年末調整を税理士に頼むといくら?同じ人数でも見積もりが変わる理由

年末調整を税理士に頼むといくら?同じ人数でも見積もりが変わる理由
最終更新日:
2026/10/26
この記事の監修者
おだね税理士事務所
代表 小田根 大輔(税理士)
 
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年末調整を税理士に頼む費用は、基本料金に全員分の人数加算を足す料金体系なら、従業員20名で3万〜9万円程度が試算例です。同じ従業員数でも「どこまで任せるか」で費用は変わり、給与支払報告書や支払調書の作成が別料金の事務所も少なくありません。令和8年分は基礎控除が所得に応じて最大104万円に変わり、2027年1月からは源泉徴収票の税務署提出が原則不要になります。依頼範囲と費用、社労士との線引きを税理士が答えます。

年末調整の外注で税理士に任せられること、会社が責任を持つこと

年末調整は、毎月の給与から源泉徴収した所得税の合計と、1年間の正しい年税額との差額を精算する手続きで、給与を支払う会社の義務です(所得税法190条)。精算後は全員分の源泉徴収票の交付と、市区町村への給与支払報告書の提出が続きます。令和8年分の提出期限は2027年2月1日(月)です。

2027年1月からは、給与支払報告書を市区町村に出せば、税務署への給与所得の源泉徴収票の提出が不要になります(源泉徴収票のみなし提出の特例)。ほかに出す法定調書がなければ法定調書合計表も不要です。ただし、顧問税理士への年間報酬が5万円を超える場合など、支払調書の提出対象があれば合計表は引き続き必要です。つまり、顧問税理士がいる会社でも、年明けの税務書類がすべてなくなるわけではありません。

税額計算や税務書類の作成、申告書の回収といった実務は税理士に委託できますが、適切な源泉徴収と年末調整を行う義務は会社に残ります。

年末調整を税理士に頼む前に確認したい6つの疑問

年末調整の外注は、費用の決まり方や依頼できる範囲が事務所ごとに大きく異なり、依頼前に知っておくべきポイントが数多くあります。ここからは、実際に寄せられた質問をもとに、年末調整を税理士に依頼する際の実態について監修税理士の小田根先生に詳しく伺っていきましょう。

年末調整を税理士に頼むと費用はいくら?

質問:従業員20名の会社です。顧問契約のない税理士に年末調整だけを依頼した場合、費用はどれくらいかかりますか?

小田根大輔先生

小田根大輔先生

基本料金1万〜3万円に、従業員1人あたり1,000〜3,000円を全員分加算する料金体系なら、20名で3万〜9万円が試算例です。基本料金2万円・単価2,000円なら6万円になります。基本料金に一定人数分を含め、超過分だけを加算する事務所もあります。20名で9万円を超える見積もりが出た場合は、支払調書の作成や従業員対応など、基本料金に含まれない作業が加算されていないか内訳を確認してください。12月に入ってからの依頼は割増になりやすい点にも注意が必要です。

税理士は年末調整をどこまで代行してくれる?

質問:税理士に年末調整を頼めば、社内の作業はほとんどなくなると考えてよいでしょうか?

小田根大輔先生

小田根大輔先生

代行範囲は大きく3段階に分かれます。①申告書のチェックと年税額の計算まで、②源泉徴収票の交付や給与支払報告書の提出、必要に応じた支払調書・法定調書合計表の作成・提出まで、③毎月の給与計算から年末調整まで一括、です。令和8年分(令和9年1月提出分)からは市区町村へ給与支払報告書を提出すれば、税務署への源泉徴収票の提出が原則不要になります。一方で、報酬の支払調書があれば合計表は残るため、②に何が含まれるかは書類名で確認してください。申告書の回収や従業員からの問い合わせ対応を委託できる事務所もありますが、適切な源泉徴収と年末調整を行う義務は会社にあります。

社労士に年末調整を頼むのは違法?

質問:給与計算を顧問の社労士にお願いしています。年末調整もそのまま社労士に頼んで問題ありませんか?

