奉仕と利得
2007.10.11
昨日の続き、この事件についてもう一つ気になることです。
今回の事件が拡大した一つの要因として、NPO法人が悪用されました。
そのことについての意見です。
まず最初にお断りを。
私自身、複数のNPO法人とのお付き合いがあります。
それらの団体は非常にまじめに活動をされていますし、(後述しますが)必要な部分については
きちんと税務申告も行っております。
その他、仕事上以外のお付き合いでもきちんとした活動をしているNPO法人さんを
存じ上げております。
今回の文章は、それらきちんとした団体の方々を貶めることが目的ではありません。
NPOという組織を悪用している人間を非難するものとして読んで頂ければ幸いです。
また、これからNPOに参加する、あるいはお付き合いを始める方々の判断基準としても
活用して頂ければ、と思っております。
まず、世の中に蔓延しているNPOに関する一番の誤解を解きます。
NPOという団体は、別に国と一緒に仕事をしているような団体ではありません。
NPOとは、国や公共団体では手が届かない非営利事業を行うために設立される団体です。
例えば防災に関する知識の啓蒙について、消防署等のみではまかないきれない様な
活動を、民間の力を利用してカバーしていこう、というような趣旨です。
設立の許認可権は都道府県が持っていますが、その後の活動はあくまで民間主体です。
問題はその設立についてですが、正直にいってチェックがかなり甘いです。
「地域社会を応援する世界造りのための奉仕団体」など、よくわからないけど
公益性がありそうな目的を掲げれば、かなり簡単にNPO法人は設立出来てしまいます。
更にもう一つ、案外知らない方も多そうなお話をしておきます。
NPO法人は営利活動を認められています。
中には結果的に営利活動しか行っていないNPO法人もあります。
ただし、それ自体は決して攻められるべき事項ではありません。
営利活動については、きちんと税務申告をしていれば、何も問題はないのです。
(ついでに、税務申告とは別の書類を都道府県等に提出しますが、今回は省略)
ここで考えて頂きたいのは、何が非営利で、何が営利なのかということです。
「営利を目的としていたのに結果として赤字だから非営利」という理屈は成り立ちません。
最初から、明らかに割に合わない、あるいは収入が立たないとわかっているような
事業が非営利活動に当たります。
例えば「防災セットを一つ10,000円で仕入れて、それを地域の人に3,000円で売る」
というような事業です。
通常、この7,000円の赤字を埋めるために、活動に賛同できる方からの寄付金が
充てられるわけです。
問題は、NPOというだけで税務申告を逃れているような団体が散見されることです。
私の知っている最も悪質な事例を書いておきます。
その筋の人間が介護福祉系のNPOを設立、崇高な理念を掲げ、活動趣旨に賛同した
善良な人々を集め活動を開始、経費を賛同者に押し付けながら領収書だけは回収、
税務申告用の資料など適当そのもの、離反しようとする人間には給与の未払いを
勝手に通告、味をしめたのか今では複数のNPO団体を設立。
もう一つ、NPOを経由した被害の特徴として、活動に参加されている方々も巻き込まれ
やすいという特徴があります。
NPOに参加する方々は、よく言えば無欲、悪く言えばお金に関して無頓着な方が
結構多いのです。
上記の例のように、狡賢い人間が、そういった方々の無知に付け込み、搾取する
ような仕組みを構築していたりします。
最後に、以前NPOについての講演会に参加した際に聞いた話で締めます。
アメリカではNPOが沢山設立されています。
その中には、当然に怪しい団体も数多く存在しています。
もし自分が寄付をした団体がそのような怪しい団体だったらどうするのですか、と
アメリカのNPO関係者に質問した所、このような答えが返ってきたそうです。
「そんなもの、寄付する前にきちんと調べておきなさい。
自分が納得できないものに寄付をする方がおかしい。」
寄付するにしろ、参加するにしろ、まずその人たちの本性をしっかりと見極めて下さい。
結局、NPOでもその他の団体でも、動かしているのは人間なのです。
最後の最後に。
今回の事件、私が興味を持っている「電子マネー」と、お付き合いのある「NPO法人」の
両方が悪用されてしまったという、とても悲しい事件です。
これがきっかけで、両者に対する評価が悪くならないことを願います。
むしろ、これを反面教師として、この両制度に対する正しい理解が広まるよう、私としても
微力ながら活動を続けていきたいと思います。