24年度税制改正大綱(7、国外財産調書制度の創設等)
2011.12.28

国際課税の分野では、国外にある財産等を日本の税務署が効果的に
調べることが出来るようにするための改正が図られています。

まず、税務行政執行共助条約等における徴収共助、つまり、
租税条約を締結している国の間では、お互いの税務署が協力して
税金を徴収できる仕組みを、日本の法律を改正するようです。
・相手国等から徴収共助の要請があった外国租税債権を徴収する場合、
国税徴収法の国税の優先権の規定を適用しないこと。
・相手国等の要請が納税者の権利救済の機会を確保しないものである場合、
共助を実施しないこと。
・相手国等に徴収共助又は保全共助の要請をした国税に関し、
消滅時効の中断等の特例等の規定の整備をすること。
等が挙げられていますが、平成25年7月1日からの適用とのこと。

また、国外財産調書制度を創設して、
日本に居住する者が、その年の12月31日において価額の合計額が
5000万円を超える国外財産を所有している場合には、当該財産の種類、
数量及び価額等を記載した国外財産調書の提出を義務化するようです。
国外財産調書の提出がある場合、申告漏れ等に係る所得税・相続税の
5%相当額を加算税額から減免する一方、提出がない場合には、
申告漏れ等に係る所得税の5%相当額を加算税額に加算するようです。
これは平成26年1月1日から適用されるようです。

実質的に支配・被支配関係にある者の間の利子を利用した租税回避の
防止規定は平成25年4月1日以後に開始する事業年度から適用とのこと。

国際課税分野では、手続法分野での改正が目立ちます。
フランスや韓国ですでに導入されている航空機連帯税をはじめとする
国際連帯税の導入については、「国際的な取組みの進展を踏まえ、
今後、真摯に検討を行」うこととされ、先送りされました。

国際課税分野は、専門家が少ない(国税庁国際課税課出身の方が
多いように思います)こともあって、改正の解説でもあまり重点を
おかれていないように思いますが、執行共助や国外財産調書制度は、
国際取引や国外財産を利用した租税回避が多発する現状を考えると、
課税の公平を図る意味で大きい改正かもしれませんね。


24年度税制改正大綱(6、沖縄関連税制加筆)
2011.12.27

来年の税制改正も今年と同様に前代未聞の展開になってきました。
今年は第3次補正予算まで組まれ、第4次が閣議決定され、
来年に入ってから審議されるようですが、
来年の税制改正も10日に大綱が示されましたものの、
24日、とんでもないクリスマスプレゼントになりました。
なんと、税制改正大綱の一部改正が行われたのです。

8ページも増えていたので驚きましたが、22日の税制調査会で報告された
沖縄関連税制に関する最終整理案が加筆されたようです。

内容的には、那覇空港、那覇港、中城港周辺に設けられる予定の
「国際物流拠点産業集積地域(仮称)」において、認定を受けた法人は
設立後10年間に渡って、所得の40%を所得控除できる制度や、
同地域で工業用機械等を取得した場合の特別償却・特別控除制度をはじめ、
沖縄振興策として、通信業や金融業のバックアップセンターや
セキュリティーセンター等を沖縄においた場合の特別措置、
新規投資を呼び込むための特別措置等が盛り込まれていますし、
在日米軍の移転に伴って市町村等に買い取ってもらった用地跡地の
譲渡所得について、収用交換等とみなして5000万円の特別控除の
対象とする措置や、沖縄路線航空便に対する航空機燃料税の軽減措置等、
沖縄という地域的特性ゆえの特別措置が追加されています。

沖縄経済においては、利用価値の高い土地の多くを在日米軍に
押さえられていることや、離島群であることが、
発展の阻害要因になっている部分もあります。
また、在日米軍の多くが沖縄に集中しているという現実が、
沖縄の負担で日本の安全が図られているという部分もあります。
だからこそ、鳩山マニフェストでは「最低でも県外」という
出来もしない口約束をすることになったのかもしれませんが。

しかし、沖縄ばかりに優遇措置をとることに意味があるのも事実。

ただ、大綱が出て2週間で8ページもの加筆をするというのは
どうかとは思います。
最高裁平成23年9月22日判決、同30日判決の意味を考えれば、
反則だと思うんですけどね。


24年度税制改正大綱(5、エコカー減税、CO2削減増税)
2011.12.21

環境関連税制としては、いわゆる「エコカー減税」の3年延長、
石油石炭税に「地球温暖化対策のための税」の上乗せ、でしょうか。

エコカー減税とは、環境性能に優れた自動車に対して、
自動車取得税や自動車重量税を軽減する措置のことで、
平成24年3月末もしくは4月末で適用期限が終了することに
なっていますが、これを平成27年3月末まで継続するようです。

また、昨日12月20日に閣議決定された第4次補正予算案では、
エコカー補助金が復活するようですから、
エコカーへの買換え需要の増大が期待されるところでしょうか。

タイの水害により痛手を被った自動車業界からは歓迎されそうですね。

一方で、石油石炭税においては、平成24年10月1日より
平成28年4月1日にかけて3段階で環境対策増税を行うようです。

原油・石油製品については、現行は1kl当たり2040円のところ、
H24.10.1~2290円、H26.4.1~2540円、H28.4.1~2800円に、
ガス状炭化水素は、現行1t当たり1080円のところ、
H24.10.1~1340円、H26.4.1~1600円、H28.10.1~1860円に、
石炭は、現行1t当たり700円のところ、
H24.10.1~920円、H26.4.1~1140円、H28.4.1~1370円と
単位当たり800円近い増税が提案されています。

鳩山ドクトリンによりCO2排出量1990年比25%ダウンが
国際公約になっていますから、
環境対策は急を要する重要な政策課題ですからね。
前回ご紹介した、再生可能エネルギー発電設備の取得に関する
即時償却制度と並び、民主党政権らしい税制対応ではないでしょうか。


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