確定申告の時期が近づくと「自分でできるのか、それとも税理士に依頼すべきか」と悩む個人事業主や副業をお持ちの方も多いでしょう。自分で申告すれば費用を抑えられる一方、税理士に依頼すれば正確性や節税効果が期待できます。年間売上300万円以下の副業収入や小規模事業であれば、会計ソフトを活用することで初心者でも十分対応可能です。本記事では、自分で確定申告する場合と税理士に依頼する場合の違いやメリット・デメリットを詳しく比較し、あなたに最適な選択肢を見つけるためのポイントを解説します。
目 次
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【まとめ】確定申告ってなに?やり方や必要なもの、ポイント・注意点
確定申告は自分でできる?税理士依頼との違い
確定申告は自分で行うことも可能ですが、事業規模や個人の状況によって適切な選択肢は変わります。どちらの方法にもそれぞれの特徴があるため、まずは基本的な違いを理解しておくことが重要です。
自分で確定申告をする場合の流れと難易度
確定申告を自力で行う場合、①必要書類の収集→②経費の仕分け→③会計ソフトへの入力→④申告書作成・提出という流れになります。年間売上が300万円以下で取引件数が少ない個人事業主や、簿記の基礎知識がある方であれば十分対応可能です。
つまずきやすいポイントは、必要経費の判断です。家事按分が必要な光熱費や通信費、事業用とプライベート用の区別が曖昧な支出などで迷うケースが多く見られます。また、各種控除の適用要件や計算方法も複雑で、見落としによる節税機会の損失も起こりがちです。
活用できるツールとして、国税庁の無料「確定申告書作成コーナー」は画面の指示に従って入力するだけで申告書を作成できるため初心者にも使いやすくおすすめです。民間の会計ソフト(年間数千円~数万円程度)では、銀行口座やクレジットカードとの連携により入力作業を効率化できます。
コスト面では税理士報酬が不要なため大幅な費用削減が可能ですが、リスクとして税法知識不足による申告ミスや追徴課税の可能性があります。
税理士に依頼する場合のメリット
税理士への依頼は費用がかかる分、正確性と安心感という大きなメリットがあります。税法のプロが適切な経費計上や控除の適用を行うため、申告ミスのリスクが大幅に軽減され、結果的に節税効果も期待できます。
時間削減効果も見逃せません。申告準備にかける時間を本業に集中できるため、事業の成長につながる可能性があります。特に年間売上が500万円を超える規模や、複数の収入源がある場合は、申告業務の複雑化により自力での対応が困難になるケースが多いため、税理士の活用が現実的です。
青色申告で65万円の特別控除を受けたい場合は、複式簿記による記帳が必要になるため、簿記知識のない方にとって税理士への依頼はほぼ必須といえるでしょう。
「必要経費」の線引きは大丈夫?
税務申告とは、簡単に言うと「年間の売上からかかった経費などを差し引いたうえで税額を計算し、税務署に報告する」ということです。売上から経費を引いた金額が「所得」で、そこからさらに各種の所得控除の額を引いた「課税所得」に一定の税率がかかります。つまり、経費が大きいほど所得は下がり、支払う税金も少なくて済みます。
必要経費の基本とよくある間違い
税法上の「必要経費」とは、売上を上げるために直接要した支出のことです。基本的な判断基準は①事業との直接的な関連性、②事業遂行上の必要性、③金額の妥当性の3つです。
「必要経費」とは、あくまでも「事業に必要な経費」のこと。領収書があるからといって、プライベートで出かけたゴルフの代金をそこに乗せることはできません。しかし、同じゴルフでも、取引先を接待したのならば、必要経費として認められるのです。
判断に迷いやすい支出と家事按分の例
- 自宅兼事務所の家賃:使用面積による按分(事業用スペース面積÷総面積×家賃)
- 光熱費・通信費:使用時間による按分(事業での使用時間÷24時間×料金)
- 自動車関連費用:走行距離等で事業用とプライベート用を按分
- 書籍・研修費:業務に直接関係する内容であることが条件
- 接待交際費:相手方、目的、参加者などの記録が重要
よくある間違いの例
- 家族旅行を慰安旅行として計上:実態が伴わない場合は認められません
- 高額な飲食費を会議費として処理:参加者や目的が不明確だと否認されます
- プライベート用品を事業用として計上:使用実態と合わない場合は問題となります
経費に含めてはいけないものを計上し、税務署に指摘を受けた場合、足りなかった税金を新たに納めるだけでなく、追徴課税(※1)のペナルティを課せられることもあります。一方で、経費にできた支出を落としてしまえば、そのぶん節税機会を逃すことになります。
領収書の保存義務と実務管理
必要経費として計上した支出については、領収書等の保存義務があります。個人事業主の場合、白色申告なら5年間、青色申告なら7年間の保存が必要です。
領収書管理のポイント
- 日付・宛名・金額・支払先が明記されているか確認
- レシートでも領収書として有効(但し、感熱紙は劣化に注意)
- 紛失に備えて写真撮影やスキャンでのデータ保存も推奨
- 支払目的や参加者の記録を領収書の裏に記載
自力の申告には、こうした判断の難しさやリスクが潜んでいることを認識すべきでしょう。
そもそも確定申告が必要な人はどんな人?
