的には、実績や得意分野をしっかりと確認したうえで、初回の問い合わせや見積り依頼時の対応速度を見て判断しましょう。また、業種や事業規模に合った経験を持つ税理士かどうかも重要です。節税を重視したいなら節税案件に強い税理士、上場を目指すなら上場支援の実績がある税理士と、目的に合った専門家を選ぶことがポイントです。
