税理士を選ぶなら近所の事務所がいいの?税理士選びのポイントも解説
- 公開日:
- 2023/05/15
物理的な近さは、税理士選びのポイントの1つ
税務申告などを税理士に依頼するケースにも、さまざまあります。
- 会社の顧問税理士を頼む
- 会計や税務だけでなく、数字を生かした経営へのアドバイスも欲しい
- 個人事業主として記帳(帳簿付け)や確定申告を頼む
- 相続について相談したい
例えば、顧問税理士として、定期的に事務所を訪問してもらうような場合に、飛行機や特急列車を使わなければ来られないような場所の税理士を頼むのは、コストを考えても現実的ではないでしょう。
反対に、被相続人(亡くなった人)が多くの不動産を所有していて、高額の相続税の発生が見込まれるような場合に、多少遠くてもその分野のスペシャリストに依頼するといったことは十分ありえます。
税理士選びには、「仕事やサービスの内容」「費用」「相性」そして「物理的な近さ」といったポイントがあります。「近さ」をどれだけ重視するのかは、税理士に何を求めるのかによって違ってきます。
「近い税理士」を選ぶメリット
自分の会社、自宅から近い税理士を選ぶメリットには、次のようなことがあります。
お互いに訪問しやすい
今も述べたように、1ヵ月~数ヵ月おきに会社を訪問して帳簿のチェックや税務などに関するアドバイスをもらうようなケースでは、できるだけ近いほうが効率的で、コストもかかりません。自分の方から、事務所を訪ねる場合も同様です。
税務調査などに素早く対応してもらえる
税務署による税務調査では、税理士の立会いが認められます。税務署との日程の調整なども含めて、近くに税理士がいれば、速やかに対応してもらえるでしょう。例えば、渡すべき書類に不備があったようなトラブルに対しても、すぐに訪ねられる距離にいれば、迅速なリカバリーが可能になります。
親密な関係を築きやすい
物理的な近さは、親密度にも反映します。「すぐに会って話せる」ことで、何でも相談できるような関係を築きやすいはずです。
地域の金融機関を紹介してもらえる
地域の地銀や信金とのつながりを持っている税理士も、多くいます。融資を受けたいと思ったときには、彼らは頼りになる存在になるでしょう。
精神的な安心感がある
経営者ならば、常に資金繰りや税金のことが頭から離れないと思います。近場にマネーについてのプロフェッショナルがいてくれるというのは、それだけで安心感があります。
「近さ」は必要ないケース
一方、必ずしも物理的な近さが優先されない場合もあります。
「リモート」で対応可能
コロナ禍で、会議などについては、自宅と会社をつないでリモートで行う在宅勤務が普通のことになりました。同様に、税理士との打ち合わせも、Web会議システムなどのツールを活用すれば可能な時代です。対面か電話、FAXぐらいしか情報交換の方法がなかった以前に比べ、「近くでなくてはならない」必然性は大きく薄れたといっていいでしょう。
また、記帳や申告書類の作成などに関しても、デジタル化された環境で事務所とつながっていれば、いちいち資料を送ったりすることなく、完結させることが可能です。
年に数回の訪問なので、距離はあまり気にならない
「依頼するのが記帳と申告のみで、必要なのは書類のやり取りなどに限られる」あるいは「会社への訪問は年に数回しかない」といった場合には、ある程度遠方でもさほど不便は感じないはずです。同じ仕事をより低価格で引き受けてくれる税理士がいれば、そちらを選ぶこともありえるでしょう。
他に優先したい条件がある
本来は近いほうがいいけれど、それよりも優先したい条件が存在することもあるでしょう。例えば「経営について専門的なアドバイスが欲しいが、近場にはニーズに合う税理士が見当たらない」というようなケースです。
そのような場合には、距離の遠さにはある程度目をつぶって、自分にとって最適の税理士を選ぶことも選択肢になります。
「近さ」がデメリットになることもある
あえて指摘しておくと、場合によっては、物理的な近さが問題になることもあります。
先ほど「親密さ」をメリットに挙げましたが、必ずしもそれを求めない、ビジネスライクな関係を保ちたい場合には、近さが逆効果になる可能性があります。特に問題になるのは、相性が合わないなどの理由で、他の税理士に切り換えたいときです。感情的なしこりが残ったりすると、解約後も近所にいるのは、けっこう辛いことになるかもしれません。
近くにいる税理士の探し方
以上を考えたうえで、やはり近くにある事務所がいいと思う場合には、それを条件に加えて、税理士を探すようにしましょう。比較的頻繁に訪問してもらうのならば、交通機関を使って大体1時間半以内が「近さ」の目安になるでしょう。
税理士を探すには、「同業者などの紹介」「インターネット検索」などのほかに、「実績のある税理士紹介会社を利用する」という方法があります。場所のほか、例えば「建設業に詳しい」などのニーズを伝えることで、それに沿った税理士を効率的に選ぶことができます。基本的に紹介料などのコストがかからないのも、大きなメリットといえるでしょう。
まとめ
近くの場所にいる税理士に依頼することには、多くのメリットがあります。ただし、離れていても会議ができるオンラインツールが整ったことなどにより、「近くでなければならない」必然性は、かつてより低くなっています。他のニーズも考え合わせて、最適な税理士選びを目指しましょう。
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