税理士と経営コンサルタントはどう違う?
それぞれのメリット・デメリットや注意点を解説

税理士と経営コンサルタントはどう違う?  それぞれのメリット・デメリットや注意点を解説
公開日:
2020/02/19
 
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中小企業経営にとって、税務や会計の専門家である税理士は、欠かせない存在と言っていいでしょう。同時に、会社が一定の成長ステージに達すると、より上を目指すにはどうしたらいいのか、といった経営そのものに対する「指南役」が欲しくなることもあります。その役割を税理士に求めるのは無理なのか? 新たに経営コンサルタントを雇うメリット・デメリットは? 両者の違いを解説します。

税理士とコンサルタントの違いとは?

税理士とは?

税理士は、「税のプロ」として、会社の経理を基に税務申告を行ったり、節税対策をアドバイスしたりするのが主な仕事です。当然、顧問先の会社の会計、財務全般に通じていることが求められます。

経営コンサルタントとは?

一方、経営コンサルタントは、対象とする会社の経営分析を踏まえて、将来に向けた事業戦略や必要なシステム構築など、あらゆる分野に関する提言、アドバイスを行います。顧客のニーズに合わせて、事業再生、資金調達、IT、マーケティング、人材などに特化したコンサルタント会社もあります。

両者の違いは?

両者の一番わかりやすい違いは、その仕事に「資格」が必要かどうかです。
税理士は国家資格であり、後ほど説明する「独占業務(税理士資格がないとできない仕事)」があります。
しかし、「経営コンサルタント」という資格はありません。中小企業診断士などの資格を持ってコンサル業務に携わる人もいますが、それが条件ではないのです。

それだけに、経営コンサルタントという職業の守備範囲は、多岐にわたります。経営でぶつかる悩みもさまざまですから、会社の状況に合致したコンサルタントを見つけ、フォローしてもらえれば、業績向上に向けた力になるでしょう。

コンサルタントの活用には注意点もある

ただし、コンサルタントの依頼には、デメリットやリスクもあります。
当然のことながらそれなりのコストが発生することや、会社の状況に合致しないコンサルに頼んで思ったような成果が得られないこと、などが挙げられるでしょう。そのアドバイスで経営をミスリードされた、という話も耳にします。依頼する際には、自分(自社)に相応しいのかどうか、慎重に見極める必要があります。
会社経営においては、「数字」が重要な意味を持ちます。そうした観点から、会計や税務に関するフォローを受ける場合には特に注意すべきです。

コンサルタントができる業務の範囲とは?

また、実際に依頼する場合、コンサルタントと税理士どちらもできる業務と、税理士しかできない業務がそれぞれあります。

【問題】以下のような提供サービスを想定したとき、税理士だけができる業務は①~⑤のうちのどれでしょう?

  •  ①帳簿付けをやります(記帳代行)
  •  ②会社の決算書(損益計算書など)を作成します
  •  ③税務申告用の書類の内容をチェックしましょう。申告書はこちらで作成してもいいですよ
  •  ④どの支出が経費になるか、アドバイスしましょう
  •  ⑤節税のご相談に乗りますよ

【答え】③、④、⑤は税理士しかできない業務です!

税理士の資格がなくても許されるのは、①と②のみです。残りは、税理士法で税理士の「独占業務」と定められているため、仮に「会計コンサルタント」を名乗っていても、税理士資格がなければNGなのです。

  •  ①帳簿付けをやります(記帳代行)
  •   →税理士資格が無くてもできる業務
  •  ②会社の決算書(損益計算書など)を作成します
  •   →税理士資格が無くてもできる業務
  •  ③税務申告用の書類の内容をチェックしましょう。申告書はこちらで作成してもいいですよ
  •   →税理士資格が必要な業務
  •  ④どの支出が経費になるか、アドバイスしましょう
  •   →税理士資格が必要な業務
  •  ⑤節税のご相談に乗りますよ
  •   →税理士資格が必要な業務

「税理士の独占業務」とは?

税理士の独占業務とは、次の3つです。

  • 税務代理
  • 税務書類の作成……上の③が該当します
  • 税務相談……④⑤が該当します

税理士以外が「税理士の独占業務」をしたら?

もし、定めに反して無資格者がこれらの業務を行った場合、対価を受け取っている・いないにかかわらず、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることになっています。頼んだ側が罰せられるわけではありませんが、税務も専門性の高い分野ですから、「素人」から適切なサービスを受けられる可能性は、低いとみなくてはなりません。

コンサルティングが得意な税理士もいる

ところで、税理士には独占業務がありますが、税理士がその独占業務しか行えないわけではありません。さきほども述べたように、コンサルタントには資格が不要です。経営サポートを得意とし、コンサル機能を有する税理士事務所も増えているのです。

コンサルティングが得意な税理士を選ぶメリットとは?

コンサルタント能力を持つ税理士の強みは、会計・経理のプロであること。会社の財務状態を数字で正確に把握し、それをベースに経営全般についてサポートできるのは、税理士ならではといえるかもしれません。顧客にとっては、他にコンサルタントを頼むことなく、“ワンストップ”で迅速な対応が期待できるのも、大きなメリットです。

コンサルティングが得意な税理士とは?

ただし、やはり誰でもコンサルティングができるわけではありません。税理士が経営コンサルタントになるために必要なスキルとして、次のようなものが挙げらます。

  • 経営に関する幅広い知識
  • 顧客・クライアントから本音を引き出すヒアリングスキル
  • ITスキル(情報処理能力)
  • プレゼンテーションスキル(相手に伝え、理解・行動してもらうスキル)

依頼する側から見ても、こうした素養を持った税理士を選べば安心です。

コンサルティングが得意な税理士を探すには?

とはいえ、どのようにして選べばいいのかは、悩ましいところ。そんなときに役立つのが、実績ある税理士紹介会社です。自分が頼みたいコンサルがどういうものなのかを明確にしたうえで、相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

経営コンサルタントを依頼するときには、自らのニーズと合致しているのか、十分チェックしましょう。税理士にコンサルを頼めば、会社の経営実態を踏まえた、的確なサポートが期待できるはずです。

この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
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