確定申告は、前年に収入のあった人全員がしなければならないわけではありません。
どういう場合が確定申告の対象になるのかをおさらいしておきましょう。
フリーランス・個人事業主
誰かに雇用されているのでなく、自身で事業を運営しているフリーランスや個人事業主は確定申告が必要です。給与所得者であれば雇用先が所得税の計算や申告をしてくれますが、フリーランスや個人事業主は自身でせざるを得ません。
ちなみに「個人事業主」は税務署に開業届を出した人の「税法上の呼称」であり、開業届に記載した一定の業務を行います。一方フリーランスは特定の会社に属さずさまざまな仕事を受注して行う「働き方」をいいます。
いずれにせよ、雇用される側でないフリーランス・個人事業主は自分で所得等を計算し、申告する必要があります。
副業収入がある人
会社勤めをしていても、給与以外に所得がある場合は確定申告が必要です。昨今は従業員に副業を認める会社が増えてきていますが、副業の年末調整をされない年間利益が20万円を超えるときは確定申告を行いましょう。株式売買などの投資で年間20万円を超える利益を得た場合も同様です。 ※特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合を除く
会社員でも確定申告が必要になるケース(医療費控除・ふるさと納税など)
まず、会社員(給与所得者)でも給与の年間収入金額が2,000万円を超える人は確定申告が必要です。
一方、確定申告は、所得税を納めるだけではなく、還付を受けられます。
例えばその年度に支払った医療費が10万円を超えると、確定申告をすることで医療費控除による還付を受けることができます。
また、ふるさと納税は一定の条件を満たす給与所得者であれば「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を申請することで確定申告は不要です。しかし、給与所得者でも上記のように確定申告が必要なケースでは「ワンストップ特例」は使えないため、確定申告に記載して控除を受けることになります。
自分で確定申告する場合に大変になる作業と効率化の方法
会計ソフトの「性能」は年々向上していますが、だからといって経理担当者のごとく、申告業務を全自動でやってくれるわけではありません。経費の線引きや、その金額の入力などは、全て人間がやらなくてはならないのです。
自分でやる場合、どこで作業が大変になるのか
事業規模が拡大すると、確定申告の作業負担は単純に取引件数に比例して増加するだけでなく、作業の複雑さも格段に上がります。
取引件数の増加による負担
年間売上が100万円の時は月に数十枚だった領収書が、売上500万円になると月に数百枚になることも珍しくありません。領収書の整理・分類だけで数日かかるケースも出てきます。また、取引先が増えると請求書の発行や入金確認の作業も複雑化し、売掛金の管理も必要になります。
経費の種類と仕分けの複雑化
売上が少ない頃は「通信費」「交通費」程度だった経費が、事業拡大に伴い以下のような多岐にわたる費目の管理が必要になります。
- 人件費:従業員やアルバイトを雇用した場合の給与計算
- 外注費:業務委託先への支払いと源泉徴収の処理
- 減価償却費:高額な機材や車両購入時の複数年での経費計上
- 消費税の処理:課税売上が1,000万円を超えた場合の消費税計算
時間的負担の増加
売上300万円程度までなら週末の数時間で処理できていた記帳作業が、売上1,000万円を超えると月に20~30時間かかることも珍しくありません。確定申告時期には、平日の夜間や休日のほとんどを申告準備に費やすケースも見られます。
自分でやる場合に使える会計ソフトと効率化のコツ
現代の会計ソフトには作業負担を軽減する機能が多数搭載されており、上手く活用することで大幅な効率化を図れます。
会計ソフトの自動化機能
銀行口座・クレジットカード連携により、入出金データを自動で取り込むことが可能です。これにより手入力の手間が大幅に削減され、入力ミスも防げます。レシート読み取り機能を搭載したソフトでは、スマートフォンで撮影するだけで金額や日付を自動認識します。
