税理士が何もしてくれないと感じたら?変更を決める前の見極め方
- 最終更新日:
- 2026/07/29

- この記事の監修者
- Vmaster税理士事務所
所長 松田 光弘(税理士)
相談データでわかった「何もしてくれない」と言われる税理士の共通点
法人から税理士紹介センタービスカスへ寄せられる実際の顧問変更の相談を見ると、その理由は「対応の薄さ」に集約されます。
連絡が途絶える、提案がない、ミスが続く、そして関与のわりに報酬が高い。不満の中身は次の5つの型に分けられます。
自社の不満がどこにあるかを切り分けると、伝えて直る話か、変更すべき話かが見えてきます。
- 連絡・レスポンス型:質問しても返信がなく、担当者が交代した途端に毎月出ていた試算表が止まる。
- 受け身型:こちらから連絡しないと動かず、依頼したときだけ試算表を出す程度の関与にとどまる。
- 提案なし型:決算前の節税の選択肢や、資金繰りへの助言が一度も出てこない。
- ミス型:決算書や源泉徴収票の誤りが続き、銀行融資の場面で決算書の間違いを指摘される。
- 割高感型:決算中心の関与なのに顧問料が高く、値上げが対応内容に見合わない。
これらに共通するのは、業務が止まること以上に「数字が見えず、状況を把握できないこと」への不安です。相談しても返ってこない、この不透明さが「何もしてくれない」という言葉に凝縮されています。
我慢か変更か、税理士への不満を見極めるには?
同じ「何もしてくれない」でも、伝えれば直るものと、変更したほうが早いものがあります。判断に迷いやすい場面ごとに、監修税理士に見極め方を伺いました。
「何もしてくれない」と感じたら最初に何を確認する?
質問:顧問料を払っているのに何もしてくれないと感じます。まず何から確認すればよいですか?

松田光弘先生
最初に契約書の業務範囲を確認してください。「何もしてくれない」の相当数は、契約範囲の思い違いで説明がつきます。税理士の業務は記帳代行、税務顧問、決算申告に分かれ、記帳代行だけの契約では節税提案や経営の助言は原則含まれません。毎月払っているのが記帳代行料だけなら、提案がないのは怠慢ではなく契約どおりです。まず契約の業務範囲を確かめ、足りない業務があれば追加や見直しを相談するのが順序です。
顧問料が安いと対応が手薄になるのは本当?
質問:今の顧問料はかなり安いほうだと思います。安さと対応の薄さは関係しますか?

松田光弘先生
関係することが多いです。顧問料は月額1万円から10万円程度が参考の目安で、年商規模や取引数、面談頻度で変動します。低価格の事務所は、面談の頻度を減らす、オンラインに絞る、経験の浅い担当者を付けるといった形でコストを抑えるため、手厚い提案や内容の濃い面談は期待しにくくなります。安さ自体が問題ではなく、求めるサービスと価格帯が釣り合っているかが判断軸です。相場より極端に安いなら、まずご自身のご要望に見合う内容かを見直してください。
こちらから聞かないと動かない税理士は変えるべき?
質問:こちらから連絡しないと何も動いてくれません。これは変更したほうがよいですか?

松田光弘先生
「聞けば答えるが自ら提案はしない」という姿勢だけが感じられるなら、それは税理士の一般的な特性の範囲です。税理士の中には税務リスクを予防することに集中し、最終判断を経営者に委ねる立場に徹する人も多いため、受け身に見えることがありますが、それ自体は問題ではありません。問題があるとすれば、申告や届出、申請の期限管理や契約で取り決めた試算表の提出まで受け身な場合です。約束した月次資料が出てこない、期限が迫っても連絡がないなら、契約不履行に該当する可能性があります。まず「○○日までに返信がほしい」と具体的に伝え、それでも変わらなければ変更を検討してもいいかもしれません。
節税の提案がないのは能力不足のサイン?
質問:節税の提案が一度もありません。税理士の能力不足でしょうか?

松田光弘先生
一概に能力不足とは言えません。提案が出ない背景には、契約が決算中心で顧問サービスを含んでいない、経営者側から将来の展望(いつまでにどのような設備投資をしたい、どのくらい従業員を増やしたいなど)や基本方針(年間の税金を幾らまでに抑えたい、交際費は幾らまで使うなど)が共有されていない、といった要因もあります。まず税理士に対して事業計画や資金繰りの悩みを具体的に伝え、それでも税理士から決算前に選択肢の提示すらないなら見直しを検討してもよいかもしれません。税制は改正が多く、設備投資に使える税額控除なども存在しますから、税制改正を見逃していると、本来払わずに済んだ税金を払い続けることもあり得ます。こちらから具体的な方針を伝え、要望を出していても、決算前に一度も相談の場がない状態が続くなら、変更を検討してもいいかもしれません。
決算の直前でも税理士を変えて大丈夫?
決算が近いのですが、今すぐ税理士を変えても問題ありませんか?

松田光弘先生
回答:変更自体は可能ですが、時期に注意が必要です。急な変更は資料や会計データの引継ぎが間に合わず、決算・申告を正しく、期限内に完了できないリスクがあります。決算月の2カ月前を切っているなら、いったん現在の税理士で申告を終え、翌期からの切り替えを基本線にするほうが安全でしょう。ベストタイミングは法人税申告書の提出後や税務調査の完了後で、業務が一区切りし責任の所在も明確になります。決算書や総勘定元帳などの返却も、切り替え前に現在の税理士に書面で依頼しておきましょう。
何もしてくれない状態を放置するとどうなる?
不満はありますが、変更が面倒でそのままです。放置するとどんな不利益がありますか?

松田光弘先生
回答:大きく3つあります。第一に申告漏れや期限遅れで、無申告加算税や青色申告控除の不適用などが生じ、本来不要な税金が発生したり、社会的信用が下がったりします。第二に節税機会の損失で、放置が長いほど余分な納税が積み上がります。第三に税務調査への不安です。調査時の立ち会いや説明が不十分だと、調査がスムーズに進まず、ペナルティを受ける恐れもあります。税理士に帳簿の作成を依頼している場合、自社だけで税務調査に対応することは困難です。契約内容を見直したり要望を伝えたりしても税理士のサービス品質の改善が見込めないなら、早めの見直しがコストとリスクを抑えるといえます。
まとめ
「税理士が何もしてくれない」と感じたら、順番が大切です。まず契約書で業務範囲を確認し、記帳代行と税務顧問の違いを切り分けます。次に不満を具体的に伝え、それでも試算表が出ない、期限管理が甘い、提案が一切ないという状態が続くなら変更を検討してください。放置は加算税や節税機会の損失につながります。税理士紹介センタービスカスは30年の実績と40万件以上のご紹介ノウハウをもとに、相性と業務内容の合う税理士を無料でご案内します。今の不満を書き出すことから始めてみてください。

- この記事の監修者
- Vmaster税理士事務所
所長 松田 光弘(税理士)
事務所公式ホームページはこちら
- 税理士・税理士事務所紹介のビスカス
- 税理士探し相談ガイド
- 税理士・税理士探し >
- 税理士が何もしてくれないと感じたら?変更を決める前の見極め方
