プロが教える正しい税理士の選び方とよくある失敗例5選

プロが教える正しい税理士の選び方とよくある失敗例5選
最終更新日:
2026/04/15
この記事の監修者
髙谷公認会計士・税理士事務所
代表 髙谷 武司(税理士・公認会計士)
 
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「節税提案がない」「連絡しても何日も返事がない」「顧問料が高すぎた」。こうした不満を抱える経営者の多くは、税理士選びの入口で判断を誤っています。失敗しない税理士選びの核心は「依頼目的の明確化」と「相性の見極め」の2点。本記事では正しい選び方のポイントと、よくある失敗例を実務的に整理します。

税理士の正しい選び方

税理士選びは「安いから」「知り合いの紹介だから」で済ませると、後から高いコストを払うことになりがちです。まず「何を依頼するか」を先に明確にし、費用・業種知識・相性・レスポンス・提案力の5つの軸で候補を絞り込むのが基本です。費用の安さだけで選ぶのも、相性確認を省くのも、いずれも失敗のもとです。

料金・費用体系が自社の規模と依頼範囲に合っているか

依頼する業務の範囲を先に整理してから、料金の妥当性を判断してください。記帳代行から税務申告・節税アドバイスまで一括で依頼するのか、決算申告代行だけで十分なのかによって、適正な報酬水準は大きく異なります。 
顧問料が安く見えても、記帳代行や訪問・面談がオプション扱いで追加料金が発生するケースは少なくありません。見積もりの段階で「月次顧問料に含まれるサービスの範囲」を必ず書面で確認し、同じ業務条件で複数事務所を比較することが基本です。

自社の業種・業界への知識があるか

業界固有の税務規制・商習慣・原価率の目安を理解しているかどうかで、節税効果と経営アドバイスの質は大きく変わります。税理士事務所によって得意分野は異なるため、ホームページの実績欄や初回面談で「同業種の顧問先があるか」を確認してください。 
事業承継・資金調達・M&Aなど特定の経営課題がある場合は、その支援実績を持つ事務所を選ぶことが特に重要です。汎用的な法人対応しかしていない事務所では、業界特有の課題に対して的外れなアドバイスしか受けられないことがあります。

相性とコミュニケーション手段が合うか

契約前の面談で「話しやすいか」「質問に具体的に答えてくれるか」を必ず確かめてください。相性が合わないと相談の頻度が落ち、結果として申告作業だけをこなす関係になりがちです。 
なお、面談の相手が税理士本人でも、実際の担当は事務所スタッフになるケースがあります。その場合は担当スタッフとの面識も得ておくと安心です。連絡手段(メール・チャット・電話・訪問)についても、自社のスタイルと事前に擦り合わせておきましょう。

レスポンスの速さを事前に確認する

問い合わせへの返信スピードは、契約前の段階でも確認できます。電話なら当日中、メールなら翌営業日中の折り返しがない事務所は、顧問契約後も同じ対応が続くと考えてください。 
税務調査の連絡が来た、申告直前に経理ミスが発覚した、といった緊急場面では顧問税理士の対応スピードが経営を左右します。「通常業務は問題ない」という事務所でも緊急時に連絡がつかないケースがあるため、緊急時の連絡体制を面談時に明確にしておきましょう。

節税・経営アドバイスを先手で提供してくれるか

良い税理士は正確な申告をこなすだけでなく、決算前の節税対策や事業承継など、タイミングを逃すと意味がない情報を先手で提供してくれます。月次で会社を訪問し、財務状況をリアルタイムで把握したうえで適切な提案をしてくれる事務所かどうかが判断軸になります。 
面談時には「決算の何ヶ月前から対策アドバイスを始めますか?」「巡回監査の頻度はどの程度ですか?」と直接確認してみましょう。曖昧な答えしか返ってこない場合は、実質的に申告作業のみの対応になる可能性があります。

探し方:紹介・紹介サービス・HP検索の使い分け

同業者や取引先からの紹介は、業種知識や規模感がある程度保証されやすいメリットがある反面、相性が合わなくても断りづらくなるリスクがあります。紹介を受ける場合でも、必ず自社で面談して相性を確かめてから契約を判断してください。 
税理士紹介サービスは一度に複数の事務所を比較できるため、初めての契約や事務所の変更を検討している方に有効です。ただし、運営会社が税務・会計に精通しているかどうかで紹介精度に差が出るため、税理士専門の紹介サービスを選ぶのが無難です。