過去の仕訳パターンを学習し、類似取引の自動仕訳提案を行う機能もあります。例えば「○○電力」への支払いを「水道光熱費」として自動提案するなど、繰り返し処理を効率化できます。
効率化のコツとスマホ活用
- 領収書は即座にスマホ撮影:紛失防止と後日の入力効率化
- 定期的な入力習慣:月末ではなく週単位で処理すると負担軽減
- 仕訳辞書の活用:よく使う取引パターンを登録して入力時間短縮
- クラウド型ソフトの活用:外出先でもスマホから入力可能
効率化の限界
ただし、経費の事業用・私用の判断や家事按分の計算(詳細は「必要経費」のセクション参照)、新しい取引の勘定科目選択などは、依然として人間の判断が必要です。また、売上が大きくなるほど税務調査のリスクも高まるため、適切な処理への責任も重くなります。
税理士依頼・記帳代行・丸投げ・自計化の違い
事業が拡大して自分での処理が困難になった場合、税理士への依頼方法は以下の3つに分かれます。
- 丸投げ:領収書等をすべて渡し、記帳から申告まで全て税理士に依頼。最も費用が高いが手間は最小。
- 記帳代行:現金出納帳は自分で作成し、その他の記帳と申告を税理士に依頼。費用と手間のバランス型。
- 自計化:自分で会計ソフトに入力し、税理士は申告書作成と税務相談のみ。最も費用が安いが会計知識が必要。
どの方法を選ぶかは、コストをかけて手間を減らすか、手間をかけてコストを削減するかという優先順位で判断することが重要です。
忙しい人ほど、税理士への依頼がおすすめ
事業が軌道に乗り、取引先が増え、領収書の枚数も増えてくると、確定申告に向けた作業量も当然のごとく増加します。税理士費用を節約するために、申告業務を全部自分でやっていて、気づいたら本業に差し向ける時間が減っていた、というのでは本末転倒になってしまいます。逆の言い方をすると、そうした作業を税理士に任せてしまえば、本業に専念できるわけです。
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- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 開業初期は確定申告の準備に時間をかけやすいですが、売上が増えるにつれて、準備にかかる手間も増えていきます。申告準備に十分な時間を確保できないとミスが発生しやすくなるため、年明けから申告期限の3月15日までに余裕を持てない場合は、税理士への依頼を検討するとよいでしょう。
- 白兼公認会計士・税理士事務所 代表 白兼道夫
自分で確定申告する手順と注意点
確定申告を自分で行う場合の具体的な流れを5つのステップに分けて解説します。各段階での注意点を把握して、効率的かつ正確な申告を目指しましょう。
STEP1:必要書類の準備
確定申告に必要な書類を漏れなく準備することが最初のステップです。事業所得がある場合は特に多くの書類が必要になります。
準備する主な書類
- 売上や仕入の請求書
- 必要経費の領収書、レシート
- 現金出納帳
- 入出金をしている通帳
- クレジットカード明細
- 専従者や従業員に支給した給与の明細
ここが難しい・注意点
インボイス制度対応の確認が重要なポイントです。2023年10月から施行された消費税のインボイス制度で課税事業者になっている場合、請求書や領収書が「適格請求書」の要件を満たしているかを確認する必要があります。紛失した書類がある場合は、再発行手続きを早めに行いましょう。
STEP2:経費の仕分け作業
揃えた書類を収入と必要経費に分類し、経費については事業用とプライベート用を適切に区別する作業です。
課税される所得金額は収入金額から必要経費を控除した差額として求められるため、必要経費が多ければ多いほど税金は安くなります。しかし、支出した経費がすべて必要経費として認められるわけではありません。
ここが最も間違いやすい
光熱費や通信費の家事按分で迷うケースが多発します。自宅兼事務所の場合、使用面積や使用時間などの合理的な基準で按分する必要がありますが、その基準の設定が難しく、判断に悩む方が多いのが現実です。交際費と会議費の区別も頻出する間違いポイントです。迷った場合は保守的に判断し、明確に事業用といえるもののみを経費計上することをおすすめします。
