工務店に強い税理士の選び方!失敗しないためのリアルな注意点を解説
- 最終更新日:
- 2026/02/25

- この記事の監修者
- Vmaster税理士事務所
所長 松田 光弘(税理士)
工務店が税理士を必要とする理由
工務店とは、地域に密着して住宅の新築やリフォーム、増改築などを請け負う建設業者を指します。社長自身が大工出身であることも多く、設計から施工まで一貫して行う場合や、施工専門で行う場合など形態は様々ですが、顧客との距離が近くきめ細やかな対応を強みとしています。
工務店経営では、受注から完成まで数ヶ月を要する長期の工期、材料費や外注費の先行支払い、売上計上のタイミング判断など、一般的な商業簿記とは異なる「建設業会計」の知識が不可欠です。完成工事基準や未成工事支出金の計上、工事台帳による現場ごとの収支管理は、建設業を知らない税理士では対応できません。さらに資材価格の高騰、インボイス制度への対応、2024年問題(時間外労働の上限規制)など、外部環境の変化も激しく、専門家のサポートなしでは経営判断を誤るリスクが高まります。
工務店に強い税理士は、単なる税務申告だけでなく、原価管理による利益の見える化、資金繰り表の作成による黒字倒産の回避、建設業許可申請のサポート、銀行融資の交渉支援など、経営全体をサポートします。特に年商1,000万円を超えて消費税の課税事業者になった時、従業員を雇用した時、建設業許可を取得したい時、銀行融資を受けたい時は、工務店に精通した税理士への依頼を強く検討すべきタイミングです。正確な決算書は銀行からの信用力を高め、適切な節税対策は内部留保を増やし、会社を強くします。
工務店に強い税理士の選び方や注意点
工務店経営には他業種にはない特殊な会計処理や資金繰りの課題があり、税理士選びで失敗すると経営判断を誤るリスクがあります。ここからは、工務店の経営者が実際に抱える疑問について、建設業に精通した税理士の視点から詳しく解説していきます。
工務店に強い税理士はどう選べば良い?
質問: 工務店を経営していますが、現在の税理士が建設業会計をあまり理解していないようです。工務店に強い税理士を選ぶ際の具体的なポイントを教えてください。

松田光弘先生
建設業の顧問実績、融資支援の実績、定期的な面談体制の3点を必ず確認してください。面談時に「未成工事支出金の管理はどうされていますか?」「建設業の顧問先は何社ありますか?」と質問し、即座に具体的な回答が返ってくるかを見極めましょう。
完成工事基準や工事台帳による原価管理、売掛金入金と資材・外注費支払の時期ずれなど建設業特有の事業構造を理解していない税理士では、現場ごとの収支が見えないまま経営を続けることになります。運転資金確保のため融資交渉をサポートした実績があるか、毎月または数ヶ月に一度は試算表をもとに経営会議ができる体制かも重要です。
工務店の税理士費用の相場はどれくらい?
質問: 工務店で税理士に依頼する場合、費用はどれくらいかかりますか? 年商や業務内容によって変わると聞きましたが、具体的な相場を知りたいです。

松田光弘先生
年商や訪問頻度によって変わります。年商1,000万〜3,000万円未満なら月額顧問料1万5,000円〜2万円(訪問は2〜4ヶ月に1回)、年商5,000万〜1億円未満なら月額2万〜3万円(訪問は毎月〜3ヶ月に1回)が目安です。決算申告料は月額顧問料の4〜6ヶ月分程度が別途必要です。記帳代行を依頼する場合は月額5,000円〜1万5,000円程度が追加されます。
建設業許可の申請は税理士では代行できませんが、行政書士に依頼できます。相場は5万〜15万円程度です。見積もり時に「月額顧問料に何が含まれるか」を明確に確認してください。
工務店はいつ税理士に依頼すべき?
質問: 一人親方から法人化を検討していますが、どのタイミングで税理士に依頼するのがベストですか?法人化してからでは遅いでしょうか?