小田根大輔先生

小田根大輔先生

社労士が業として年末調整を行うことは、税理士法52条(税理士業務の制限)に違反するとされています。日本税理士会連合会と全国社会保険労務士会連合会の間でも、年末調整に関する事務は税理士業務に該当すると確認されています。ただし、毎月の給与計算や社会保険料の算定は社労士に依頼できるため、給与計算は社労士、年末調整は税理士という分担は問題ありません。窓口を一本化したい場合は、両資格を持つ先生や、税理士と社労士が連携する事務所を選ぶ方法があります。

令和8年分の年末調整は何が変わる?

質問:今年の年末調整は改正があると聞きました。例年どおりのやり方で対応できますか?

小田根大輔先生

小田根大輔先生

主な改正点は4つあります。1つ目は基礎控除の引上げで、本則は58万円から62万円になり、令和8・9年分は合計所得金額489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円です。2つ目は給与所得控除の最低保障額の引上げ(65万円から74万円)、3つ目は扶養親族等の所得要件の引上げ(58万円以下から62万円以下)、4つ目は23歳未満の扶養親族がいる人の一般生命保険料控除の特例です。施行日が令和8年12月1日のため、11月までの源泉徴収は改正前の税額のまま行われ、改正による差は12月の年末調整に集中します。給与ソフトの更新と、従業員が令和8年分の新様式で申告書を出しているかを確認してください。

年末調整のミスが後から見つかったらどうなる?

質問:年末調整が終わった後で、扶養家族の記入漏れや計算の誤りが見つかった場合はどうすればよいですか?

小田根大輔先生

小田根大輔先生

扶養親族の異動などで年税額が変わった場合は、源泉徴収票を交付する翌年1月末日までであれば、会社が年末調整をやり直せます。期限後は、多く納めた分を従業員自身が確定申告で取り戻すことになります。会社側の計算誤りで源泉所得税を法定納期限までに納めていなかった場合は、不足額の納付に加えて不納付加算税や延滞税の対象になり得ます。法定納期限は、令和8年分の年末調整分なら2027年1月12日、納期の特例を受けている場合は1月20日です。不納付加算税は原則10%ですが、税務署の告知を受ける前に自主納付すれば5%に軽減されます(なお、加算税額が5,000円未満の場合は徴収されません)。

年末調整の依頼はいつまでに相談すべき?

質問:年末調整を初めて外部に依頼します。いつ頃までに税理士へ相談すれば間に合いますか?

小田根大輔先生

小田根大輔先生

10月中の相談が目安です。11月以降は税理士事務所の繁忙期に入り、顧問先以外のスポット依頼を受け付けない事務所もあります。申告書を配布する前に依頼先を決めておけば、税理士が指定する形式で資料を回収でき、差し戻しの往復を減らせます。相談時は、従業員数(役員、パート、中途入社、年内退職者の内訳)、使用している給与計算ソフト、精算を12月と1月どちらの給与で行うかを伝えると、見積もりが正確になります。

まとめ

年末調整の外注費は、従業員数に加えて「年明けの提出書類をどこまで含むか」で変わります。令和8年分は提出期限が2027年2月1日で、税務署への源泉徴収票提出が原則不要になる初年度でもあるため、依頼範囲は書類名で確認してください。依頼先は社労士ではなく税理士で、給与計算と分担する場合も線引きを事前に決めておきます。見積もりの比較は、繁忙期に入る前の10月中に始めるのが確実です。

税理士紹介センタービスカスでは、創業31年のご紹介実績をもとに、年末調整のスポット依頼や給与計算とあわせた依頼に対応できる税理士を無料でご紹介しています。従業員数と依頼したい範囲をお伝えいただければ、専任コーディネーターが条件に合う事務所を選び、聞きづらい料金の確認も間に入って行います。

この記事の監修者
おだね税理士事務所
代表 小田根 大輔(税理士)
業界歴15年間で、法人・個人事業主の顧問業務、申告(法人税、消費税、所得税、相続税)業務のほか、財務・税務のデューデリジェンス業務、公益法人の顧問業務、M&Aや事業承継業務など、幅広い業務に携わってまいりました。これらの経験を通じて、企業の成長と発展には、税務・会計の専門家としてのサポートが不可欠であることを確信しております。また、企業経営には、常に様々な課題がつきものです。税務・会計に関するお悩みはもとより事業に関することまで、どうぞお気軽にご相談ください。お客様の立場に寄り添い、最善のサポートをさせていただきます。

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この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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