監修者

髙谷 武司

監修税理士からのワンポイントアドバイス

税理士選びでは、相性が合うか?と依頼の目的に合うか?の2つが特に重要となります。

まず、相性が合わないと、コミュニケーションがうまく取れなくなります。お客様は相談しにくくなるでしょうし、税理士は連絡の頻度が落ちるでしょう。そうなると、結局、他のサービスを受けられず、税金の申告だけで終わってしまうかも知れません。そのため、契約前の面談では、相性が合うか?を重点的に見てほしいと思います。なお、面談相手は税理士だが、担当は事務所のスタッフという場合があります。この場合、担当するスタッフとの相性も確かめられると、尚良いでしょう。

次に、依頼の目的が達成されるかも大事になります。例えば、依頼の目的が資金調達の支援だとします。この場合、税務申告の実績が豊富であることよりも、資金調達の支援が得意かどうかがポイントになります。そのため、事前に依頼する目的を明確にし、その目的に合った(強い)税理士を選ぶことが重要となります。

税理士選びでよくある失敗例

税理士選びの失敗は大きく5パターンに集約されます。いずれも「選ぶ前に確認すれば防げた」ケースばかりです。自社の状況と照らし合わせながら確認してください。

① 節税をしてくれない

「税理士ならば当然節税してくれる」は思い込みです。「正確な納税をサポートすることが仕事」という原則に忠実な、どちらかというと税務署寄りのスタンスで仕事をする税理士も少なくありません。関連する税法の知識が乏しいために、節税対策をしたくてもできないケースもあります。 
見直しのサイン:「節税できますか?」と聞いても曖昧な答えしか返ってこない。申告が近づいてから「今期の税金はこれだけになります」と予想を超える金額を告げられる。こうした状況が続く場合は、節税に積極的な税理士への変更を検討してください。

② 税理士報酬が高すぎる、または安すぎる

複数事務所の見積もり比較をしないまま契約すると、相場より高い報酬を払い続けるリスクがあります。月額数万円の差でも年換算では大きな金額です。また、「含まれると思っていたサービスがオプション扱いで追加料金が発生した」というトラブルも頻繁に起きています。 
反対に「とにかく安い」事務所に飛びつくのも禁物です。安さには何らかの理由があります。対応範囲が限定的であったり、担当者のスキルに問題があったりするケースも珍しくないため、料金だけでなく業務内容の内訳を必ず確認してください。

③ レスポンスが遅い

レスポンスの遅さは平時にはまだしも、税務調査や申告直前の緊急場面では経営の死活問題になりえます。「何日経ってもメールの返信がない」という状況が常態化している事務所では、改善を求めても繰り返されることがほとんどです。 
見直しのサイン:午前中に送ったメールが翌日になっても未返信が続く。電話してもなかなかつながらない。こうした状況が2回以上続いた場合は、対応体制について事務所に正式に確認を入れてください。それでも改善しないなら、変更を検討するタイミングです。

④ 自社の業界や成長段階に疎い

業界の平均的な原価率や固有の商習慣を知らない税理士では、実態に即した節税・経営アドバイスは期待できません。また、毎年の申告だけを淡々とこなすタイプの税理士は、会社の成長段階に合わせた提案を自発的には行いません。 
例:跡取りが決まっているのに事業承継の準備提案がなく、後継者に大きな税負担を負わせてしまった。「わかっている」事務所ならば、自社株の段階的な譲渡など、時間をかけた対策を早期に提案してくれたはずです。自社の業種・成長課題を理解しているかを、面談で具体的な事例を挙げて確認してください。

⑤ 上から目線の態度がある

税理士は専門資格職ですが、顧問先の課題に親身に向き合うサービス業でもあります。高圧的な態度や説明の少なさは、積極的な提案や誠実な対応を期待しにくいサインです。初回面談での態度、わかりやすく説明してくれるか、質問に正面から向き合ってくれるかをよく観察してください。面談時の印象は、契約後の関係性をそのまま反映することが多いです。

税理士業界では保守的な慣行が続く一方で、サービス精神の旺盛な税理士も確実に増えています。面談の場で「顧問先の経営課題にどのように関与しているか」を具体的に聞いてみることで、その税理士の仕事への姿勢が見えてきます。

