経理代行業者への依頼が税理士法違反になる?どこまでが合法かを正しく理解しよう!

経理代行業者への依頼が税理士法違反になる?どこまでが合法かを正しく理解しよう!
最終更新日:
2026/03/26
この記事の監修者
Vmaster税理士事務所
所長 松田 光弘(税理士)
 
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経理代行業者に頼んだら税理士法違反になるかも、と不安を抱える経営者は少なくありません。結論として、記帳や帳簿整理などの経理代行自体は税理士法違反にはなりません。 ただし、税理士の独占業務を無資格業者が有償で行えば違法です。どこまでは合法で、どこからが違法になるのかを正しく理解しておく必要があります。

経理代行が税理士法違反になるケースとは?

経理代行サービスは開業に資格・免許・登録が不要であり、税理士法でも禁じられていません。ただし、税理士法第52条が定める以下の税理士の独占業務を無資格者が有償・無償にかかわらず行った場合は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金(税理士法第59条)の対象となります。

  • 税務代理:税務調査への対応や税務署への申告手続きを代理で行う業務
  • 税務書類作成:法人税・所得税・消費税その他の税務申告書・申請書を作成する業務
  • 税務相談:税額の計算・税法の適用など、具体的な税務上の判断を回答する業務

経理代行業者が合法的に行える業務は、仕訳入力・帳簿記帳・請求書整理・給与計算・月次試算表作成など「税務判断を伴わない事務処理」に限られます。

記帳代行・年末調整・決算書作成の3業務はグレーゾーンになりやすく、判断の分かれ目は「税務判断を伴うかどうか」と「提携税理士が実際の運用に関与しているかどうか」の2点です。

経理代行を依頼する際に気をつけることは?税理士の見解

経理代行と税理士法の境界線は、実際の現場では判断に迷うケースが少なくありません。「どこまで頼んでいいのか」「今の業者は大丈夫か」といった経営者の疑問について、実際に寄せられた質問をもとに、監修税理士の松田先生に詳しく伺っていきましょう。

経理代行業者に確定申告を手伝ってもらうのは違法?

質問: 顧問税理士を置かず、経理代行業者に確定申告書や法人税申告書の作成まで依頼しているのですが、問題がありますか?

松田光弘先生

税理士資格を持たない業者が申告書を作成するのは、税理士法第52条に違反します。発覚すれば業者側は2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(税理士法第59条)。依頼者側への直接の刑事罰規定はありませんが、不適正な申告書が作成されるリスクや税務調査により多額の追徴課税を受けるリスク、申告書の説得力が損なわれ金融機関や行政機関からの信用が低下するリスクがあります。
申告書の作成・提出は必ず税理士に依頼してください。

無資格業者に税務相談してしまっていたら違法になる?

質問: 利用中の経理代行業者に「この経費は計上できますか?」と聞いて回答してもらっていました。これは違法ですか?

松田光弘先生

税額計算・税法の適用・課税の可否など具体的な税務判断を回答する行為は「税務相談」に該当し、税理士の独占業務です。無資格業者が行えば税理士法違反となります。
一般的な会計知識の説明や帳簿ソフトの使い方案内は問題ありませんが、税務判断を含む質問への回答は違法となるため、今後は提携税理士に確認する体制に切り替えてください。

記帳代行を税理士のいない代行業者に頼むのは税理士法違反になる?

質問: 経理経験のあるフリーランスに記帳代行を依頼しています。税理士でないと違法になりますか?

松田光弘先生

仕訳入力・帳簿作成は税理士の独占業務に含まれないため、無資格者が行っても税理士法違反にはなりません。 税理士法第52条が禁じるのは「税務代理・税務書類作成・税務相談」の3業務であり、帳簿の入力だけの作業はいずれにも該当しません。
ただし、記帳の過程で科目選定や費用計上の可否について助言を受ける場合は税務相談に踏み込むため、判断に迷う場面は別途税理士に確認する運用が安全です。

提携税理士がいる経理代行業者ならどこまで依頼できる?

質問: 利用中の業者は「提携税理士と連携しています」と説明しています。何がどこまで変わるのですか?

松田光弘先生

提携税理士との分業体制が整っていれば、記帳・帳簿整理・決算数値の集計は経理代行業者が担い、税務判断・申告書作成・税務相談は税理士が担うワンストップ運用が可能になります。 ただし「提携」の実態は業者によって大きく異なります。
「税務判断が必要な場面は誰が対応するか」「申告書に税理士が署名するか」を契約前に書面で確認するとともに、経理代行業者に対し実際の運用体制について具体的かつ詳細な説明を求めてください。

税理士法違反リスクのない経理代行業者を見極めるには?

質問: 経理代行業者を比較検討中です。税理士法違反のリスクがない業者かどうか、どう見極めればよいですか?

松田光弘先生

確認すべきポイントは3点です。
①税理士との提携体制が書面・契約書で明確か(具体的な税理士の氏名や税理士法人の名称、税理士事務所又は税理士法人の内部体制が明示されているなど)
②業務範囲の境界線(どこまでが経理代行でどこからが税理士業務か)が個別具体的に明記されているか
③税理士資格を有しないスタッフが税務判断を行わない内部方針が徹底されているか

この3点を満たしている業者は、法令遵守の観点から信頼性が高いと判断できます。口頭説明だけの業者は避け、書面及び詳細な提案資料で実際の運用の確認を徹底してください。

決算書の作成だけを経理代行業者に頼むのは合法?

質問: 申告書の作成は税理士に依頼しますが、決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成作業だけを経理代行業者に任せることは問題ありませんか?

松田光弘先生

決算書の作成自体は会社法上の帳簿整理であり、税務書類には当たらないため、無資格業者が行っても直ちに税理士法違反とはなりません。ただし、決算書をもとに申告書を作成する行為は「税務書類作成」として税理士の独占業務に該当します。 業者の業務範囲が「決算書作成止まり」なのか「申告書作成まで含む」のかを契約書で明確にし、申告書作成は必ず税理士に委託してください。

まとめ

経理代行サービス自体は税理士法に違反せず、記帳・帳簿整理・給与計算などの事務処理は無資格業者でも合法的に提供できます。一方、税務代理・税務書類作成・税務相談の3業務は税理士の独占業務であり、違反した業者には刑事罰が科されます。 記帳代行・年末調整・決算書作成はグレーゾーンになりやすいため、「提携税理士が税務判断を担う体制が整っているか」を契約前に書面及び具体的な説明資料で確認することが自社を守る最善の手段です。
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この記事の監修者
Vmaster税理士事務所
所長 松田 光弘(税理士)
私は税理士法人兼コンサルティング会社で10年間、税務顧問、融資支援、補助金申請支援、管理会計導入及び業務効率化支援業務に携わってまいりました。開業後は創業検討中の個人さまから事業拡大を目指す中小企業さままで、経営の道を親身に支援しております。小売、卸売、建設、不動産、製造、運送など経営管理が特に重要となる業種の顧問及びコンサルティング・プロジェクト実績があり、事業の流れや経営思考の理解、経営者とのコミュニケーション力に長けています。何ごともただ結果をご説明するのではなく、なぜそうなるのかという原因・仕組み及び経営者視点の判断ポイントを整理して分かりやすくお伝えすることが弊所のモットーです。

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この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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