「開業税理士」「社員税理士」「所属税理士」。 税理士登録には3種類。その違いはどこに?

「開業税理士」「社員税理士」「所属税理士」。 税理士登録には3種類。その違いはどこに?
 公開日:
2020/01/31
 
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ひとくちに税理士と言っても、開業税理士、社員税理士、所属税理士という3つの登録形態があるのをご存知でしょうか? 税理士法に定められたもので、税理士としての業務を行うためには、どれかに登録しなくてはなりません(重複はできません)。相手の「立場」を知るのも、いい税理士選びのコツ。今回は、それらの違いについて、わかりやすく解説します。

税理士資格取得=独立開業…ではない

税理士は、弁護士、公認会計士などと同じ、国家資格の「士業」です。もちろん、資格取得のためには、原則としてハイレベルな税理士試験にパスしなくてはなりません。ですから、資格さえ取れたら、晴れて開業し、すぐに事務員も雇って…というイメージも思い浮かぶのですが、現実はそう甘くはないようです。

独立開業して、自分の名前などをつけた事務所を開いているのが「開業税理士」で、税理士になろうという人の大半はそこを目指します。
経済が高度成長期にあり、企業の数が右肩上がりに増加していた頃は、それはそんなにハードルの高いことではありませんでした。開業後も、黙っていても顧客が集まってきたわけですが、今の時代は必ずしもそうはいきません。

そうした背景も踏まえたうえで「3種類の税理士さん」、開業税理士・社員税理士・所属税理士についてみていきましょう。

開業税理士・社員税理士・所属税理士の違い

「開業税理士」とは

開業税理士は、その名の通り自分で税理士事務所を開き、所長として税理士業務を行う人です。
通常、帳簿付けの入力作業や事務などを請け負う職員を雇い、自分以外の税理士(後で説明する「所属税理士」)を置くこともあります。

立場は「個人事業主」ですから、税務書類の作成、申告書への署名、税務相談、税務調査への対応といった税理士業務は、基本的にすべて開業税理士1人で行うことになります(税理士業務を無資格の職員に振ることは法律上できません)。同時に、事務所の方針、分野や顧客の選択、働き方、あえて言えば雰囲気まで、所長の一存で決めることができます。

開業税理士は、顧客と直接契約を結び、報酬もストレートに受け取ります。顧客の増減や仕事の単価が、そのまま自らの収入に反映されることになるわけです。
ちなみに、収入は「事業所得」で、そこに課税されるのは所得税です。

「社員税理士」とは

「税理士法人」という名称を聞いたことがあると思います。上記で説明したような個人事務所に対し、「会社」のような形態をとる事務所のことで、開業税理士が「法人成り」して設立するのが一般的です。その税理士法人で働くのが「社員税理士」です。

社員といっても、普通の会社でいえば「役員」の位置付けで、きちんと登記もされます。税理士法人にはこの社員が2人以上いなくてはなりません。「社長」に当たるのが「代表社員」です。ここでも、社員ではない税理士、すなわち「所属税理士」が雇われることもあります。

税理士法人の場合は「組織」で顧客の要望に対応します。税理士が常駐することを条件に、支店を展開することなども可能なのです。個人事務所に比べれば当然規模も大きくなり、事務所の方針なども、社員の「合議」という色彩が濃くなります。

法人なので、そこにかかる税金は法人税。社員は、法人から「給与所得」を受け取ることになります。そこにかかるのは、所得税です。

「所属税理士」とは

「所属税理士」とは、税理士事務所や税理士法人に雇用され、税理士業務を行う人です。かつては「補助税理士」と呼ばれていました。
「所属税理士」と「補助税理士」の違いは、顧客から直接仕事を受注して税務申告などの税理士業務を行うことができるか否かです。以前は、自分で顧客を見つけても自分の顧問先にはできなかったのです。
法改正により、所属税理士は、それができることになりました。ただしその場合にも、その都度、勤務先のトップの承諾を受ける必要があるという一定の縛りがかけられています。

税理士のキャリアアップとは

一般的には、資格を取得したら、「所属税理士」として個人事務所か税理士法人かあるいはその両方で研鑽を積み、「開業税理士」を目指す。
場合によっては、さらにその先に、「(代表)社員」として組織を運営する道を模索していく――というのが、税理士のキャリアアップの道筋と言えるでしょう。

それぞれに依頼するメリット・デメリットは?

これも一般的には、次のようなことが考えられるでしょう。勿論、すべてが当てはまるわけではありませんが、税理士選びの際に参考にしてみてはいかがでしょうか。

開業税理士に依頼するメリット・デメリット

開業税理士のメリット
  • キャリアが豊富
  • 事務所がフレンドリーで相談しやすいことが多い
開業税理士のデメリット
  • 高齢の税理士の場合、最新の情報やテクノロジーに弱いこともある
  • 廃業したり所長が亡くなったりすると、蓄積を生かしたサポートが途切れてしまう

社員税理士に依頼するメリット・デメリット

社員税理士のメリット
  • キャリアが豊富
  • 本人にわからないことがあっても、組織で対応してくれる
  • 継続したサポートが頼める安心感がある
社員税理士のデメリット
  • 本人が対応せず「担当者」任せにされる可能性がある
  • 報酬が高めに設定されていることもある

所属税理士に依頼するメリット・デメリット

所属税理士のメリット
  • 若くてフットワークがいい
  • 「上」を目指すひたむきさが仕事に現れる
所属税理士のデメリット
  • 経験や知識が浅い
  • トップの承諾がないと、依頼を引き受けてもらえない

まとめ

税理士には、3つの登録形態があります。それぞれの立場の違いを知れば、税理士選びの一助になるのではないでしょうか。

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