監修者

髙谷 武司

監修税理士からのワンポイントアドバイス

税理士の立場から見たミスマッチの例を2つご紹介します。

1つ目は、とにかく報酬を抑えたいというお客様とのミスマッチです。この場合、お客様の意向に沿って、提供するサービスを絞ることがあります。例えば、記帳代行は契約せず、自社で行うといったケースです。しかし、自社で行った記帳が正確にされておらず、その修正の手間が記帳代行の手間を超えるという本末転倒な状況になりました。このケースでは結局、年度の中途に記帳代行の契約をしてもらいました。

2つ目は、コミュニケーション手段のミスマッチです。例えば、面談は、基本的にオンラインでの対応にしているが、お客様は対面を希望されている場合です。この場合、面談はオンラインで行うという前提で報酬が設計されているため、対面だと報酬が上がることがあります。また、普段の対応についても、税理士側ではメールやチャットを基本としているところ、お客様は電話で相談したいなどのミスマッチもあります。

 

まとめ:失敗しない税理士選びのために

税理士選びの失敗は、選び方の入口を誤ることから始まります。以下の5点を判断の軸にしてください。

第一に、「何を依頼するか」を先に明確にすることです。依頼範囲が曖昧なまま料金だけで選ぶと、期待と現実がずれたまま契約が続きます。第二に、相性は面談で必ず確かめること。担当スタッフとの相性確認も含め、話しやすいかを自分の目で判断してください。 
第三に、業種・業界の知識と支援実績を確認すること。汎用的な対応しかできない事務所では、業界固有の課題に対応できません。第四に、レスポンスと提案力は契約前に見極めること。問い合わせへの返信速度と、節税・経営アドバイスへの姿勢は面談段階でも確認できます。 
第五に、紹介・紹介サービス・HP検索を上手に組み合わせること。どの経路で出会った税理士であっても、最終判断は自社での面談に基づいて行いましょう。

よくある質問

税理士選びでよくある失敗は何ですか?

節税に積極的でない、報酬が高すぎる(または安すぎる)、レスポンスが遅い、自社の業界に詳しくない、上から目線の態度がある、の5パターンが代表的です。いずれも選ぶ前の面談や見積もり比較で防げます。

税理士を選ぶ際、どのような点を確認すべきですか?

費用の内訳と業務範囲、自社と同業種の顧問実績、面談時の相性とコミュニケーション手段、問い合わせへのレスポンス速度、節税・経営アドバイスへの姿勢の5点を確認してください。複数の事務所を比較したうえで判断するのが基本です。

税理士報酬の相場はどのくらいですか?

月次顧問料は3万円〜5万円、決算申告料は20万円〜50万円が一般的な目安です。ただし業務内容・会社規模・訪問頻度によって異なるため、複数事務所から見積もりを取って比較してください。

税理士の対応が遅い場合、どうすればよいですか?

まず事務所に対応体制の改善を正式に申し入れてください。それでも改善しない場合は、契約内容の見直しまたは他の税理士への変更を検討するタイミングです。

自社の業界に詳しい税理士を見つけるにはどうすればよいですか?

税務・会計に精通したスタッフが選定を行う税理士専門の紹介サービスを利用するか、同業者のネットワークや取引先からの紹介を活用してください。いずれの場合も、面談で同業種の顧問実績を具体的に確認することが重要です。

紹介で選んだ税理士が合わなかった場合はどうすればよいですか?

紹介元への遠慮は不要です。税理士との顧問契約は経営上の判断であり、相性や能力の不一致は正当な変更理由になります。変更の際は決算申告の完了後など、業務の区切りのタイミングを選ぶと引継ぎがスムーズです。

この記事の監修者
髙谷公認会計士・税理士事務所
代表 髙谷 武司(税理士・公認会計士)
同志社大学卒業後、有限責任監査法人トーマツやハウス食品株式会社、IPO準備企業などを経て、2021年に髙谷公認会計士・税理士事務所を開設しました。事業会社で経営企画なども経験していることから、会計や税務はもちろん、経営の相談までできる会計事務所として、皆様のサポートをしております。

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この記事の執筆者
税理士紹介センタービスカス編集部
税理士紹介センタービスカスは、 株式会社ビスカスが運営する、日本初の「税理士紹介サービス」サイトです。 税理士をお探しの個人事業主や法人のお客様に対して、ご要望の税理士を無料でご紹介しています。
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