無申告でも受けてくれる税理士はいる?費用相場と調査前に動くべき理由

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- Vmaster税理士事務所
所長 松田 光弘(税理士)
無申告への調査は1件524万円、税務署の接触は文書中心に広がっている
無申告者への課税は、件数を絞って1件あたりを深く掘る方向に変わっています。実地調査の対象は前年より減った一方、1件あたりの追徴税額は過去最高を更新しました。同時に、税務署が自宅や事務所に来ない「簡易な接触」が大幅に増えており、無申告が発覚する入口は広がっています。
令和6事務年度、所得税の無申告者に対する実地調査は4,812件(前事務年度5,274件)でした。1件あたりの申告漏れ所得金額は2,992万円で、実地調査全体(特別・一般)の1,486万円のちょうど2倍。1件あたりの追徴税額は524万円に達し、実地調査全体(特別・一般)の299万円の1.8倍で、総額252億円とともに過去最高となりました。消費税の無申告者についても1件あたり296万円と過去最高です。
注目すべきは調査以外のルートです。文書、電話、来署依頼による「簡易な接触」は所得税全体で68万9千件と前年の1.24倍に増え、国税庁は調査先の選定にAIを活用していると明記しています。売上規模が小さいから対象外という前提はすでに成り立ちません。実際、税務署から届く1通の「お尋ね」が、無申告解消の入口になるケースが増えています。
無申告の依頼で判断が分かれる6つの論点を監修税理士に聞く
無申告の相談は、通常の確定申告代行とは前提が違います。受けるかどうかの判断が事務所ごとに分かれ、費用も年数分積み上がり、動くタイミングでペナルティの税率が変わるためです。ここからは、実際に相談窓口へ寄せられる質問をもとに、判断の分かれ目を監修税理士に確認していきます。
無申告の相談は税理士に断られることがある?
質問:何年も申告していない状態です。税理士に相談しても断られることはあるのでしょうか。

松田光弘先生
無申告対応を税理士に断られることは珍しくありません。過去分の帳簿をゼロからまとめる負担が大きいことに加え、その後税務調査が入った際の対応を担うのはリスクが大きいと考える事務所が少なくないためです。無申告対応をうたっていても、年間の実際の代行件数は事務所によって大きく異なります。顧問契約とセットでなければ無申告対応を受けない方針の事務所も存在します。断られた場合は、問い合わせの最初に「過去分の無申告に対応しているか、対応してもらう場合の条件はあるか」を確認したうえで探し直してください。
無申告を税理士に依頼すると費用はいくらかかる?
質問:費用の目安を知りたいです。だいたいいくらかかりますか。

松田光弘先生
参考例として、1年分あたり個人で6万〜30万円程度、法人で11万〜40万円程度です(各事務所が公表する料金表をもとにした目安であり、実際の金額は事務所ごとに異なります)。ここで、これらは1年分の単価である点にご注意ください。複数年をまとめると1年あたりの単価を下げる事務所もあるため、必ず「申告が必要な年数分の総額」で見積もりを取ってください。申告業務と記帳代行を区別して案内している事務所では、申告費用に記帳代行費用が加算されることもあります。費用の金額を左右するのは申告が必要な年数、売上高、仕訳数、消費税申告の要否、資料の整理状況、そして税務調査対応が含まれるか、の6点です。見積依頼時にこの6点を先に伝えると、比較できる金額が返ってきます。
税務調査の通知が来る前と後で、ペナルティはどれくらい変わる?
質問:税務署から連絡が来る前に自分から申告したほうがよいと聞きました。どのくらい違うのですか。

松田光弘先生
差は明確です。調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告をすれば、無申告加算税は5%で済みます。通知後で調査による決定を予知する前は10%(本税の額の50万円超の部分は15%、300万円超の部分は25%)、調査を受けた後は15%(本税の額の50万円超の部分は20%、300万円超の部分は30%)まで上がります(令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの)。さらに前年分と前々年分にも無申告があると10%が加算されます。延滞税も令和8年は年2.8%、納期限の翌日から2か月を経過した後は年9.1%です(過去の期間には当時の延滞税の割合が適用されます)。自分から動けばペナルティは軽く済みますが、言われるまで動かなければペナルティは重くなります。
何年分さかのぼって申告する必要がある?
質問:過去何年分を申告すればよいのでしょうか。