STEP3:会計ソフト・申告書作成サイトへの入力
収入と必要経費の集計が終わったら、確定申告書を作成するためにデータを入力していきます。
利用できるツールの特徴
国税庁「確定申告書作成コーナー」(無料)は、画面の指示に従って入力するだけで申告書を作成できるため、初心者にも使いやすく設計されています。民間の会計ソフト(年間数千円~数万円程度)では、銀行口座やクレジットカードとの連携機能により入力作業を大幅に効率化できます。
ここでつまずきやすい
費目分類での迷いが発生しがちです。経費をどの費目(租税公課、水道光熱費、旅費交通費など)に区分すべきか判断に困った場合は、「その他の経費」として内容を明記すれば問題ありません。また、各種控除の適用要件の確認も重要で、医療費控除や住宅ローン控除などの計算を間違えると大きな損失につながります。
STEP4:税務署への申告書提出
申告書の作成が完了したら、税務署に提出します。提出方法は大きく分けて3つあります。
①書面での提出:申告書を印刷して税務署に直接持参するか郵送で提出
②e-Tax(電子申告):パソコンやスマートフォンから24時間いつでも提出可能
③税理士による代理提出:税理士に依頼した場合
e-Tax利用のメリットと注意点
e-Taxを利用する場合、24時間いつでも提出可能で還付も早くなる大きなメリットがあります。ただし、マイナンバーカードまたはID・パスワード方式での事前準備が必要で、初回利用時は操作に慣れるまで時間がかかる場合があります。
最重要の注意点は提出期限(3月15日)の厳守です。期限を過ぎると無申告加算税などのペナルティが課される可能性があります。
STEP5:税金の納付または還付手続き
申告書の提出後は、納税または還付の手続きを行います。
納税の場合
所得税の納付期限は申告期限と同じ3月15日です。納付方法は現金での金融機関窓口払いのほか、クレジットカードや口座振替、e-Taxを利用したインターネットバンキングによる納付など複数の選択肢があります。
還付の場合
還付金がある場合は、申告後約1~1.5ヶ月で指定口座に振り込まれます。e-Taxで申告した場合は書面申告よりも早く処理される傾向があります。
住民税について忘れずに
確定申告のデータは自動的に各市区町村に送られ、6月頃に住民税決定通知書が届きます。住民税は所得税とは別の税金のため、通知書に記載された金額を忘れずに納付する必要があります。給与所得者の場合は勤務先での特別徴収、個人事業主の場合は普通徴収により納付することになります。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 税理士に依頼する場合でも、自分で申告する場合でも、売上や経費に関する必要書類の準備は欠かせません。1年分をまとめて準備するのではなく、定期的に整理することで作業負担を軽減でき効率的です。
- 白兼公認会計士・税理士事務所 代表 白兼道夫
各種控除の確定申告
前述した確定申告をすることで受けられる控除について、この章で詳しく解説します。
医療費控除
10万円を超える医療費を年間で支払った人が、申告時に「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付することで受けられる控除です。申告者だけでなく、申告者と生計を一にする配偶者その他の親族のため支払った医療費も合算できます。
この計算で出た金額が、所得金額から差し引かれます。
住宅ローン控除
自宅の購入や増改築を住宅ローンを利用して行い、一定の要件を満たした人は、確定申告により所得税の減税を受けられます。
不動産の登記証明書や売買等の契約書、残高証明書など必要書類が多く、自分で申告をする場合は「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」も作成しなければならないためなかなか大変ですが、ローンの年末残高の0.7%(最大35万円)の控除が13年間受けられるのは大きいですね。
なお、会社員などの給与所得者は2年目以降は必要書類を勤務先に提出すると、年末調整の範囲で住宅ローン控除を受けられます。
ふるさと納税(寄付金控除)