松田光弘先生
会社設立(法人成り)の直前、建設業許可の取得を考えた時、年商1,000万円を超えた時、銀行融資を受けたい時が依頼の最適タイミングです。特に法人化は登記前に相談することが重要で、資本金の額、決算期の設定、役員報酬の決定など、税務上有利な選択を検討する必要のある事項が多数あります。
建設業許可取得時は直近の決算書が要件を満たしているか事前チェックが必要です。売上急増時や税務調査の連絡が来た時は緊急性が高く、すぐに対応してください。
未成工事支出金とは何?管理しないとどうなる?
質問: 決算書に「未成工事支出金」という項目があります。これは何ですか? 期末にどう処理すればよいのか教えてください。

松田光弘先生
未成工事支出金とは、工事進行中でまだ売上計上されていない案件につき、その工事のために支払った材料費や外注費などを資産として計上する勘定科目です。製造業の「仕掛品」に相当し、工事完成まで貸借対照表の資産の部に計上されます。
未成工事支出金の計上が漏れると、売上計上されていない案件の費用が当期に計上されるため、当期の利益が過少になり税務調査で否認され追徴課税を受けることに繋がります。期末に進行中の現場について投入した原価を集計し、未成工事支出金として適切に計上してください。また、未成工事支出金の額を管理できていないと赤字工事を繰り返すリスクが高まりますから、未成工事支出金は期末だけでなく期中にも計上することが望ましいです。
一人親方への外注費と給与の違いは何?
質問: 一人親方に支払う費用を外注費として処理していますが、税務調査で給与と判定されるリスクがあると聞きました。どう判断すればよいですか?

松田光弘先生
実態が「指揮監督下にある」「道具や材料を会社負担」「代替性がない」場合は給与と判定され、消費税の仕入税額控除が否認されたり源泉所得税の徴収漏れを指摘されたりします。外注費として認められるには、請負契約書を明確に作成し、成果物ベースでの報酬設定、本人の裁量による作業時間の決定、道具や車両は本人持ちといった実態を整備する必要があります。
インボイス制度が導入されて以降、免税事業者の一人親方からの仕入については仕入税額控除が制限されるケースがあるため、税理士と相談して契約書や実態を適切に整備してください。
工務店の資金繰りで注意すべきポイントは何?
質問: 売上は順調ですが手元のお金がいつも不足気味です。工務店特有の資金繰りで注意すべきポイントを教えてください。

松田光弘先生
入金と支払いのタイムラグ、材料費や外注費の先行投資、予想外の追加原価が資金繰りを圧迫する3大要因です。着手金・中間金・最終金と工事代金の入金が分割される一方、材料費や外注費の支払いが先行するため常に運転資金が必要になります。
「入りは早く、出は遅く」の原則で取引条件を見直し、着手金の割合を増やしたり、出来高入金としたりする交渉や支払サイトの延長を実施してください。資金繰り表で少なくとも3ヶ月先までの入出金を予測し、資金ショートの兆候を察知することが重要です。税理士に資金繰り表の作成支援や融資サポートを依頼しましょう。
まとめ
工務店経営では、長期の工期、複雑な原価管理、入出金のタイムラグなど、他業種にはない課題が経営者を悩ませます。建設業会計に精通した税理士を選ぶ基準は、未成工事支出金や完成工事基準、入金と支払の時期ずれの理解、工事台帳による原価管理の実践、融資支援の実績、定期的な面談体制です。費用相場は法人で月額3万〜5万円が目安ですが、資金ショート回避や適切な節税による投資効果で判断すべきです。法人化の直前、建設業許可取得時、年商1,000万円超の時、融資を受けたい時が依頼の最適タイミングです。
同業者や建設業協会からの紹介、税理士紹介サービスの活用、「地域名+工務店+税理士」での検索などで候補を絞り、面談で建設業への理解度と相性を確認しましょう。工務店の成長には、技術力だけでなく緻密な数字の管理により健全な財務状況を維持することが、事業主の信頼度を高め、事業基盤の安定した元請からの受注を得るためにも不可欠です。建設業に強い税理士という信頼できるパートナーを見つけ、資金繰りの安定と持続的な成長を実現してください。
税理士紹介センタービスカスでは、工務店経営に精通した税理士を無料でご紹介します。創業30年で40万件以上の相談実績により培ったノウハウをもとに、建設業会計や資金繰り管理、融資支援に強い税理士を厳選。専任の税理士コーディネーターが、お客様の課題やご要望を丁寧にお伺いし、最適な税理士をご案内いたします。ご紹介料は一切無料、日本全国対応可能です。工務店の経営課題でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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