松田光弘先生
原則は5年分です。税務署が決定できる期間(除斥期間)が法定申告期限から5年、偽りその他不正の行為があった場合は7年と定められているためです(国税通則法70条)。法人はこれに加えて注意点があります。法人が2事業年度続けて期限内に申告書を提出しなかった場合、青色申告の承認が取り消され、欠損金の繰越控除その他の有利な税制が使えなくなります。法人税の申告義務は、売上がない事業年度でも消えません。加えて、赤字でも法人住民税の均等割が発生します(休眠して事務所を閉じた場合は、届出により均等割が免除される取扱いもあるため、個別に地方自治体などへの確認が必要です)。
領収書も帳簿も残っていない状態でも依頼できる?
質問:資料をほとんど保管していません。この状態でも受けてもらえますか。

松田光弘先生
依頼できます。通帳の入出金明細、クレジットカードの利用明細、取引先から受け取った請求書控えや支払調書を起点に、収入と経費を組み直す方法が実務では一般的です。通帳の取引明細は金融機関によって過去10年程度まで再発行に応じてもらえます(手数料と時間はかかります)。ただし、資料が不足していれば必然的に会計帳簿の証明力は弱まり、税額は増えざるを得ません。特に、現金払いの仕入れや経費は客観的な資料がないと証明が困難です。消費税の課税事業者だった年分はさらに資料不足の影響が大きく、帳簿と請求書等を保存していなければ仕入税額控除が受けられないため(消費税法30条7項)、売上に係る消費税がそのまま税額になることもあり得ます。また、申告書を提出していない年分は、税務署が事業規模などから所得を推計して課税することが認められており(所得税法156条)、税務調査で十分な資料を確認できなかった場合には、この推計課税の方法で税額が決定されることもあります。だからこそ、資料が手元に残っているうちに、その資料をそのまま持ち込んで、早い段階で税理士に判断を仰いでください。残っている資料が多いほど、税額が下がる可能性が高まります。
無申告に強い税理士はどこで見分ける?
質問:実績件数はどこも多いと書いてあります。何を基準に選べばよいですか。

松田光弘先生
確認するのは3点です。「調査の通知に関する同意」欄にチェックを入れたうえで税務代理権限証書を提出してくれるか、申告後に税務署から問い合わせが来た際に追加報酬なしで対応してくれるか、そして相談件数ではなく実際の申告代行件数がどれくらいあるかです。税務代理権限証書を提出しただけでは、調査の事前通知は本人と税理士の双方に届きます(国税通則法74条の9第1項)。前述の同意欄にチェックがあれば、通知は税理士に対してすれば足りることになり(同条5項)、税務署からの連絡窓口を税理士に寄せられます。これらの3点を明言しない事務所は、申告書を提出した時点で関与が終わる可能性があります。面談の場でこの3点を口頭で確認してください。
まとめ
無申告の解消で押さえるべき点は4つです。第一に、調査の事前通知前に自主的に申告すれば無申告加算税は5%にとどまり、調査後の15%〜30%とは大きな差が出ます。第二に、費用は1年分の単価であり、年数分積み上がります。第三に、法人は2期連続の期限後申告で青色申告が取り消されます。第四に、依頼先は税務代理権限証書の同意欄へのチェックと申告後対応の有無で選んでください。
とはいえ、無申告に対応する事務所かどうかを1件ずつ問い合わせて確かめるのは負担が大きく、断られるたびに時間だけが過ぎていきます。税理士紹介センタービスカスは創業以来40万件を超える紹介実績があり、4,200を超える登録事務所の中から、過去分の申告や税務署対応に実績のある税理士をご案内します。ご紹介は無料です。まずは無申告の年数と業種をお伝えください。

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