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の適用がない、すなわち確定申告にてふるさと納税を利用する場合は、申告書にふるさと納税で支払った額を記載するとともに、ふるさと納税を行った自治体から発行された受領書を確定申告時に添付して提出します(e-Taxを利用して確定申告する場合は添付の省略可能)。
申告することで、ふるさと納税を行った年の所得税が、ふるさと納税を行った金額のうち2,000円を越える部分について控除され、さらに翌年度分の住民税も減額されます。
税理士費用と「青色申告」
確定申告を税理士に任せることのデメリットは、費用(税理士費用)が発生すること。ですから、税理士に依頼するかどうかは、「自分でやるよりも節税効果が期待でき、間違いも起こらない」「安心して事業に専念することができる」というメリットとの比較で判断することになるでしょう。
青色申告と白色申告の違い
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があり、青色申告では最大65万円の特別控除が受けられます。控除分は所得から差し引けるため、所得税率が20%なら13万円の節税効果があります。
白色申告は収入と支出を家計簿のように単純集計するだけですが、青色申告で65万円控除を受ける場合は複式簿記による記帳と貸借対照表・損益計算書の作成、さらに電子申告での提出が必要です。
自分で青色申告をする場合のハードル
青色申告にするためには、日々の取引を複式簿記という原則に基づいて記入し、保存するのが条件。簿記を知らない人にとっては「売上が上がったら売掛金(借方)と売上(貸方)」といった仕訳の概念から理解する必要があり、相当ハードルが高いのが現実です。
現代の会計ソフトには自動仕訳機能や決算書自動作成機能が搭載されており、画面の指示に従えば複式簿記を作成できます。年間1~3万円程度の費用で65万円控除を受けることも可能ですが、複式簿記の理解には相応の学習時間が必要です。
費用対効果を考えた判断
13万円は税理士に確定申告を依頼する場合の相場の1つとも言える金額です。「青色申告の特別控除分で税理士を雇い、節税してもらう」と割り切ることもできるのです。
会計ソフトでの自力対応か、税理士への依頼か。事業規模や利用可能な時間、簿記知識のレベルを総合的に判断して選択することが重要です。

- 記事監修者からのワンポイントアドバイス
- 確定申告を自分で行う場合、多くの方は有料の会計ソフトを使用して売上や経費を入力・集計します。一方、税理士に記帳代行を依頼する場合は、税理士が保有する会計ソフトを使用するため、ご自身でソフトを選定・契約する必要はありません。
- 白兼公認会計士・税理士事務所 代表 白兼道夫
確定申告で税理士をお探しの方へ
「より節税できる可能性がある」、「申告で間違いが起こらない」、「時間のかかる煩わしい税務申告の作業から解放され、事業に専念できる」――。確定申告を税理士に任せるメリットは大。作業に大変さを感じていたら、一度真剣に検討してみては? 迷ったら、税理士紹介会社を活用するのも、1つの方法です。費用の目安などを含めて、相談に乗ってくれるでしょう。
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記事監修者 白兼税理士からのワンポイントアドバイス
個人事業主の方は、国税庁が提供する無料の確定申告ソフトe-Taxを利用して、ご自身で申告を行っている方が多いのではないでしょうか。確定申告の知識や経験が少ない方でも、e-Taxの指示に従って入力すれば、申告書の作成から提出まで比較的簡単に行うことができ、大変便利です。しかし、指示通りに入力して申告書を作成できても、間違いがないか不安を抱えたまま提出している方も少なくありません。そうした方は、税理士に相談してみることをお勧めします。税理士は申告書全体をチェックし、見落としやすい誤りに気付くことができますし、ご自身では気付きにくい節税についてもアドバイスを受けられるかもしれません。安心して正確な申告を行うためにも、税理士への相談をご検討ください。